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妊娠期から産後1年における母親の抑うつに関する縦断的研究

定価: 6,050 (本体 5,500 円+税)
妊娠中から産後1年に5回にわたる縦断調査を行い、抑うつの発生、推移、回復について、子育てへの影響についてなどを検討し、予防や介入についての示唆を得た。

【著者略歴】
安藤智子 (あんどう さとこ)
1965年 茨城県生まれ
1989年 お茶の水女子大学家政学部児童学科卒業
1992年 お茶の水女子大学大学院家政学研究科児童学専攻修了(家政学修士)
1994年 お茶の水女子大学大学院人間文化研究科人間発達学専攻修了
博士(人文科学)
現在 山脇学園短期大学専任講師、埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター 臨床心理士(非常勤)
目次を表示します。
第1章 序論
 はじめに 
 1-1 抑うつとは
  抑うつの定義
  抑うつの認知モデル
 1-2 産後の抑うつとは
  産後の抑うつの症状
  産後の抑うつの発症率と発症時期
  マタニティブルーとの区別
  妊娠期の抑うつ
  産後の抑うつに関するリスク要因
 1-3 産後の抑うつが子どもや家族に与える影響
  抑うつの母親の子どもとのやりとりの特徴
  新生児期における影響
  乳幼児期における影響
  夫の抑うつ
 1-4 産後の抑うつの治療・介入
  妊娠中の介入
  薬物・カウンセリングによる介入
  行動レベルへの介入
  日本における産後の抑うつへの取りくみ       
 1-5 先行研究に残された課題 
  妊娠期の抑うつの検討
  妊娠期の抑うつと産後の抑うつの関連
  出産経験別の検討
  抑うつの開始と回復について
  産後の抑うつと他の時期の抑うつの異同について
  縦断研究の必要性
 1-6 本論文の目的と構成
  本論文における産後の抑うつの定義
  本論文の目的と構成
  本論文の特徴         
第2章 方法        
 2-1 調査時期             
 2-2 調査方法
 2-3 調査対象
 2-4 調査内容         
 2-5 倫理的配慮            
 2-6 ドロップアウトした対象の検討
 2-7 分析方法について
  共分散構造分析(covariance structure analysis)
  共分散構造分析に用いる指標          
 2-8 使用した変数の記述統計量         
第3章 妊娠期の抑うつと胎児への感情に関する要因   
 3-1 問題
  妊娠中の抑うつと産後の抑うつとの関係
  妊娠中の抑うつと胎児への感情に関する要因
 3-2 方法
  分析対象
  分析に用いた変数            
 3-3 結果
  社会的属性および妊娠に関する変数の検討
  妊娠週数による各変数の比較
  EPDS得点と測定した変数との相関分析
  仮説モデルの検討
 3-4 考察             
  社会的属性および妊娠に関する変数と妊娠中の抑うつについて
  妊娠中のEPDS得点について
  仮説モデルについて
第4章 妊娠期から産後1年までの変数の推移と変数間の関係:出産経験による検討  
 4-1 問題             
 4-2 方法
  分析対象
  分析に用いる変数       
 4-3 結果          
  出産経験別抑うつの割合
  変数の産後1年間の推移及び出産経験による比較
  変数間のクロスラギッド相関分析
 4-4 考察          
  抑うつに関する変数の産後の変化について
  初産婦と経産婦の比較
  変数間の時間軸に沿った影響について
第5章 産後の抑うつに関与する要因   
 5-1 問題          
 5-2 方法
  分析対象
  分析に用いる変数         
 5-3 結果          
  各時期の抑うつに関する要因の検討
  自己没入と妊娠期の抑うつの交互作用の検討
 5-4 考察          
  初産婦のリスク要因
  経産婦のリスク要因
第6章 産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討   
 6-1 問題
  抑うつに関する要因の検討
  抑うつと養育態度に関する検討
  産後の抑うつと他の時期の抑うつに関する検討       
 6-2 方法
  分析対象
  分析に用いる変数                
 6-3 結果          
  抑うつ,自尊感情,自己没入,愛着安定,夫婦関係,家事負担感,対児感情の相関分析
  養育態度を従属変数とした階層的重回帰分析
  産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討
 6-4 考察         
  初産婦を対象にした仮説モデルの検討
  抑うつへの脆弱性と産後の抑うつについて
第7章 産後の抑うつの回復に寄与する要因  
 7-1 問題
  産後の抑うつの開始と推移
  産後の抑うつの推移に関する要因
 7-2 方法
  分析対象
  分析に用いる変数                
 7-3 結果                   
  妊娠期から産後1年までの抑うつの推移
  抑うつ継続群・回復群・非抑うつ群の比較
  抑うつの回復に寄与する要因の検討
 7-4 考察          
  産後1年までの抑うつの割合の変化
  抑うつに関する要因の産後1年間の変化
  回復群と非抑うつ群を分ける要因
  抑うつ継続群と非抑うつ群を分ける要因
  抑うつ継続群と回復群を分ける指標
  抑うつからの回復に寄与する要因
第8章 総合的考察             
 8-1 各章から得られた知見
  「3章  妊娠期の抑うつと胎児期への感情に関する要因」より得られた知見
  「4章 妊娠期から産後1年までの変数の推移と変数間の関係:出産経験による検討」より得られた知見
  「5章 産後の抑うつに関与する要因」より得られた知見
  「6章 産後の抑うつと養育態度に関する仮説モデルの検討」より得られた知見
  「7章 産後の抑うつの回復に寄与する要因」より得られた知見
 8-2 産後の抑うつに関する要因について
  母親の特性要因
  夫婦関係の親密性
  出産準備性
 8-3 本論文で明らかになったこと
  妊娠期から産後1年までの抑うつとそれに関する要因の検討
  抑うつと養育態度について
  産後の抑うつの継続,回復に関する要因 
 8-4 予防・介入に関する示唆
  社会的なシステムの改善
  妊娠前への介入
  妊娠中の介入
  出産後の介入
  英国における介入
  領域を超えた連携の必要性
 8-5 本研究の限界および今後の課題  
引用文献                  
謝辞                      
著者安藤智子 著
発行年月日2009年02月28日
頁数186頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1721-5