はじめに
第1部 スチューデントアパシーに関する先行研究
1章 スチューデントアパシーとは
1-1 Waltersらの定義と外国における初期の研究
1-2 日本における初期の研究
1-3 スチューデントアパシーについての諸概念
2章 スチューデントアパシーの分類
2-1 Waltersの分類
2-2 山田の分類
2-3 笠原らの分類
2-4 土川の分類
2-5 松原の分類
3章 青年期の特徴とカウンセリング
3-1 青年期の心理的特徴
3-2 青年を取り巻く社会的諸問題
3-3 青年期の問題
3-4 青年期のためのカウンセリング技法の検討
4章 大学生の問題に対処するためのカウンセリング
4-1 現代社会における学生の特徴
4-2 大学生の問題対処に適したカウンセリング
4-3 スチューデントアパシーの発症の契機
4-4 大学生の5月病とスチューデントアパシーの学生との関係
5章 スチューデントアパシー発症の契機と症状
5-1 山田の発症の契機の研究
5-2 状態像
5-3 アパシー症状
6章 スチューデントアパシー学生の性格特徴
6-1 受身的
6-2 強迫的
6-3 深刻さの欠如
6-4 回避的
6-5 非反省的
6-6 非活動的
6-7 時間感覚の希薄化
6-8 人間関係の欠如
6-9 異性の友人が少数
7章 スチューデントアパシーの治療上の問題点
7-1 援助指導の困難性と指導法
7-2 親子カウンセリングとアルバイト治療
7-3 根気強く継続面接と合宿セミナー
7-4 来談者中心療法的アプローチ
7-5 一般的なカウンセリングの対応
7-6 スチューデントアパシー学生のカウンセリングの困難性
7-7 スチューデントアパシー学生へのカウンセリングには独自性が必要
第2部 スチューデントアパシー学生のためのカウンセリング法の試行
1章 スチューデントアパシー学生への試行錯誤
1-1 先輩の甘い言葉にのって欠席がちになる学生
1-2 全く理解できなくなった科目は次年度に再履修を
1-3 大学院生や助手の人に補助願う
1-4 専攻学科を変更させ,やさしい興味もあり選択可能な学科に転学部
1-5 アパシーは理工系にやや多いが,興味のある文系に進路変更するのも一方法
1-6 興味と能力があれば,学習法の指導を行う
1-7 試験科目の単位のとり方の工夫
2章 生活分析的カウンセリング法の具体的方法の開発
2-1 行動分析的カウンセリング法(Behavior Analytic Counseling:BAC)から出発
2-2 Life Lineによって過去・現在・未来を考える
2-3 やらねばならないこと・やるべきこと・やりたいことを青ラベルに具体的に書いてLAC用紙に貼る
2-4 やらねばならないこと,やりたいことの〆切順に配列する
2-5 BAC法を体系化する
2-6 BAC法からLAC法に名称を変更
2-7 LAC法に対する改善の経過
第3部 生活分析的カウンセリング法(LAC法)の開発と発展
1章 生活分析的カウンセリング法の開発
1-1 生活分析的カウンセリング法の具体的方法
1-2 生活分析的カウンセリング法の限界
1-3 スチューデントアパシーのカウンセリング効果についての測定基準
2章 生活分析的カウンセリング法と他のカウンセリング技法との比較
2-1 来談者中心療法の特徴とLAC法との比較
2-2 行動療法の特徴とLAC法との比較
2-3 認知行動療法の特徴とLAC法との比較
2-4 短期療法の特徴とLAC法との比較
2-5 精神分析療法の特徴とLAC法との比較
2-6 日本の心理療法の特徴とLAC法との比較
2-7 諸カウンセリングの技法との比較
第4部 生活分析的カウンセリング法のアパシー学生対象への実践的研究
1章 生活分析的カウンセリング法のアパシー学生の適用
