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研究用日本人表情刺激の作成とその臨床的適用

定価: 11,000 (本体 10,000 円+税)
これまで日本に存在しなかった標準的な研究用日本人表情刺激を、実証的検討を重ねて作成し、その臨床的適用可能性について論じる。

【著者略歴】
木村あやの(きむら あやの)
学歴
2003年 昭和女子大学文学部心理学科卒業
2008年 昭和女子大学大学院生活機構研究科生活機構学専攻修了,博士(学術)

職歴
2005年 財団法人聖マリアンナ会聖マリアンナ医学研究所 カウンセリング部門研究員
2006年 相模女子大学中高等部スクールカウンセラー
2008年 昭和女子大学人間社会学部心理学科非常勤講師
2009年 聖徳大学通信教育部兼任講師
現 在 昭和女子大学生活心理研究所 助教
目次を表示します。
まえがき
Abstract
第1章 緒言
 1.1 はじめに
 1.2 本書の構成および研究手段
  1.2.1 序論
  1.2.2 本論
  1.2.3 結論
第2章 表情認知研究の背景と本研究の目的
 2.1 はじめに
 2.2 表情とは何か
  2.2.1 表情の定義
  2.2.2 表情の種類―基本感情カテゴリーの探究―
   1)基本感情カテゴリーとは
   2)Ekmanによって提唱された基本感情
   3)Izardによって提唱された基本感情
   4)その他の研究者によって提唱された基本感情
   5)基本感情説への疑問
 2.3 表情認知研究の歴史
  2.3.1 Darwinに始まる初期の表情研究
   1)Darwinの表情研究
   2)初期の表情研究
  2.3.2 表情カテゴリーあるいは表情次元の特定を試みる研究
   1)Woodworthによる表情の尺度化
   2)Scholosbergによる感情的意味次元の提案
  2.3.3 表情認知過程に関する研究
   1)表情認知に関する二大理論の論争―カテゴリー知覚説と次元説(多次元配置説)―
   2)カテゴリー説と次元説の結合モデル
 2.4 表情刺激や実験方法など表情に関する実験的研究手段の変遷
  2.4.1 各種の実験用表情刺激
   1)初期の表情刺激
   2)FACSの記述に基づいた表情刺激
   3)本邦における表情刺激作成の試み
   4)画像処理技術の発展による新たな表情刺激
  2.4.2 表情への実験参加者の反応を測定・評価する方法
   1)判断研究(judgement studies)の手段
   2)脳内機構の解明手法
   3)注視部位の測定手法
 2.5 認知者の諸特性と表情認知に関する研究とその問題点
  2.5.1 認知者の諸特性と表情認知との関連
   1)表情認知における認知者の性差
   2)性格特性による表情認知の特徴
   3)脳器質性障害と表情認知
   4)統合失調症と表情認知
   5)うつ病と表情認知
   6)広汎性発達障害と表情認知
   7)知的障害と表情認知
   8)情緒障害(emotional disturbance)と表情認知
  2.5.2 認知者の諸特性に関する研究に用いられた表情刺激の問題
 2.6 本研究の目的
第3章 研究用日本人基本6表情刺激作成の試み
 3.1 はじめに
 3.2 演技による基本6表情刺激―表情刺激Ⅰ(2000)―
  3.2.1 目的
  3.2.2 表情刺激の作成
   1)撮影モデル
   2)撮影装置および撮影状況
   3)撮影手続き
  3.2.3表情刺激Ⅰ(2000)を用いたカテゴリー判断実験
   1)実験参加者
   2)実験材料
   3)実験手続き
  3.2.4 結果
  3.2.5 考察
 3.3 日本人がFACSに基づいて表出した表情刺激―表情刺激Ⅱ(2003)―
  3.3.1 目的
  3.3.2 表情刺激の作成
   1)撮影モデル
   2)撮影装置および撮影状況
   3)撮影手続き
   4)中間表情刺激作成
   5)表情刺激Ⅱ(2003)
  3.3.3 表情刺激Ⅱ(2003)を用いたカテゴリー判断実験
   1)予備実験
   2)本研究―カテゴリー判断実験―
 3.4 日本人がFACSに基づいて表出した表情刺激の平均顔Ⅰ―表情刺激Ⅲ(2006)―
  3.4.1 目的
  3.4.2 表情刺激の作成
   1)撮影モデル
   2)撮影装置および撮影状況
   3)撮影手続き
   4)平均顔作成
  3.4.3 表情刺激Ⅲ(2006)を用いたカテゴリー判断実験―時間的制約が基本6表情認知におよぼす影響―
   1)目的
   2)方法
   3)結果
   4)考察
 3.5 日本人がFACSに基づいて表出した表情刺激の平均顔Ⅱ―表情刺激Ⅳ(2007)―
  3.5.1 目的
  3.5.2 表情刺激の作成
   1)撮影モデル
   2)撮影装置および撮影状況
   3)撮影手続き
   4)表情刺激Ⅳ(2007)
