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再帰的事象の認識とその発達に関する心理学的研究

定価: 8,250 (本体 7,500 円+税)
入れ子構造をもつ再帰的事象の認識の重要性を、「二次の心的状態の理解」の認知発達的研究を中心に、文献展望と心理学的実験および調査により解明した新著。

【著者略歴】
林創(はやし はじむ)
1973年 大阪府吹田市に生まれる
1998年 京都大学教育学部教育心理学科卒業
2000年 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2003年 京都大学大学院教育学研究科博士後期課程修了
京都大学博士(教育学)
2003年 日本学術振興会特別研究員(PD)
2006年 京都大学高等教育研究開発推進センター教務補佐員
現在に至る

受賞 日本教育心理学会城戸奨励賞(第51号)
目次を表示します。
第1章 序論:本書の目的と構成
 第1節 はじめに
  1.1.1 本書の目的
  1.1.2 再帰的事象とは何か?
 第2節 概念の定義と枠組み
  1.2.1 本書の問題意識
  1.2.2 再帰的事象の例
  1.2.3 3つのレベルの設定
  1.2.4 用語の整理
 第3節 本研究で検討する知能
 第4節 本書の構成
第2章 論理―数学的知能に関する再帰的事象の認識
 第1節 論理的な再帰
  2.1.1 本章の検討事項
  2.1.2 コンピュータ言語上の再帰
 第2節 研究1(再帰呼び出しを含む手続きの処理の難しさ)
  2.2.1 問題 
  2.2.2 実験1
  2.2.3 実験2
  2.2.4 まとめ
 第3節 研究2(再帰的な考え方による複雑な問題の解決可能性)
  2.3.1 問題
  2.3.2 方法
  2.3.3 結果
  2.3.4 考察
 第4節 本章のまとめ
第3章 社会的知能に関する再帰的事象の認識(1)
-二次の心的状態をいつ頃から理解できるようになるか?-
 第1節 二次の心的状態の理解とは?
  3.1.1 本章の検討事項
  3.1.2 他者の心的状態の理解
  3.1.3 入れ子構造をもつ心的状態の理解の定義
  3.1.4 二次の心的状態の理解は人間特有か?
  3.1.5 初期の研究 
  3.1.6 二次的信念課題
  3.1.7 二次的信念課題に関するこれまでの知見
 第2節 研究3(児童期における二次の心的状態の理解)
  3.2.1 問 題
  3.2.2 方 法
  3.2.3 結 果
  3.2.4 考 察
 第3節 研究4(幼児期における二次の心的状態の理解)
  3.3.1 問題
  3.3.2 方法
  3.3.3 結果
  3.3.4 考察
 第4節 二次的信念課題のまとめ
  3.4.1 二次的信念課題の比較
  3.4.2 二次の心的状態の理解が可能になる要因
 第5節 本章のまとめ
第4章 社会的知能に関する再帰的事象の認識(2)
 -社会的場面における二次の心的状態の理解の重要性-
 第1節 さまざまな認知能力との関連
  4.1.1 本章の検討事項
  4.1.2 二次の心的状態の理解が必要とされる社会的認知
  4.1.3 二次の心的状態の理解が関連すると考えられる社会的認知
  4.1.4 まとめ
 第2節 研究5(うそと冗談の区別)
  4.2.1 問題
  4.2.2 方法
  4.2.3 結果
  4.2.4 考察
 第3節 研究6(他者の行為の道徳的判断)
  4.3.1 問題
  4.3.2 方法
  4.3.3 結果
  4.3.4 考察
 第4節 コミュニケーションにおける高次の心的状態の理解
  4.4.1 本節の焦点
  4.4.2 人間のコミュニケーションの本質
  4.4.3 相互知識のパラドックス
  4.4.4 「関連性理論」からの視点
  4.4.5 高次の心的状態とコミュニケーション
  4.4.6 まとめ
 第5節 本章のまとめ
第5章 全体的考察
 第1節 前章までのまとめ
 第2節 再帰的事象の認識の深化
  5.2.1 2つの研究領域
  5.2.2 高次の関係の理解
  5.2.3 抽象化
 第3節 今後の展望
  5.3.1 教育心理学的な意義
  5.3.2 社会心理学的な意義
  5.3.3 進化的な視点
 第4節 おわりに
引用文献
付録
本書と公刊されている論文の対応について 
あとがき
著者林創 著
発行年月日2008年01月31日
頁数194頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1659-1