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江戸幕府試験制度史の研究

江戸幕府試験制度史の研究

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江戸幕府における試験の制度と実態を考証しながら、試験制度と幕府の教育政策・役職登用・幕臣の日常学習との関係及び試験制度の天領への拡がりなどの問題を究明。
目次を表示します。
凡例
序 江戸幕府試験制度史研究の意義と方法
第Ⅰ編 江戸幕府の学問奨励政策と試験制度の整備
 第一章 幕府の学問奨励政策と学問吟味の創始
  第一節 享保改革期の学問奨励策
  第二節 寛政改革期の学問奨励策
    一 柴野栗山の文武奨励策とその実現
    二 柴野栗山の文武奨励策における賞罰原理
  第三節 学問吟味創始の状況
    一 第一回学問吟味の実施  
    二 第一回学問吟味の評定をめぐる混乱
    三 試験法改良をめぐる試行錯誤
  第四節 学問吟味実施要項案の策定
    一 学問吟味の科目構成  二 答案作成と品評
    三 及第者への処遇    四 及第者登用の理念
  第五節 第二回学問吟味の実施と試験法の確定
    一 改正実施要項伺書の提出  
    二 実施の布告と受験要領の周知徹底
 第二章 学問吟味の実施形態
  第一節 学問吟味の実施状況の推移
    一 年次別実施状況  二 試験方法の修正  
    三 評定法と褒賞の変遷
  第二節 学問吟味の執行過程
    一 問題の作成  二 試験会場の状況
    三 答案の品評  四 総合評定の決定と試験結果の上申
  第三節 学問吟味及第者の処遇
    一 幕府による及第者褒賞  二 及第者自身の社会的対応
 第三章 試験制度の整備と幕臣の官製学習階梯の確立
  第一節 素読吟味の実施形態
    一 実施年度  二 実施形態
  第二節 素読吟味の社会的意義
    一 幕府教育政策における素読吟味の位置  二 昌平坂学問所寄宿稽古入学資格と素読吟味  三 幕臣の学習歴における素読吟味の位置  四 素読吟味の性格
  第三節 昌平坂学問所における大試業の発達
    一 大試業の実施状況 二 天保改革期における大試業の整備
    三 大試業の実態とその性格
  第四節 昌平坂学問所における平常試験の発達
    一 三八試業 二 詩文試と夏冬試
  第五節 試験制度と幕臣の官製学習階梯
第Ⅱ編 江戸幕府における試験制度と役職任用の関係
 第四章 旗本惣領の番入り選考における学問試
  第一節 選考制度成立以前の番入り
    一 幕臣の概数と身分 
    二 総番入り制度における旗本惣領の番入り
  第二節 番入り選考の創始
  第三節 番入り選考における学問試の開始
    一 寛政期における番入り選考の励行
    二 番入り選考における学問しの創始
  第四節 番入り選考における学開式の実態
    一 実施時期 二 実施形態 三 及第者の番入りの実態
 第五章 幕臣の役職登用・昇進と学問吟味及第の関係
  第一節 旗本惣領の番入り選考における学問吟味及第
    一 学問吟味優秀の旗本惣領の登用慣行
    二 学問吟味優秀の旗本惣領登用の性格
  第二節 旗本当主の登用・昇進と学問吟味及第
    一 当主の昇進  二 小普請の役職任用
  第三節 御家人の登用・昇進と学問吟味及第
 第六章 昌平坂学問所関係役職の任用と試験
  第一節 昌平坂学問所の教職員・稽古人掛役の概要
    一 林家塾時代の教職員・稽古人掛役の構成
    二 昌平坂学問所成立後の教職員・稽古人掛役の構成
    三 幕末期における教職員・稽古人掛役の新設
  第二節 昌平坂学問所教官の任用と試験
    一 幕府儒者の任用  二 教授方出役の待遇
    三 教授方出役の任用と試験
  第三節 昌平坂学問所稽古人掛役の任用と試験
    一 稽古人掛役の待遇  二 稽古人掛役の任用と試験
第Ⅲ編 江戸幕府の試験制度による受験者の学習への影響
 第七章 学問吟味における学力
  第一節 学問吟味試験問題の量と内容
    一 試験科目における選択制  二 試験答案の形式
  第二節 学問吟味受験者の答案の内容
    一 及第者答案内容の分析 二 学問吟味における学力の特質
 第八章 学問吟味受験者の準備行動
  第一節 学問吟味受験者の就学歴
    一 受験者の属性  二 受験者の就学歴
  第二節 昌平坂学問所正課業における学問吟味受験準備
    一 課業による受験準備  二 校内試験による受験準備
  第三節 昌平坂学問所正課外における学問吟味受験準備
    一 学習会・塾の活動  二 受験情報の流通
第Ⅳ編 江戸幕府直轄教育機関における試験制度の伝播
 第九章 幕府医学館における医学考試と幕府の医学吟味
  第一節 寛政期における医学考武の創始
    一 幕府による医官の綱紀粛正策
    二 医学館の成立と医学考試の開始
  第二節 試験問題および答案にみる医学考式の性格
    一 医学考試の実施記録 二 口頭試験の内容 
    三 筆記試験の内容
  第三節 受験者の処遇にみる医学考試の性格
  第四節 幕末期医学館改革と医学吟味の創始
    一 幕末期の医学教育政策  二 医学吟味の創始とその性格
  第五節 医学考試および医学吟味の教育史的意義について
 第十章 幕府直轄領内学問所への試験制度の伝播
  第一節 甲府学問所における試験制度
    一 甲府学問所の創設と学問吟味  二 甲府における素読吟味
    三 甲府学問所における校内試験
  第二節 駿府学問所における試験制度
  第三節 長崎教授所における試験制度
    一 長崎における試験制度の実施状況 二 安政三年以前における学問吟味 三 安政四年の改革以降の学問吟味   
    四 長崎における素読吟味
  第四節 佐渡学問教諭所における試験制度
  第五節 目光学問所における試験制度
    一 日光奉行所における見分の実施
    二 日光学閉所の創設と試験制度の整備
  第六節 箱館学問所における試験制度
結び 江戸幕府における試験制度の教育史的意義
あとがき
索引
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者橋本昭彦 著
発行年月日1993年02月28日
頁数330頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0838-1