   5)カテゴリー判断実験参加者
   6)カテゴリー判断実験手続き
  3.5.3 結果
  3.5.4 考察
 3.6 結論
第4章 基本6表情のカテゴリー判断における注視部位の検討
 4.1 はじめに
 4.2 基本6表情のカテゴリー判断課題における注視部位の検討Ⅰ
  4.2.1 目的
  4.2.2 方法
   1)実験参加者および実施時期
   2)実験材料
   3)実験装置
   4)実験手続き
  4.2.3 結果
   1)表情判断実験中の基本6表情への注視時間
   2)表情判断実験中の注視部位の特徴
   3)表情の6カテゴリーによる顔面各部位の注視時間
  4.2.4 考察
   1)表情判断実験中の基本6表情への注視時間
   2)表情判断実験中の注視部位の特徴
   3)表情の6カテゴリーによる顔面各部位の注視時間
  4.2.5 全体的考察
 4.3 基本6表情のカテゴリー判断課題における注視部位の検討Ⅱ―表情刺激提示前の注視点の位置がカテゴリー判断に及ぼす影響―
  4.3.1 目的
  4.3.2 方法
   1)実験参加者および実施時期
   2)実験材料
   3)実験装置
   4)実験手続き
  4.3.3 結果
   1)表情刺激提示前の注視点の位置が,表情カテゴリー判断率に及ぼす影響
   2)表情刺激提示前の注視点の位置が,顔面各部位への注視時間に及ぼす影響
   3)カテゴリー判断結果と顔面各部位への注視時間との関連
   4)表情カテゴリーによる顔面各部位への注視時間の違い
  4.3.4 考察
   1)表情刺激提示前の注視点の位置が,表情カテゴリー判断率に及ぼす影響
   2)表情刺激提示前の注視点の位置が,顔面各部位への注視時間に及ぼす影響
   3)カテゴリー判断結果と顔面各部位への注視時間との関連
   4)表情カテゴリーによる顔面各部位への注視時間の違い
  4.3.5 全体的考察
 4.4 結語
第5章 表情刺激の臨床現場における適用可能性Ⅰ―中学生の表情認知に関する基礎的検討―
 5.1 はじめに
 5.2 中学生における基本6表情刺激への感情語の対応率と,表情刺激から認知された強度
  5.2.1 目的
  5.2.2 方法
   1)実験参加者および実施時期
   2)実験材料
   3)実験手続き
  5.2.3 結果
   1)中学生における表情刺激への感情語の対応率
   2)表情刺激に対する強度の変化
  5.2.4 考察
 5.3 いじめに関するビデオ視聴体験の,表情認知課題を用いた効果測定
  5.3.1 目的
  5.3.2 方法
   1)実験参加者および実施時期
   2)実験材料
   3)実験手続き
  5.3.3 結果
   1)中学生の表情認知
   2)ビデオ視聴体験後の表情刺激から認知される強度の差異
  5.3.4 考察
 5.4 結語
第6章 表情刺激の臨床現場における適用可能性Ⅱ―情緒障害学級通級生徒の表情認知―
 6.1 はじめに
     情緒障害学級(現,自閉症・情緒障害特別支援学級)について
 6.2 情緒障害学級通級生徒と通常学級生徒における表情認知の比較検討
  6.2.1 目的
  6.2.2 方法
   1)実験参加者
   2)実験材料
   3)実験手続き
  6.2.3 結果
   1)感情語の対応度数の比較
   2)基本6表情刺激ごとの感情語の対応率
   3)ポジティブ感情の意味づけ
  6.2.4 考察
   1)感情語の対応度数の比較
   2)基本6表情刺激ごとの感情語の対応率
   3)ポジティブ感情の意味づけ
 6.3 情緒障害学級通級生徒の表情認知に関する事例的一考察
  6.3.1 目的
  6.3.2 方法
   1)実験参加者
   2)実験材料
   3)実験手続き
  6.3.3 結果
   1)事例1 A君
   2)事例2 B君
  6.3.4 考察
   1)事例1について
   2)事例2について
   3)総合考察
   4)今後の課題
 6.4 結語
第7章 総括
 7.1 本研究の全体的考察
  7.1.1 研究用日本人表情刺激の作成(第3章)
  7.1.2 表情認知における注視部位の検討(第4章)
  7.1.3 中学生の表情認知に関する基礎的検討
  7.1.4 情緒障害学級通級生徒の表情認知(第6章)
 7.2 本書の意義
  7.2.1 学術的貢献
  7.2.2 社会への貢献
 7.3 今後の課題
  7.3.1 研究用表情刺激のさらなる改訂と拡張
  7.3.2 日常的に表出されやすい日本人表情の探究
  7.3.3 多義的評価が可能な表情刺激の作成
  7.3.4 臨床現場における表情刺激の応用
  7.3.5 まとめ
引用文献
あとがき
著者木村あやの 著
発行年月日2013年02月20日
頁数302頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1974-5