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伊勢物語とその周縁

ジェンダーの視点から

定価: 10,450 (本体 9,500 円+税)
"ジェンダーの視点から伊勢物語を再考し、物語の独自の魅力を追究する。男のまなざしから女の内面へという視点から蜻蛉日記、源氏物語との架橋と比較を試みる。
☆ ☆☆第2次関根賞第2回受賞☆☆☆

【著者略歴】
丁莉(DING LI)
1974年生まれ
1994年、北京第二外国語学院日本語学部卒業
1998年、二松学舎大学修士課程修了
2002年、お茶の水女子大学博士課程修了
    博士(人文科学)
お茶の水女子大学大学院助手を経て、現在は北京大学 外国語学院日本言語文化学部講師"
目次を表示します。
第一編 『伊勢物語』 のジェンダー
 第一章 男の心 物語の志向するもの
  一 物語の主人公「昔男」―『大和物語』在中将関連章段との対比から―
  二 作者(語り手)の関心―『古今和歌集』業平歌詞書との対比から―
  三 男の心のかたち―独詠歌という視点から―
 第二章 女の愛 物語のたどり着くところ
  一 女の存在の加重
  二 女の愛の諸相
  三 男の視点と女の意思表示
第二編 物語の女性と歌からみる意思表示
 第三章 「色好み」と女性
  一 「色好み」と「好色」
  二 女の「色好み」
  三「色好み」と意思表示
 第四葦 切り返しの返歌と女の拒否
  一 女の返歌の伝統
  二『伊勢物語』の女の歌と拒否
  三「見つ」問答をめぐつて―『伊勢集』と『平中物語』の違いから―
 第五章 女の贈歌とその様相
  一 『伊勢物語』の女の贈歌
  二 上代における女の贈歌
  三 平安時代の女の贈歌
 第六章 女の贈歌章段考
  一 「なかなかに恋に死なずは」―十四段を考える―
  二 「心みむとて」―十八段を考える―
  三 「大宮人の見まくほしさに」―七十一段を考える―
第三編 行動からみる女性の意思表示―恋愛(婚姻)慣習を背景に―
 第七章 「女のよばひ」
  一 「よばひ」の定義
  二 万葉の「女のよばひ」
  三 平安時代の「女のよばひ」
  四 「つくも髪」の女と石川女郎との比較から―六十三段を考える―
 第八章 「閉め出し」
  一 「閉め出し」 の拒絶法
  二 「あけで」―二十四段を考える―
 第九章 女の出奔
  一 「いでていなば」をめぐる論議から―二十一段を考える―
  二 「中務大輔娘成近江郡司禅語」、「買妻恥」との比較から―六十段、六十二段を考える―
第四編 女性像への視角 男のまなざしから女の内面へ
    ―『伊勢物語』から『蜻蛉日記』、『源氏物語』 へ―
 第十章 「待つ女」のイメージの変容
  一 『伊勢物語』の「待つ女」
  二 「待つ女」の原像とその変容
  三 「待つ女」の内省と女の文学―小町、伊勢、道綱母―
 第十一章 理想の女性と嫉妬―大和の女から紫上へ―
  一 大和の女 語られない嫉妬
  二 紫上の嫉妬「おいらか」の裏側
  三 「おいらか」と「つれなし」のはざま
  四 大和の女から紫上へ
 第十二章 「床はなれ」と出家
  一 有常妻の「床はなれ」と出家
  二 紫上の出家意志
  三 女の出家の意義
第五編 恋愛文学としての達成 男と女の究極の悲恋
    ―漢文学の受容・『源氏物語』への投影―
 第十三章 恋と死と鎮魂―第六段への一視点―
  一 「あしずり」考
  二 「かひなし」考
  三 六段に対する解釈と『源氏物語』との接点
 第十四章 「狩の使」の達成―『鶯鶯伝』を土台にして―
  一 『鶯鶯伝』の受容のしかた
  二 「狩の使」における改変と創意
  三 主題面の独自の達成
附章一 
附章二
初出一覧
参考文献
あとがき
索引
著者丁莉 著
発行年月日2006年05月15日
頁数356頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1531-0