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社会的責任目標と学業達成過程

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)
教室の社会的文脈は、児童の学業達成にどのように影響するのか。社会的責任目標という新たな視点から、人間関係を媒介した学業達成過程を実証的に明らかにする。

【執筆者紹介】
中谷素之(なかや もとゆき)
1967年 静岡県生まれ
1998年 名古屋大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程中退
名古屋大学大学院教育発達科学研究科助手、三重大学教育学部助教授を経て、
現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教授(臨床教育学講座教育心理学研究分野)
博士(心理学)、学校心理士
目次を表示します。
刊行によせて
はじめに
第1章 問題の所在
 第1節 教室という社会的文脈における学業達成の特質
  1.児童の学習を取り巻く今日の教育的問題―社会的動機づけの観点から―
  2.児童の社会的コンピテンスと学業達成
  3.従来の達成動機づけ研究の流れ
  (1)Atkinsonの期待一価値モデル
  (2)Weinerの原因帰属理論
  (3)達成日標≡哩論
  4.これまでの達成動機づけ研究の問題点
  5.動機づけへの社会的視点の導入
  6.社会的責任という概念
  7.目標の定義
 第2節 社会的責任目標が学業達成に影響を及ぼすプロセス
  1.教室内の人間関係を媒介とした学業達成プロセス
  (1)教師ー児童の人間関係と学業達成
  (2)児童間の人間関係と学業達成
  2.学習行動を媒介とした学業達成プロセス
 第3節 社会的責任目標を規定する要因
  1.社会的責任目標に影響を及ぼす要因
  2.クラス構造に関する先行研究
  3.社会的責任目標を侃進するクラス構造
  (1)規範:説得的な規範教授による規範の内在化
  (2)協同:児童どうしの相互作用による規範,役割期待の学習
  (3)親和:親密な人間関係による規範,期待の侃進
 第4節 本論文の目的
第2章 児童用社会的責任目標尺度の作成―および信頼性・妥当性の検討(研究1)
 第1節 児童用社会的責任目標尺度・学業的目標尺度の作成と信頼性の検討
  目的
  方法
  結果と考察
   1.児童用社会的責任目標尺度の因子分析と信頼性の検討
   2.児童用学業的目標尺度の検討
   3.社会的責任目標・学業的目標尺度間の関連
 第2節 児童用社会的責任目標尺度の妥当性および性差・学年差の検討
  目的
  方法
  結果と考察
   1.児童用社会的責任目標尺度の妥当性の検討
   2.児童用社会的責任目標尺度の性差・学年差の検討
第3章 社会的責任目標が学業達成に影響を及ぼすプロセス
 第1節 人間関係を媒介とした学業達成プロセス
   1.教師一児童の人間関係を媒介とした動機づけプロセス(研究2)
    問題
    方法
    結果
    考察
   2.友人関係を媒介とした動機づけプロセス(研究3)
    問題
    方法
    結果と考察
 第2節 学習行動を媒介とした学業達成プロセス(研究4)
  問題
  方法
  結果
  考察
第4章 社会的責任目標を侃進するクラス構造
 第1節 社会的責任を侃進する教師の指導行動―半構造化面接による検討(研究5)
  問題
  方法
  結果と考察
  全体的考察
 第2節 社会的責任目標とクラス構造の関連(研究6)
  問題
  方法
  結果と考察
第5章 総括的討論
 第1節 本論文の概略
 第2節 本論文の意義
  1.動機づけ研究への寄与
  2.教育実践への示唆
  (1)学業達成の多面的理解
  (2)教育的介入への示唆
  (3)教師の指導行動および学級経営への示唆
第6章 問題点と今後の展望
 第1節 本研究の問題点
 第2節 課題と今後の展望
  1.媒介要因の機能―教師との関係と友人との関係の質的差異
  2.社会的責任の概念―その発達的変化
  3.学業達成過程の文化差―学業達成の文化的・社会的背景
 第3節 おわりに―社会的文脈における学業達成と市民性の教育
要約
引用文献
謝辞
付録
著者中谷素之 著
発行年月日2006年11月30日
頁数182頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1602-7