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社会的交換における協力生起過程

囚人のジレンマを用いた実験研究による検討

定価: 8,250 (本体 7,500 円+税)
社会的交換において協力を促す要因について、囚人のジレンマを用いた実験によって検討。緻密な実験の積み重ねから、協力生起の鍵となる利得構造変換過程に迫る。

【著者略歴】
森久美子(もり くみこ)
1966年 京都府に生まれる
1989年 大阪大学人間科学部人間科学科卒業
1993年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程(前期課程)教育心理学専攻修了
1996年 名古屋大学大学院教育学研究科博士課程(後期課程)教育心理学専攻単位取得退学、1999年同研究科より博士(教育心理学)を授与される。
1996年 愛知淑徳短期大学講師、同短期大助教授、愛知淑徳大学助教授を経て、
現在 関西学院大学社会学部助教授
目次を表示します。
まえがき
第1章 序論
 1.1 囚人のジレンマ
  1.1.1 二囚人の物語
  1.1.2 囚人のジレンマの定義
  1.1.3 囚人のジレンマの性質
 1.2 囚人のジレンマにおける協力
  1.2.1 協力は合理的か?
  1.2.2 利得構造の変換
 1.3 反復による利得構造の変換一信頼
  1.3.1 応報戦略
  1.3.2 目標期待理論
  1.3.3 協力を妨げる心理的要因
  1.3.4 一般的信頼と個別的信頼―その概念的区別―
 1.4 反復のないPDでの利得構造の変換―社全的価値志向性と状況の社会関係的手がかり―
  1.4.1 社会的価値志向性―「動機」的説明
  1.4.2 社会的価値志向性の概念とモデル
  1.4.3 社会的価値志向性のタイプ
  1.4.4 社会的「動機」から社会的「価値志向性」へ―動機的解釈への批判と再考
  1.4.5 状況認知過程としての統合一状況の社会関係的手がかりと利得構造変換
 1.5 本書の構成
  1.5,1 本書の目的
  1.5.2 本書の概要
第2章 信頼と協力
 2.1 問題と目的
 2.2 プレイヤー間の事前コミュニケーションの有無と信頼の効果(実験1)
  2.2.1 目的
  2.2.2 方法
  2.2.3 結果
  2.2.4 考察
 2.3 プレイヤー間の関係と信頼の効果(実験2)
  2.3.1 目的
  2.3.2 方法
  2.3.3 結果
  2.3.4 考察
 2.4 信頼が選択動機に及ぼす影響(実験3)
  2.4.1 目的
  2.4.2 方法
  2.4.3 結果
  2.4.4 考察
 2.5 まとめ
  2.5.1 第2章の結果
  2.5.2 既知の他者への協力
  2.5.3 未知の他者への協力
  2.5.4 今後の問題
第3章 利得構造認知と協力
 3.1 問題と目的
 3.2 社会的価値志向性の測定(実験4)
  3,2.1 目的
  3.2,2 方法
  3.2.3 結果
  3.2.4 考察
 3.3 社会的価値志向性と利得構造認知(実験5)
  3.3.1 目的
  3.3.2 方法
  3.3.3 結果
  3.3.4 考察
 3.4 まとめ
  3.4.1 第3章の結果
  3.4.2 社会的価値志向性の分類の妥当性
  3.4.3 今後の問題
第4章 社会関係性の認知と協力
 4.1 問題と目的
 4.2 相手およびその決定方略と協力(実験6)
  4.2.1 目的
  4.2.2 方法
  4.2.3 結果
  4.2.4 考察
 4.3 まとめ
  4.3.1 第4章の結果
  4.3.2 他者の心的状態の推測と利得構造変換
第5章 結論
 5.1得られた知見
  5.1.1本書の目的
  5.1.2 反復を伴うPDにおける信頼の機能
  5.1.3 利得構造の認知
  5.1.4 まとめ
 5.2 今後の課題と展望
  5.2.1 協力の生まれる範囲
  5.2.2 認知的バイアスとしての協力傾向
引用文献

著者森久美子 著
発行年月日2006年03月31日
頁数170頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1564-8