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虚記憶に関する神経心理学的研究

定価: 5,500 (本体 5,000 円+税)
「虚記憶」とは客観的事実と異なる記憶である。本書は虚記憶を呈する様々な患者の記憶検査の結果を詳細に分析し,その発現機序を明らかにすることを試みている。

【著者略歴】
長谷川千洋(はせがわ ちひろ)
1987年3月 関西大学文学部教育学科卒業
1989年5月 米国アリゾナ州立大学卒業
1991年5月 兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院 心理判定員
1998年3月 関西大学大学院文学研究科博士前期課程修了
1999年2月 兵庫県立高齢者脳機能研究センター臨床研究科 心理判定員
2009年3月 神戸学院大学大学院人間文化学研究科博士後期課程修了
博士(人間文化学)
現在 神戸学院大学人文学部人間心理学科 准教授
目次を表示します。
序文(山鳥 重)
はじめに
第1章 虚記憶に関する理論的背景と本研究の概要
 第1節 本研究の背景
 第2節 本研究で使用する記憶と虚記憶に関する用語の定義
  2-1 虚記憶に関連する用語
  2-2 記憶の過程と段階に関する用語
 第3節 虚記憶研究の変遷
  3-1 心理学における研究対象としての虚記憶
  3-2 認知心理学のモデルの適用
  3-3 神経心理学における虚記憶―その歴史と背景―
 第4節 記憶検査における問題点と本研究の位置づけ
  4-1 記憶検査の妥当性
  4-2 記憶過程の複合性と記憶検査
  4-3 誤答の取り扱い
  4-4 本研究の位置づけ
 第5節 本研究で用いた神経心理学的検査
  5-1 日本版ウェクスラー記憶検査法
      (Wechsler Memory Scale-Revised;WMS-R)
  5-2 日本版アルツハイマー病認知機能下位尺度
      (Alzheimer's Disease Assessment Scale;ADAS)
 第6節 本研究の目的と意義
  6-1 本研究の目的
  6-2 本研究の意義
 第7節 本論文の構成
第2章 アルツハイマー病の虚再生
 第1節 アルツハイマー病の記憶障害の背景
  1-1 アルツハイマー病の記憶障害と虚記憶
  1-2 アルツハイマー病患者の記憶障害と画像研究
 第2節 WMS-R言語性対連合課題の概要
  2-1 WMS-R言語性対連合課題の歴史的背景
  2-2 WMS-R言語性対連合課題の解釈上の問題点
 第3節 対連合学習課題におけるアルツハイマー病の虚再生(検討1)
  3-1 目的
  3-2 対象
  3-3 方法
  3-4 結果
  3-5 考察
 第4節 虚再生と記憶障害の関係(検討2)
  4-1 目的
  4-2 対象
  4-3 方法
  4-4 結果
  4-5 考察
 第5節 虚再生・無再生の出現傾向と注意機能・意味流暢性との関係(検討3)
  5-1 目的
  5-2 対象
  5-3 方法
  5-4 結果
  5-5 考察
  5-6 検討1から検討3までの総合考察
 第6節 虚再生内容の種類の検討(検討4)
  6-1 目的
  6-2 対象
  6-3 方法
  6-4 結果
  6-5 考察
  6-6 本章のまとめ
第3章 前頭側頭型認知症における虚再認
 第1節 前頭側頭型認知症における記憶障害
  1-1 前頭側頭型認知症の神経心理学的研究
  1-2 前頭側頭型認知症の記憶障害の特徴
 第2節 前頭側頭型認知症の認知機能障害の特徴―ADASによるアルツハイマー病との比較―(検討5)
  2-1 目的 
  2-2 対象 
  2-3 方法
  2-4 結果
  2-5 考察
第3節 前頭側頭型認知症における虚再認傾向(検討6)
  3-1 虚再認に関するDRMパラダイム
  3-2 目的
  3-3 対象
  3-4 方法
  3-5 結果
  3-6 考察
  3-7 本章のまとめ
第4章 統合失調症における虚記憶
 第1節 統合失調症における記憶障害研究の歴史的背景
  1-1 統合失調症における認知機能障害の位置づけ
  1-2 統合失調症における記憶障害
  1-3 統合失調症の画像研究
  1-4 本節のまとめ
 第2節 統合失調症の文章記憶障害
  2-1 認知心理学における文章記憶研究
  2-2 WMS‐Rの論理記憶課題―その利用の意義と解釈上の問題点―
  2-3 統合失調症の記憶研究における方法上の問題点
  2-4 本節のまとめ
 第3節 WMS-R論理記憶課題における文章の3水準からの検討(検討7)
  3-1 目的
  3-2 対象
  3-3 方法
  3-4 結果
  3-5 考察
  3-6 本節のまとめ
 第4節 状況モデルにおける虚再生と文章順序の再構成の関係(検討8)
  4-1 状況モデルの虚再生
  4-2 目的
  4-3 対象
  4-4 方法
  4-5 結果
  4-6 考察
  4-7 本章のまとめ
第5章 まとめ及び総合考察
 第1節 結果のまとめ
 第2節 総合的考察
  2-1 アルツハイマー病の虚記憶からの考察
  2-2 前頭側頭型認知症の虚再認―前頭葉機能と虚再認の関係―
  2-3 統合失調症の文章記憶―意味記憶と作業記憶の関与―
 第3節 本研究の問題
  3-1 本研究データに関する神経心理学的考察上の問題点
  3-2 対象の問題
 第4節 今後の研究の展望及び課題
引用文献
用語説明
おわりに
著者長谷川千洋 著
発行年月日2009年12月25日
頁数148頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1767-3