博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

粘土遊びの心理学

ヒトがつくる、チンパンジーがこねる

定価: 2,420 (本体 2,200 円+税)
ヒト幼児が、知的障害児が、チンパンジーがこねてつくって楽しむ究極の粘土遊びとは? 今、土と遊びながらいのちを育てる、こころを癒す

【著者略歴】
中川織江(なかがわ おりえ)
日本女子大学人間社会学部講師(非常勤 幼児造形)
博士(文学)1997年 日本女子大学
東京教育大学(現筑波大学)教育学部卒業、大塚テキスタイル学院工業繊維学科卒業、デザイン会社勤務を経て、日本女子大学大学院文学研究科博士課程後期修了
著書『粘土造形の心理学的・行動学的研究』(風間書房)
目次を表示します。
1 なぜ粘土遊びか
  ヒトは土から生まれて土に帰る
  子どもは「つくる・描く」ことが大好き
  造形は何歳まで発達するか
2 自由になるから面白い
  実感する「触覚遊び」
  「つくる楽しみ」+「使うよろこび」
  イメージを共有する
  心を解放するクレイセラピー(粘土療法)
3 粘土は、固体と液体の間をゆききする
  微細粒子の土は、水をつかんで離さない
  可塑性
  一転、凝固
  いろいろな粘土
 ルポ・ある粘土屋の今昔物語―「美工堂」主人に聞く
4 あゆみ
  ルーツは、江戸時代の献上品をつくる細工所
  日本の技術をささえた粘土細工
  フレーベル氏いわく、粘土は天から与えられた「恩物」である
  職人わざから、美術の世界へ
  のびのびと形に表現する 
5 ヒトの子どもの発達・0歳から5歳まで
  発達心理学の立場から
  適切な量
  遊ぶ時間
  ほどよい固さ
  (1) つくる前の子ども―まず触れてみよう、ちぎる
    アン君が始めて歩いた日/信頼を築く「三項関係」
  (2) 形が生まれる―「穴」の中にすべてがある作品
    イメージを育てる
  (3) 作品の原形―「雪だるま」
    「おだんご」、「ひも」、「おせんべい」をつくる
  (4) コントラストを強く―「穴」と「凸」を組み合わせる作品
     足でのる/とつぜんつくり始める
  (5) より高く、大きく―「凸」を積みあげる作品
     新しい技法の発明/体を有機的に使う
  (6) 本物らしく写実へー二つの空間をもつ作品
     王妃の胸の凹みの意味と、空間認識の発達
 実践記録・あおい第一幼稚園
 粘土遊びの15年間と10人の先生へ5つの質問
6 知的障害児がかかわる
  粘土と会話する            
   粘土がこわれる!と叫ぶゲンキ君
  自閉症児 
   「型おし」をする/「おだんご」をつくる/「穴開け」をしない
7 チンパンジーがこねる・造形の進化
  造形をするのはヒトだけか
   熱心に技法をみがくパン
   先生に粘土遊びをさせるタロエ
   ポケットに入れるペンデンサー
   分割名人のアイ
 「器」をつくったチンパンジー
   ヒト五歳児の作品に対応した「器」 造形の初期発達を見る
 たとえヒト語を話せても・緑の回廊 
対談・進歩の時間割―須賀哲夫(日本女子大学人間社会学部教授)
あしたへ
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者中川織江 著
発行年月日2005年11月15日
頁数220頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1513-6