伊勢物語とその周縁
ジェンダーの視点から
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第一編 『伊勢物語』 のジェンダー
第一章 男の心 物語の志向するもの
一 物語の主人公「昔男」―『大和物語』在中将関連章段との対比から―
二 作者(語り手)の関心―『古今和歌集』業平歌詞書との対比から―
三 男の心のかたち―独詠歌という視点から―
第二章 女の愛 物語のたどり着くところ
一 女の存在の加重
二 女の愛の諸相
三 男の視点と女の意思表示
第二編 物語の女性と歌からみる意思表示
第三章 「色好み」と女性
一 「色好み」と「好色」
二 女の「色好み」
三「色好み」と意思表示
第四葦 切り返しの返歌と女の拒否
一 女の返歌の伝統
二『伊勢物語』の女の歌と拒否
三「見つ」問答をめぐつて―『伊勢集』と『平中物語』の違いから―
第五章 女の贈歌とその様相
一 『伊勢物語』の女の贈歌
二 上代における女の贈歌
三 平安時代の女の贈歌
第六章 女の贈歌章段考
一 「なかなかに恋に死なずは」―十四段を考える―
二 「心みむとて」―十八段を考える―
三 「大宮人の見まくほしさに」―七十一段を考える―
第三編 行動からみる女性の意思表示―恋愛(婚姻)慣習を背景に―
第七章 「女のよばひ」
一 「よばひ」の定義
二 万葉の「女のよばひ」
三 平安時代の「女のよばひ」
四 「つくも髪」の女と石川女郎との比較から―六十三段を考える―
第八章 「閉め出し」
一 「閉め出し」 の拒絶法
二 「あけで」―二十四段を考える―
第九章 女の出奔
一 「いでていなば」をめぐる論議から―二十一段を考える―
二 「中務大輔娘成近江郡司禅語」、「買妻恥」との比較から―六十段、六十二段を考える―
第四編 女性像への視角 男のまなざしから女の内面へ
―『伊勢物語』から『蜻蛉日記』、『源氏物語』 へ―
第十章 「待つ女」のイメージの変容
一 『伊勢物語』の「待つ女」
二 「待つ女」の原像とその変容
三 「待つ女」の内省と女の文学―小町、伊勢、道綱母―
第十一章 理想の女性と嫉妬―大和の女から紫上へ―
一 大和の女 語られない嫉妬
二 紫上の嫉妬「おいらか」の裏側
三 「おいらか」と「つれなし」のはざま
四 大和の女から紫上へ
第十二章 「床はなれ」と出家
一 有常妻の「床はなれ」と出家
二 紫上の出家意志
三 女の出家の意義
第五編 恋愛文学としての達成 男と女の究極の悲恋
―漢文学の受容・『源氏物語』への投影―
第十三章 恋と死と鎮魂―第六段への一視点―
一 「あしずり」考
二 「かひなし」考
三 六段に対する解釈と『源氏物語』との接点
第十四章 「狩の使」の達成―『鶯鶯伝』を土台にして―
一 『鶯鶯伝』の受容のしかた
二 「狩の使」における改変と創意
三 主題面の独自の達成
附章一
附章二
初出一覧
参考文献
あとがき
索引