1-1 「A学内サークル活動型」への適用
〔事例研究A1〕 学習意欲を喪失し,音楽サークルに逃避している理系大学1年生のA君
〔事例研究A2〕 テニスクラブに熱中し,学業怠慢になったB君
1-2 「B学内外サークル・趣味志向型」への適用
〔事例研究B〕 マージャン・演劇・パチンコに熱中し,卒業を断念していたC君
1-3 「C学外趣味志向型」への適用
〔事例研究C1〕 バイクで東奔西走し,学業放棄したD君
〔事例研究C2〕 趣味の学問に凝り,本業の情報処理の修士論文を書けない院生E君
1-4 「D学外副業学内サークル活動型」への適用
〔事例研究D〕 飲食店のアルバイトと競馬に凝り,吹奏楽団所属し,学業を回避したF君
1-5 「E学外副業志向型」への適用
第5部 生活分析的カウンセリング法の適用の拡大
1章 中学生への適用
1-1 不適応中学生の増加
1-2 生活意欲,学習意欲向上のためのカウンセリングの必要性
1-3 LAC法を中学生向きに改善
〔事例研究1〕 英語と数学が不得意の高校受験を控えている中学3年生I君
2章 高校生への適用
2-1 高校教育現場の生徒指導上の問題
2-2 高校生対象の適応領域
2-3 具体的な方法
〔事例研究1〕 父を病気で亡くして無気力になった高2のJ君
〔事例研究2〕 小柄で肥満気味,容貌が気になる高3のKさん
〔事例研究3〕 1日24時間あっても足りなく,完璧主義で,イライラし受験勉強の能率があがらない高1のL君
〔事例研究4〕 万引き,暴走,夜遊び,喧嘩などをしていた高2非行少年M君
3章 大学受験生への適用
3-1 大学受験生の心理
〔事例研究1〕 世話好きで,部活に熱中し,勉強に集中できない法学部志望のN君
〔事例研究2〕 1浪で気が焦るが能率が上がらず,夏期講座に不安をもつ国際関係学部志望のOさん
〔事例研究3〕 不本意入学のB大を休学し,国立大学工学部再受験のP君
3-2 考察
3-3 おわりに
4章 一般大学生への適用
4-1 軽い適応障害のある学生への適用
4-2 対人関係に悩む学生への適用
〔事例研究1〕 失恋で悩み卒論,就職を放棄しようとした女子学生Qさん
4-3 劣等感に悩む学生への適用
〔事例研究2〕 作家を夢みつつ飲酒に溺れ,卒業放棄を考えていた女子学生Rさん
5章 留学生・大学院生への適用
5-1 多忙な留学生・大学院生への生活コントロールと院生からの助言
〔事例研究1〕 中国からの留学生SさんのLAC法の効果と反省
〔事例研究2〕 修論と教員採用で追われる院生T君
〔事例研究3〕 教職をとりながら多忙な大学院生活を送るU君
〔事例研究4〕 主婦であり教師であり院生であるVさん
〔事例研究5〕 初めてLAC法を実施した大学院生X君の反省と批判
〔事例研究6〕 テスト前にLAC法を実施した学生Y君の反省
〔事例研究7〕 院生Z君がLAC法調査後の反省
第6部 一般大学生及び大学院生に対する集団利用後の反応分析
1章 集団利用後の反応分析
1-1 目的
1-2 方法
1-3 結果
1-4 考察
第7部 要 約
第8部 考 察
1 LAC法を用いることで,カウンセリングの目標が視覚的に把握しやすくなり,より明確になる。
2 Rogers理論の長所を取り入れている技法である。来談者の自主性を尊重し,援助者との暖かい人間関係づくりを目指している。
3 行動療法の系統的脱感作法を参考にしている技法である。
4 日本で開発された内観法や森田療法と共通した観点を有している。
5 楽しく出来るカウンセリング法である。
6 スチューデントアパシーの問題解決に有効な技法である。
7 LAC法はNEET,フリーター,ひきこもり,不登校生徒にも効果がある。
8 LAC法を用いると問題解決後が安定する(予後が良い)。
引用文献
参考文献
資 料
謝 辞