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意図的抑止による忘却機構

定価: 6,600 (本体 6,000 円+税)

忘却研究の古典的理論から最新の研究知見を踏まえ、不要な記憶を長期にわたって忘却する適応機能としての忘却の方途の開発と、その機構の解明を詳述する。

【著者略歴】
堀田千絵(ほった ちえ)
平成15年 愛知教育大学教育学部卒業
平成17年 愛知教育大学大学院教育学研究科修士課程修了
修士(教育学)
平成21年 名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程修了
博士(心理学)
現在 愛知学泉大学家政学部講師
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
第1章 序論
 第1節 忘却研究の歴史的背景
 第2節 本研究の位置づけ
  1.記憶制御機能の1つとしての忘却
  2.意図的抑止による忘却機構の解明
  3.意図的抑止による忘却の持続問題
 第3節 他領域との関連
 第4節 本研究の構成
第2章 忘却研究の理論的背景と問題の所在
 第1節 忘却機構に関する従来の理論
  1.忘却の古典的理論
   1.1 減衰説
   1.2 干渉説
  2.最近の理論展開
   2.1 検索抑制説
   2.2 間接抑止説
   2.3 直接抑止説
   2.4 直接抑止説の問題点
 第2節 問題の所在と本研究の目的
  1.忘却機構のまとめと問題
  2.忘却の説明概念とその使用における用語の問題
  3.本研究の目的
   3.1 意図的抑止による忘却機構の解明
   3.2 研究方法の問題
   3.3 本研究の目的のまとめ
第3章 意図的抑止による忘却課題の開発
 第1節 研究Ⅰ:修正Think/No-Think課題の開発
  1.予備実験:Anderson & Green(2001)の追試
  2.実験1:修正Think/No-Think課題の実施
  3.実験2:代替思考の有効性の検討
   3.1 予備実験
   3.2 本実験
 第2節 研究Ⅰの総合考察
第4章 直接抑止説の適切性の検証
 第1節 研究Ⅱ:独立手がかり法における意図的抑止による忘却効果
  1.実験3 独立手がかり語の作成1
   1.1 実験3A
   1.2 実験3B
   1.3 実験3C
  2.実験4
  3.実験5 独立手がかり語の作成2
   3.1 実験5A
   3.2 実験5B
   3.3 実験5C
  4.実験6
 第2節 研究Ⅱの総合考察
  1.干渉説に基づく意図的抑止による忘却機構Ⅰの構築
  2.Anderson & Green(2001)と本研究結果の違い
第5章 意図的抑止による忘却の個人差
 第1節 先行研究
 第2節 研究Ⅲ:日比の思考抑制失敗傾向と代替思考方略が記憶の意図的抑止による忘却に与える影響
  1.目的
  2.実験7
  3.研究Ⅲの総合考察
 第3節 研究Ⅳ:解離特性と抑止方略が記憶の意図的抑止による忘却に与える影響
  1.目的
  2.実験8
  3.研究Ⅳの総合考察
 第4節 第5章の総合考察
第6章 意図的抑止による忘却の持続効果
 第1節 忘却の時間的持続についての先行研究
  1.古典的干渉研究
  2.指示忘却研究
  3.検索誘導性忘却研究
  4.忘却の時間的持続についてのまとめ
 第2節 研究Ⅴ:代替思考の使用が忘却の持続効果に及ぼす影響
  1.実験9
  2.実験10
  3.実験11
 第3節 研究Ⅴの総合考察
 第4節 修正モデルⅡの提案
第7章 意図的抑止努力の問題
 第1節 研究Ⅵ:意図的抑止努力と抑止方略の相互作用が忘却の持続効果に及ぼす影響
  1.実験12:代替思考として単語を与えた場合の忘却効果
   1.1 予備実験
   1.2 本実験
  2.実験13:意図的抑止努力と抑止方略の相互作用が忘却の持続効果に及ぼす影響―保持時間20分の検討―
  3.実験14:意図的抑止努力と抑止方略の相互作用が忘却の持続効果に及ぼす影響―保持時間5分の検討―
 第2節 研究Ⅵの総合考察
 第3節 意図的抑止による忘却機構Ⅲの構築
第8章 結論
 第1節 本研究の問題と目的
 第2節 研究結果の総括
 第3節 意図的抑止による忘却機構の修正モデルⅢ
 第4節 本研究の意義
  1.間接抑止に基づく忘却機構の理論的な意義
  2.本研究の実際的な意義
  3.意図的抑止という仕組み
  4.意図的抑止による忘却の持続効果
 第5節 展望
引用文献
著者堀田千絵 著
発行年月日2011年02月28日
頁数192頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1830-4