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現代日本の母親規範と自己アイデンティティ

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)
子どもをケアする女性たちが直面する葛藤とアイデンティティの危機を豊富な語りと詳細な事例分析から描き出す。ファミリー・サポート事業の数少ない実証的研究。

【著者略歴】
井上清美(いのうえ きよみ)
1998年 お茶の水女子大学家政学部家庭経営学科卒業
2007年 お茶の水女子大学人間文化研究科博士後期課程修了
2008年 川口短期大学こども学科 専任講師
現 在 川口短期大学こども学科 准教授
     博士(社会科学)
目次を表示します。

第1章 研究の目的と方法
 第1節 研究の目的
 第2節 基本的視点とアプローチ
 第3節 研究の枠組
第2章 先行研究の検討―近代的母親規範と母親意識の現在―
 第1節 心性史・歴史学的アプローチによる研究
 第2節 個人化に関する研究―「母子一体パラダイム」の転換
 第3節 母親の心理的側面に着目した研究
 第4節 母親をとりまく人々に焦点をあてた研究
 第5節 子育て支援の実践や制度に関する研究
第3章 子育て支援政策における「専業母」の位置づけ
 第1節 日本の子育て支援政策の特徴
 第2節 子育て支援政策の展開―戦後から少子化対策期にかけて
 第3節 「専業母への子育て支援」という政策課題の形成過程
第4章 「専業母」に対する保育事業の展開
 第1節 一時保育事業の概要
 第2節 利用要件の変化―社会的事由から私的事由へ
 第3節 ファミリー・サポート事業の展開
 第4節 「あづけ手」の特徴
 第5節 「あずかり手」の特徴
第5章 「子どもをあずける-あずかる」相互行為へのアプローチ
 第1節 調査の目的
 第2節 調査概要
 第3節 インタビュー調査の実施と分析方法
 第4節 対象者のプロフィール
第6章 「あずかり手」の葛藤とその対処方法
 第1節 近代的母親規範とあずかり手の自己アイデンティティ
 第2節 「報酬を受け取る」という規定をめぐる葛藤
 第3節 「リフレッシュ利用」へのまなざし
 第4節 リフレッシュ利用をめぐる葛藤への対処方法
第7章 「社会的利用」をめぐるあずけ手の葛藤とその対処方法
 第1節 「社会的利用」の背景―あずけ手役割へのコミットメント
 第2節 近代的母親規範と自己アイデンティティのずれ
 第3節 あずかり手との相互作用がもたらす影響
 第4節 社会的利用をめぐる葛藤とその対処方法
第8章 「リフレッシュ利用」をめぐるあずけ手の葛藤と対処方法
 第1節 「リフレッシュ利用」とは何か―あずけ手役割へのコミットメント
 第2節 近代的母親規範と自己アイデンティティの乖離
 第3節 「リフレッシュ利用」に対する批判的まなざし
 第4節 リフレッシュ利用をめぐる葛藤とその対処方法
 第5節 「専業母」への違和感と自己アイデンティティの再編
終章
 第1節 本研究のまとめ
 第2節 結論
 第3節 子育て支援への含意
 第4節 本研究の限界と今後の課題

引用文献
初出一覧
あとがき
著者井上清美 著
発行年月日2013年03月31日
頁数334頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1981-3