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ドイツ語学校の研究

宗教改革期を中心とする民衆教育機関の形成

定価: 8,580 (本体 7,800 円+税)

ドイツ語学校は中世末期の民衆学校で近代フォルクス・シューレの源泉の一つである。その成立・発展を実証的に考察し、民衆教育機関としての基本的性格を解明。

【著者紹介】
藤枝静正(ふじえだ しずまさ)
埼玉大学助教授
教育学博士
目次を表示します。

序章
 第一節 ドイツ語学校の特質ならびにその教育史上の意義
 第二節 ドイツ語学校発展の三段階
 第三節 民衆教育機関としての諸特性
  (一)母国語学校(Muttersprachschule)としてのドイツ語学校
  (二)すべての民衆に対して開かれた共同学校(Gemeinschule=common school)としてのドイツ語学校
  (三)ドイツ語学校教師の資格要件および待遇
  (四)義務教育学校としてのドイツ語学校
  (五)ドイツ語学校の学校体系上の位置
  (六)ドイツ語学校に対する学校監督(Schulaufsicht)
第一章 都市時代におけるドイツ語学校の成立
 第一節 都市におけるドイツ語学校の成立基盤
 第二節 ラテン語学校における俗人教育の特質と限界
 第三節 都市学校(Stadtschule)の成立とその特質
 第四節 市民生活におけるドイツ語の普及と定着
 第五節 ドイツ語学校の教師
 第六節 学校紛争とドイツ語学校の法的成立
第二章 宗教改革者ルターの教育構想とその特質
 第一節 ルターにおけるキリスト教的学校の構想
 第二節 ルターの宗教的庶民教育の構想
 第三節 学校をめぐる教会と世俗当局の関係
 第四節 宗教改革者たちのドイツ語学校に対する態度
第三章 都市リューベックにおけるドイツ語学校の発展
 第一節 リューベック市における宗教改革の実現過程
 第二節 一五三一年教会規則におけるドイツ語学校
 第三節 一五五一年ドイツ語学校規則の分析
 第四節 一六世紀後半におけるドイツ語学校の宗派化
 第五節 巡察(Visitation)の実施と私塾(Winkelschule)の禁止
 第六節 ドイツ語学校の規則ならびに基本的性格
第四章 都市ブラウンシュヴァイクにおけるドイツ語学校と私塾
 第一節 宗教改革の実現過程
 第二節 ブーゲンハーゲンのラテン語学校規則
 第三節 ブーゲンハーゲンのドイツ語学校規則
 第四節 一五二八年教会規則における女学校規定
 第五節 一五七〇年のドイツ語教師雇用契約書の分析
 第六節 私塾の隆盛とその基盤
第五章 ザクセンにおけるドイツ語学校の成立
 第一節 宗教改革以前の学校設置状況
 第二節 ラテン語学校設置策とドイツ語学校
 第三節 宗教改革以降、都市における女学校の成立
 第四節 農村地域におけるキュスターの宗教教授義務
 第五節 「純粋な教義」の擁護と宗派的宗教教授の徹底
 第六節 一五五五年の巡察結果および一五五七年の「一般条項」
 第七節 ドイツ語学校および女学校の設置状況
 第八節 ドイツ語学校の法的成立と領邦学校体制への編入
第六章 ブラウンシュヴァイクにおけるドイツ語学校と役僧学校
 第一節 宗教改革以前における学校設置状況
 第二節 一五四三年の教会規則における学校関係規定
 第三節 キュスターによるドイツ語学校維持義務の法制化
第七章 メクレンブルクにおけるドイツ語学校の成立
 第一節 宗教改革以前における学校設置状況
 第二節 宗教改革の実現過程
 第三節 新教的学校制度組織化の試み
 第四節 一五五二年教会規則と領邦学校体制の整備
 第五節 ヴィスマール市、ロストック市におけるドイツ語学校の状況
 第六節 一六世紀後半におけるドイツ語学校の設置状況
 第七節 農村におけるキュスター・シューレの成立
第八章 ポンメルンにおけるドイツ語学校の発展
 第一節 宗教改革以前における状況
 第二節 一五三五年の教会規則をめぐる領主と貴族・市参事会の葛藤
 第三節 教会規則の学校規定
 第四節 学校規定の実施状況の検討
 第五節 ドイツ語学校とラテン語学校の結合の試み
 第六節 シュトラールズント市、シュテチーン市のドイツ語学校の実態
第九章 バイエルンにおけるドイツ語学校の特質
 第一節 一六世紀以前における学校設置状況
 第二節 反宗教改革政策下での学校振興策
 第三節 大巡察(一五五八―六〇年)の実施と学校設置状況
 第四節 都市におけるドイツ語学校法制化の事情
 第五節 一七世紀初頭における農村でのドイツ語学校の設置
 第六節 カトリック・バイエルンにおけるドイツ語学校の特質
第十章 南シュヴァーベンのライヒ諸都市におけるドイツ語学校の諸相
 第一節 ラウフボイレン市におけるドイツ語学校―新旧同時学校から宗派学校へ―
 第二節 ラーフェンスブルク市におけるドイツ語学校―新旧同時学校―
 第三節 ロイトキルヒ市におけるラテン語=ドイツ語学校
 第四節 メミンゲン市におけるドイツ語学校―市当局による積極的関与―
 第五節 リンダウ市におけるドイツ語学校―ラテン語学校からの分離―
 第六節 ケンプテン市におけるドイツ語学校―ラテン語学校に先行しての早期成立―
補章 ドイツ学校制度における「世俗化」の展開
 第一節 学校制度における「世俗化」の概念
 第二節 学校監督行政における世俗化
 第三節 学校の世界観的基礎の世俗化
 第四節 教育内容における宗教の位置および性格の変容
 第五節 若干の示唆
索引
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著者藤枝静正 著
発行年月日1976年03月31日
頁数434頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0450-9