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四代目鶴屋南北論

悪人劇の系譜と趣向を中心に

定価: 18,700 (本体 17,000 円+税)

文化文政期に江戸で活躍した狂言作者四代目鶴屋南北の仕組んだ悪人劇に焦点をあて、実悪役者・書き替え・趣向の三つの視座よりアプローチを試みた歌舞伎狂言論。

【著者略歴】
鵜飼伴子(うかい ともこ)
1972年 愛知県に生まれる
1994年 千葉大学文学部文学科卒業
1997年 千葉大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了
2003年 千葉大学大学院社会文化科学研究科日本研究専攻博士課程修了      博士(文学)取得
現 在 早稲田大学21世紀COE特別研究生
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。

序章 四代目鶴屋南北研究史・問題の所在
第一章 悪人を演じる役者―「実悪」論―
 第一節 「実悪」の発生と展開
 第二節 上方と江戸の「実悪」―初代浅尾為十郎と初代中村仲蔵―
 第三節 南北作品を初演した「実悪」―初代尾上松助と五代目松本幸四郎―
第二章 歌舞伎・浄瑠璃における謀叛人
 第一節 七草四郎―妖術を使う異教徒―
  第一項 七草四郎の系譜
  第二項 天竺徳兵衛実は七草四郎―『天竺徳兵衛聞書往来』論―
 第二節 毛剃九右衛門―海賊の野望―
  第一項 毛剃の変容―『博多小女郎波枕』と『和訓水滸伝』―
  第二項 『千代始音頭瀬渡』論―謀叛人玄海灘右衛門の登場―
 第三節 石川五右衛門―義賊から外国人の血を引く謀叛人への変貌―
第三章 『天竺徳兵衛韓噺』論
 第一節 実在の天竺徳兵衛―『天竺物語』ほかに記された足跡―
 第二節 語られる「天竺」
     ―歌舞伎・浄瑠璃の登場人物が語る「天竺」のありさま―
 第三節 天竺徳兵衛物の狂言の系譜―江戸を中心に―
 第四節 『天竺徳兵衛郷鏡』と『天竺徳兵衛韓噺』
 第五節 『波枕韓聞書』論
      ―『天竺徳兵衛韓噺』と『彩入御伽艸』・『阿国御前化粧鏡』の間―
第四章 「亀山の仇討」物狂言論
 第一節 亀山の仇討の実説
 第二節 「亀山の仇討」物の成立と展開―上方を中心に―
 第三節 江戸の「亀山の仇討」物狂言考―南北作品以前―
 第四節 『霊験曽我籬』論―南北の「亀山の仇討」物狂言―
第五章 南北作品趣向の考察
 第一節 『天竺徳兵衛韓噺』における趣向の考察―木琴を打つ座頭をめぐって―
 第二節 「伝授」の局面
      ―歌舞伎における「術ゆずり」の趣向についての一考察―
 第三節 「蝦蟇の妖術」考―近世人の蝦蟇観を手がかりに―
 第四節 「桜谷草庵」考―清玄桜姫物の系譜を辿って―
終章 まとめと課題
参考資料「亀山の仇討」物作品年譜(近世)
参考資料『波枕韓聞書』台帳翻刻
参考文献
あとがき
索引
著者鵜飼伴子 著
発行年月日2005年03月15日
頁数614頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1495-5