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アームストロングの理科教育論の研究

定価: 15,400 (本体 14,000 円+税)
アームストロングの発見的教授法の理科教育史的意義を成立過程にまで遡って考察し、実体の究明により社会の発展と理科教育との密接な関連を明確に示唆した名著。
目次を表示します。
まえがき 
序章 アームストロングの理科教育論の研究の目的と視点
 第1節 研究の目的
  1.アームストロングの発見的教授法の実体の明確化 
  2.イギリス理科教育史上におけるアームストロングの理科教育論の位置づけ
 第2節 研究の視点
  1.技術教育振興運動との関連から 
  2.近代自然科学の研究方法との関連から
 第3節 アームストロングの略歴
第1章 アームストロングの理科教育論成立の背景
 第1節 19世紀におけるイギリスの科学教育と技術教育
  1.高等教育・研究機閑における科学教育
   (1)王立研究所
   (2)オックスフォード大学とケンブリッジ大学
   (3)ロンドン大学
   (4)地方大学
   (5)王立化学カレッジ
   (6)王立鉱山学校
  2.中等学校における理科教育と技術教育
   (1)科学技術局と科学学校
   (2)理科教育の実態並びに理科教育改善への提言
   (3)パブリック・スクールおよび基本財産学校における理科教育
   (4)理科実験の実状
 第2節 技術教育振興運動
  1.技術教育の定義
  2.ロンドン市・ギルド協会による技術教育振興運動 
   (1)ロンドン市・ギルド協会の設立
   (2)フィンスベリー工業カレッジ,並びに,セントラル・インステ
      ィテューションの創設
  3.科学技術教育に関する王立委員会
  4.技術教育振興のための法的措置 
  5.科学技術における専門職の拡大
   (1)産業界における科学技術の専門職
   (2)教職
第2章 アームストロングの科学教育論と技術教育振興運動
 第1節 フィンスベリー工業カレッジにおけるアームストロングの活動
  1.フィンスベリー工業カレッジの設立
  2.教育課程
   (1)第1学年の化学の授業内容
   (2)第2学年以上の化学の授業内容
 第2節 セントラル・インスティテューションにおけるアームストロングの活動
  1.セントラル・インスティテューションの設立
  2.セントラル・インスティテューションにおけるアームストロングの活動 
 第3節 アームストロングの科学教育論と技術教育振興運動
  1.技術教育振興運動と科学教育の改革
  2.アームストロングの理科教授法とリービッヒの化学研究法
第3章 アームストロングの理科教育論
 第1節 アームストロングの理科教育に関する論文の概観
  1.理科教育に関する論文
  2.1884年の論文の概要
 第2節 目的論
  1.理科教育の必要性
  2.理科教育の目的
 第3節 内容論
  1.理科教育の内容
   (1)1884年の国際教育会議で発表した化学教授の案
   (2)大英協会の要目(1889年)
   (3)校長会の要目(1896年)
  2.教材の選定
   (1)日常生活の科学
   (2)選定された教材
 第4節 方法論
  1.発見的教授法による学習の実際例
   (1)校長会の要目に示された学習例
   (2)「科学的方法の教授」において示された学習例
   (3)発見的教授法として行われていた学習例
  2.発見的教授法による学習方法
  3.発見的教授法による学習の問題点
 第5節 発見的教授法と理科実験室
  1.理科実験室とワークショップ(Workshop)
  2.実験室教授法 
   (1)実験室教授の必要性
   (2)実験室教授法
  3.理科実験室の構想
第4章 発見的教授法の成立と発展
 第1節 発見的教授法提唱までの過程
  1.青少年時代に受けた学校教育とトレンチの「言葉の研究」の影響
  2.ドイツ留学時代の経験
  3.教職についたときの経験
  4.ハックスレー,スペンサー,フランクランドの影響
  5.マイケルジョンの影響
  6.技術教育振興運動からの影響 
  7.科学者としての信念
 第2節 中等学校への普及
  1.セント・ダンストンズ・カレッジでの試み
  2.クライスト・ホスピタル校での試み
  3.一般の中等学校への普及
  4.発見的教授法の普及に貢献した人々とその活動
  5.パブリック・スクール理科教師協会への働きかけ 
  6.大英協会教育科学部会(L部会)の設置
 第3節 わが国における発見的教授法―理化生徒実験の実際
 第4節 発見的教授法の効果的な実践を妨げていた要因
  1.有能な教師の不足
  2.1クラスの生徒数が多かったこと 
  3.学習時間の不足
  4.体系的知識習得の慣習
  5.題材選定の困難さ
  6.経費の不足 
第5章 発見的教授法に対する批判的考察
 第1節 発見的教授法に対する批判
  1.学習内容の偏狭さに対する批判 
  2.形式陶冶主義的教育に対する疑念
  3.発見的教授法の“発見”という言葉に対する批判
  4.学習の困難さから由来した批判
  5.多人数クラスに適用し難いことに関連して生じた批判
 第2節 発見的教授法に対する再評価
結章 イギリス理科教育史上におけるアームストロングの理科教育論の意義
 第1節 イギリスの理科教育揺藍期における理科教育
  1.理科教育揺藍期において理科が直面した諸問題
  2.一般教育としての理科教育の確立を求めで
 第2節 理科教育の目的観の確立
  1.スペンサーの場合
  2.ハックスレーの場合
  3.アームストロングの場合
 第3節 アームストロングとハックスレーの理科教育論の比較
  1.理科教育の目的についての比較
  2.理科教育の内容についての比較
  3.理科教育の方法についての比較
  4.アームストロングとハックスレーの理科教育論の
    違いをもたらした社会的・科学的要因
 第4節 イギリスにおける現代的理科教育の原型の確立とアームストロング
の理科教育論
  1.実物教授とその限界 
  2.イギリスにおける現代的理科教育の原型の確立

附録
人名・事項索引
著者寺川智祐 著
発行年月日1985年02月15日
頁数472頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0618-9