大鏡の史的空間
定価:
14,300
円(本体
13,000
円+税)
- 目次を表示します。
-
凡例
第一章 帝紀・大臣列伝の問題
第一節 大鏡における朱雀院の処遇
一、村上・朱雀紀への疑問
二、朱雀院鍾愛逸話の解釈
三、朱雀院下ろし
四、「昔物語」所収二逸話の位相
第二節 大鏡における花山院紀の位相
一、問題の所在
二、花山院退位の政治的背景
三、安倍晴明登場の意義
四、逸脱者の生
第三節 基経伝の問題-光孝帝関係逸話をめぐって-
一、はじめに
二、光孝帝関係逸話の位相
三、陽成院退位の事情
四、光孝帝擁立の政治力学
五、光孝帝関係逸話挿入の構図
第四節 師尹伝-敦明廃太子と院号賜与をめぐって-
一、間題の所在
二、敦康立太子断念の事情
三、敦明退位の政治的背景
四、院号賜与の意味
五、寛子入内の意味
六、敦明退位記事の位相
第五節 師輔伝-安子関係逸話について-
一、問題の所在
二、村上帝後宮と安子
三、「かはらけ事件」の背景
四、「かはらけ事件」の解釈
五、登子への懸想
六、九条流の専権への道
第六節 兼通伝の問題
一、問題の所在
二、古本系の基本構図
三、増補記事(次第のままに)の意義
四、増補記事(最後の除目)の意義
第七節 為光伝の問題
一、はじめに
二、誠信と斉信の争い
三、道長の思惑
四、まとめ
第二章 大鏡の人物像
第一節 大鏡における醍醐天皇像
一、はじめに
二、延喜天暦聖代観と『大鏡』
三、元服・践祚逸話の意義
四、道真左遷記事
第二節 師輔伝 -選子像をめぐって
一、問題の所在
二、仏教信仰
三、現世の栄華
四、追従ぶかき老狐
第三節 道兼伝における兼綱・兼隆の位相
一、薄命の関白
二、兼綱の罷免問題
三、兼隆の栄進
四、女君たちの末路
五、謀略の血筋
第四節 道隆伝-隆家と公信の確執
一、問題の所在
二、右近中将公信
三、隆家と為光の後裔
四、逸話の解釈
第五節 道隆伝における隆家の位相
一、問題の所在
二、賀茂詣の逸話
三、刀伊の入寇
四、将門・純友共謀説の意義
五、すてぬもの
第三章 説話・逸話の構図
第一節 実頼伝-藤原佐理説話についてー
一、はじめに
二、佐理説話の歴史的背景
三、佐理名人芸説話の解釈
四、佐理記事後半部の意義
第二節 頼忠伝の構成-公任三船譚の位置をめぐって
一、問題の所在
二、「頼忠伝」の問題
三、公任「無心の事」
四、三船譚の構図
五、公任の生きる道
第三節 師尹伝-芳子関係逸話をめぐって-
一、はじめに
二、芳子関係逸話の背景
三、政治的背景
四、村上帝変心の背景
第四節 伊尹伝 -朝成怨霊譚の成立-
一、問題の所在
二、史実・説話と『大鏡』の怨霊譚の構成
三、「伊尹伝」の解釈
四、朝成の怨念の生成
第五節 道長伝における顕信出家談の位置
一、問題の所在
二、「道長伝」の構図
三、顕信出家の位相
第六節 道長伝-道長剛気逸話の意義-
一、問題の所在
二、両を踏む
三、肝試しの話
第七節 道長伝-競射の話の解釈-
一、問題の所在
二、競射の話の舞台
三、競射の話の意味
〔付論〕流布本系・異本系における記事増補について
索引
後記