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離散量表象の認知過程

定価: 6,050 (本体 5,500 円+税)
本書では、人間が判断する数量と実際の物理量との不一致に問題を投げかけ、洗練された心理物理学的手法を用いて、数表象の認知過程に関する新しいモデルを提案した。

【著者略歴】
時田みどり(ときた みどり)
2009年9月 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了 博士(学術)
専門 実験心理学 認知心理学 発達心理学
現在 お茶の水女子大学大学院 リサーチフェロー
目次を表示します。
第1章 序論
 1.1 はじめに
 1.2 形勢判断の特性から数表象システムの検討へ
 1.3 先行研究
  1.3.1 行動研究が示す数表象システムの特性
  1.3.2 数表象システムの神経基盤
 1.4 数表象システムについての疑問
  1.4.1 知覚的要因と連続量の効果
  1.4.2 提示フォーマットと感覚モダリティの効果
  1.4.3 練習効果の検討
 1.5 研究の目的と構成
第2章 先行研究の問題点と提示フォーマット依存性
 2.1 先行研究における数表象モデル
  2.1.1 アキュムレータ・モデル
  2.1.2 数検出器モデル
  2.1.3 オブジェクトファイル・モデル
 2.2 提示フォーマットに固有の離散量表象モデル
  2.2.1 既存モデルの問題点
  2.2.2 提示フォーマット固有モデルの提案
 2.3 実験手続きと測定法
  2.3.1 実験課題
  2.3.2 測定方法
  2.3.3 練習効果の検討と熟達被験者の導入
  2.3.4 対象とする刺激数の範囲
 2.4 予測される結果
  2.4.1 知覚的連続量の効果
  2.4.2 練習効果
  2.4.3 提示フォーマット及び感覚モダリティの効果
  2.4.4 標準刺激数の効果
第3章 離散量識別における知覚的連続量の効果とその練習効果
 3.1 離散量の識別における知覚的連続量の効果とその練習効果
 3.2 研究1 知覚的連続量の効果の検討
  3.2.1 研究1-1 同時提示条件における知覚的連続量の効果
   3.2.1.1 目的
   3.2.1.2 方法
   3.2.1.3 結果
   3.2.1.4 考察
  3.2.2 研究1-2 逐次提示条件における知覚的連続量の効果
   3.2.2.1 目的
   3.2.2.2 方法
   3.2.2.3 結果
   3.2.2.4 考察
 3.3 研究2 練習効果の検討
  3.3.1 研究2-1 同時提示条件における練習効果
   3.3.1.1 目的
   3.3.1.2 方法
   3.3.1.3 結果
   3.3.1.4 考察
  3.3.2 研究2-2 逐次提示条件における練習効果
   3.3.2.1 目的
   3.3.2.2 方法
   3.3.2.3 結果
   3.3.2.4 考察
  3.3.3 研究2-3 練習効果の提示フォーマット間転移の検討
   3.3.3.1 目的
   3.3.3.2 再分析による検討
   3.3.3.3 追加実験
   3.3.3.4 考察
 3.4 本章のまとめ
第4章 提示フォーマット固有システムの検討
 4.1 研究3 提示フォーマット固有システムの検討
 4.2 研究3-1 行動実験による検討
  4.2.1 目的
  4.2.2 方法
  4.2.3 結果
  4.2.4 考察
 4.3 研究3-2 シミュレーションによる検討
  4.3.1 目的
  4.3.2 方法
  4.3.3 結果
  4.3.4 考察
 4.4 補足研究 統計的効率分析による提示フォーマット固有システムの検討―内部ノイズの推定―
  4.4.1 統計的効率分析
   4.4.1.1 理論的背景
   4.4.1.2 内部ノイズと情報利用率の分離
   4.4.1.3 本研究における効率分析の有用性
  4.4.2 内部ノイズの推定
   4.4.2.1 方法
   4.4.2.2 結果
   4.4.2.3 考察
  4.4.3 問題点と今後の課題
 4.5 本章のまとめ
第5章 感覚モダリティの効果の検討
 5.1 研究4 逐次フォーマットにおける感覚モダリティの効果
 5.2 研究4-1 感覚モダリティの効果―聴覚/触覚刺激の比較
  5.2.1 目的
  5.2.2 方法
  5.2.3 結果
  5.2.4 考察
 5.3 研究4-2 練習効果のモダリティ間転移の検討
  5.3.1 目的
  5.3.2 方法
  5.3.3 結果
  5.3.4 考察
 5.4 本章のまとめ
第6章 離散量表象における提示フォーマット固有モデルの提案
 6.1 問題の背景
 6.2 本研究のまとめ
  6.2.1 知覚的連続量の効果と練習効果
  6.2.2 提示フォーマットの効果の検討
  6.2.3 感覚モダリティの効果
  6.2.4 既存のモデルvs.提示フォーマット固有モデル
  6.2.5 感覚モダリティ固有の処理過程
 6.3 本研究の問題点と今後の課題
  6.3.1 バイアスの生起メカニズム
  6.3.2 練習効果の過程と範囲
  6.3.3 各提示フォーマット内での離散量処理過程
  6.3.4 感覚モダリティの効果の検討
  6.3.5 各処理段階の内部ノイズの精査
 6.4 本研究の意義と今後の展望
 6.5 結語
引用文献
謝辞
著者時田みどり 著
発行年月日2012年01月15日
頁数166頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1894-6