蜻蛉日記の表現と構造
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凡例
序 章 『蜻蛉日記』の研究史と、本研究の課題
はじめに
一、『蜻蛉日記』の文学史的位置付けについて
二、研究史の動向について
―事柄に対する関心から表現に対する関心へ、そしてさらなる表現の問題の追究へ―
三、本研究の課題と研究史における位置付け、並びに構成
第一章 『蜻蛉日記』上・中・下巻の特質
―散文作品としての形成過程の展望―
一、上・中・下巻の差異の概観
二、上巻の特質
三、中巻の特質
四、下巻の特質
五、『蜻蛉日記』誕生の巻としての上巻の意義
第二章 『蜻蛉日記』上巻の構造と時間的叙述
―作品始発部における散文作品形成の意図と様相―
一、上巻の基本的な構造と本章の課題
二、単位記事によって見た上巻の構造
三、時間的叙述の検討
四、単位記事間の連接
五、時間的連続による作品形成の意図と様相
付表 [二章の表一]上巻の単位記事と記事群
[二章の表二]上巻の時間的叙述
[二章の表三]上巻の単位記事間の連接
[二章の表四]上巻のつなぎの記述の数
第三章 『蜻蛉日記』の和歌素材と散文との関係
―散文作品形成の動機と様相―
一、私家集的性格の問題と本章の課題
二、和歌の直後の形態 - 文中における和歌の受け方 -
三、各記事における和歌素材と散文との関係、及びその意義
四、和歌の直後の形態と各記事の性質との関係
五、和歌素材と散文との関係から見た、作品形成の動機と様相
付表 [三章の表一]『蜻蛉日記』上巻における和歌素材と散文との関係
[三章の表二]『更級日記』における和歌素材と散文との関係
[三章の表三]『蜻蛉日記』上巻と『更級日記』における歌の受け方
[三章の表四]『蜻蛉日記』上巻と『更級日記』の記事の型
第四章 『蜻蛉日記』の成立過程
―上・中巻の表現・構造から見た起筆の問題を中心に―
一、成立に関する諸説と本章の課題
二、史実との照合
三、上巻の個別的成立について
四、「ふる雪に」の独詠歌と、その記事-上巻執筆との関連-
五、中巻始発部の問題と成立過程
六、作者の人生における執筆契機とその時期
付表 [四章の表一]中巻の記事内容
[四章の表二]中巻の時間的叙述
第五章 『蜻蛉日記』序文に関する検討
一、『蜻蛉日記』序文の意義と問題点
二、解釈の問題の検討
三、序文に示された執筆意図、文学史的意義について
四、本章の結論と、その意義- 付、冒頭の「かく」と読者意識-
第六章 『蜻蛉日記』の叙述の視点の問題をめぐって
―『和泉式部日記』との比較を中心に―
はじめに
第一節 『和泉式部日記』の叙述の視点
一、『和泉式部日記』の叙述の視点の問題と本稿の課題
二、和歌等を「とあり」で受ける表現
三、『和泉式部日記』の「女」の和歌等を「とあり」で受ける表現
四、『蜻蛉日記』の「とあり」との比較
五、歌物語の「とあり」との比較
六、『和泉式部日記』の叙述の視点『蜻蛉日記』との相違-
第二節 『蜻蛉日記』下巻の「物語性」と、叙述の視点
一、下巻の「物語性」に関する従来の説
二、養女迎えの記事に見る叙述の実態
三、下巻の「物語性」と、叙述の視点についての確認
第三節 『蜻蛉日記』の自ら語る視点の問題と、叙述の性質
一、叙述の視点と解釈の問題
二、解釈の問題の検討
三、叙述の性質に関する考察
四、視点の問題と叙述の性質-自ら語る叙述-
終章 『蜻蛉日記』の表現と構造
―女流日記文学の創始の様相―
一、第六章までのまとめ
二、結論
参考文献
初出一覧
あとがき
索引