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感情状態が認知過程に及ぼす影響

気分一致効果を巡って

定価: 6,050 (本体 5,500 円+税)
気分一致効果の生起要因や生起メカニズムを明らかにするために行った実験的検討に基づいて、感情が記憶や判断に及ぼす影響に関する今後の研究に示唆を与える。

【著者略歴】
伊藤美加(いとう みか)
1996年 京都大学教育学部教育心理学科卒業
1998年 京都大学大学院教育学研究科教育方法学専攻修士課程修了
2002年 京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻博士後期課程修了
博士(教育学)取得
2003年 京都光華女子大学文学部講師 現在に至る
目次を表示します。
第1章 気分一致効果研究の概観
 1.1 序論:認知心理学における感情研究 
  1.1.1 用語の定義
  1.1.2 目的と構成
 1.2 気分一致効果研究の概観
  1.2.1 気分一致効果の定義
  1.2.2 気分一致効果研究の方法
  1.2.3 代表的な研究例
 1.3 気分一致効果の説明理論
  1.3.1 感情ネットワークモデル
  1.3.2 気分一致効果を巡る諸問題
  1.3.3 感情スキーマモデル
  1.3.4 ネットワークかスキーマか
  1.3.5 第1章の要約
第2章 自己関連的処理における気分一致効果
 2.1 自己関連性
  2.1.1 自己関連的処理における気分一致効果
  2.1.2 先行研究の問題点
 2.2 実験1:自己記述課題における気分一致効果の検討
  2.2.1 目的
  2.2.2 仮説
  2.2.3 方法
  2.2.4 結果
  2.2.5 考察
 2.3 実験2:自伝想起課題における気分一致効果の検討
  2.3.1 目的
  2.3.2 仮説
  2.3.3 方法
  2.3.4 結果
  2.3.5 考察
 2.4 総合考察
  2.4.1実験1と実験2の結果のまとめ
  2.4.2 気分一致判断
  2.4.3 気分一致記憶
  2.4.4 第2章の要約
第3章 気分一致効果の非対称性
 3.1 非対称性
  3.1.1 実験1及び実験2の問題点
  3.1.2 自己関連的処理と他者関連的処理とにおける気分一致効果
  3.1.3 先行研究の問題点
 3.2 実験3:母親記述課題における気分一致効果の検討
  3.2.1 目的
  3.2.2 仮説
  3.2.3 方法
  3.2.4 結果
  3.2.5 考察
 3.3 実験4:異なる評価を持つ友人記述課題における気分一致効果の検討
  3.3.1実験3の問題点
  3.3.2 目的
  3.3.3 仮説
  3.3.4 方法
  3.3.5 結果
  3.3.6 考察
 3.4 総合考察
  3.4.1 実験1から実験4のまとめ
  3.4.2 気分一致判断
  3.4.3 気分一致記憶
  3.4.4 第3章の要約
第4章 気分一致効果における選択的精緻化
 4.1自動的活性化と選択的精緻化
   4.1.1実験1から実験4までの問題点
 4.2 実験5:記憶負荷の有無条件における気分一致記憶の検討
   4.2.1 日的
   4.2.2 仮説
   4.2.3 方法
   4.2.4 結果
   4.2.5 考察
 4.3 実験6:気分が顕在記憶及び潜在記憶に及ぼす影響
    -データ駆動型・概念駆動型テストによる検討
   4.3.1 目的
   4.3.2 仮説
 4.4 実験6-1:データ駆動型・概念駆動型潜在記憶テストにおける
   気分一致記憶の検討
   4.4.1 方法
   4.4.2 結果と考察
 4.5 実験6-2:データ駆動型・概念駆動型顕在記憶テストにおける
    気分一致記憶の検討
   4.5.1 方法
   4.5.2 結果と考察
 4.6 総合考察
   4.6.1 実験6のまとめ
   4.6.2 実験5と実験6のまとめ
   4.6.3 気分一致記憶
   4.6.4 第4章の要約
第5章 気分一致効果に及ぼす動機づけと感情特性の影響
 5.1 動機づけの関与
   5.1.1 感情調整
   5.1.2 伊藤(2001a)
 5.2 個人差としての感情特性
   5.2.1 感情特性が気分一致効果に及ぼす影響
   5.2.2 気分状態と感情特性とが認知過程に及ぼす影響
   5.2.3 伊藤(2001b)
   5.2.4 第5章の要約
第6章 全体的考察と今後の展開
 6.1 全体的考察
   6.1.1 結果のまとめ
   6.1.2 記憶に及ぼす気分の効果について
   6.1.3 気分一致記憶
   6.1.4 判断に及ぼす気分の効果について
   6.1.5 気分一致判断
   6.1.6 判断と記憶とに及ぼす気分の効果について
 6.2 今後の展開
   6.2.1 感情が認知過程に及ぼす影響に関する包括的説明理論
   6.2.2 今後の検討すべき課題:感情認知研究の残された問題
   6.2.3 第6章のまとめ
引用文献
謝辞
付録A 本書と公刊されている論文の対応
付録B 実験で用いた刺激材料
著者伊藤美加 著
発行年月日2005年09月30日
頁数162頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1523-5