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自発的身振りからみる幼児期の視点変化

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)

幼児期における他視点取得の発達を、自発的に産出される身振り表現から読み解き、子どもがいかにして実在環境から視点を「切り取る」ようになるのかを検討する。

【著者略歴】
関根和生(せきね かずき)
2006年白百合女子大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(心理学)。2009年4月より日本学術振興会特別研究員(PD)として国立情報学研究所において研究に従事。現在の関心は、コミュニケーションにおける身振りと発話の微視的・個体発生過程と、身振りの発達における文化的影響を明らかにすること。日本発達心理学会、日本心理学会、日本教育心理学会、社会言語科学会各会員。
目次を表示します。
第1章 本論文の問題意識と先行研究の展望
 1.1 問題の所在
 1.2 視点を捉える指標
 1.3 視点研究の展望
  1.3.1 言語学,文学における視点
  1.3.2 記憶イメージにおける視点
  1.3.3 社会性における視点
  1.3.4 空間認知における視点
 1.4 参照枠と視点の定義
 1.5 身振り研究から他視点獲得問題へのアプローチ
  1.5.1 自発的身振りの発達
  1.5.2 McNeillの成長点理論
  1.5.3 視点に関する身振り研究
 1.6 本論文の目的と構成
  1.6.1 本論文のデータ・プールについて
第2章 参照枠の発達的変化
 2.1 研究1 参照枠の発達に関する横断調査
  2.1.1 問題と目的
  2.1.2 方法
  2.1.3 結果
  2.1.4 考察
 2.2 研究2 参照枠の発達に関する縦断調査
  2.2.1 問題と目的
  2.2.2 方法
  2.2.3 結果
  2.2.4 考察
 2.3 参照枠の分類に関する一考察:PiagetとLevinsonのモデルを中心に
  2.3.1 PiagetとLevinsonの参照枠の分類:相違点と共通点
 2.4 研究3 大規模空間参照枠と空間認知課題との関係
  2.4.1 調査1 空間規模と参照枠との関係
  2.4.2 調査2 参照枠とメンタル・ローテーション課題との関係
 2.5 第2章の総括
第3章 大規模環境における空間視点の変化
 3.1 研究4 大規模空間視点の発達的変化
  3.1.1 調査1 身振りからみる大規模環境の視点
  3.1.2 調査2 子どものサーヴェイ視点の特徴
 3.2 研究5 経路描画課題と経路説明課題との関係
  3.2.1 問題と目的
  3.2.2 方法
  3.2.3 結果
  3.2.4 考察
 3.3 第3章の総括
第4章 語りにおける視点:指示対象からの距離の変化
 4.1 他視点取得に関する2つの要因
 4.2 研究6 運動情報の表出における視点変化:分解効果の視点から
  4.2.1 問題と目的
  4.2.2 方法
  4.2.3 結果
  4.2.4 考察
 4.3 研究7 事物の時系列的説明における視点変化
  4.3.1 問題と目的
  4.3.2 方法
  4.3.3 結果
  4.3.4 考察
 4.4 第4章の総括
第5章 総合考察
 5.1 全体総括
  5.1.1 各章のまとめ
  5.1.2 幼児期における他視点取得の変化
 5.2 “意味の割り当て”からみる視点の切り取り
  5.2.1 符号化としての意味の割り当て
  5.2.2 表現活動としての意味の割り当て
 5.3 指標としての身振りの役割
 5.4 身振りの役割:身振りが持つ4つの効果
 5.5 他視点取得と性差との関係
 5.6 他視点取得における聞き手の影響
 5.7 本研究の意義と今後の課題
  5.7.1 本研究の意義
  5.7.2 今後の課題
引用文献
要約
Appendix
謝辞
著者関根和生 著
発行年月日2010年07月31日
頁数256頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1805-2