ヘルメスの変容と文学的解釈学の展開
ヘルメネイン・クリネイン・アナムネーシス
定価:
13,200
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プロロゴス ヘルメスとメタ・ホドス
第一部 解釈学の成立と文芸理論・批評の諸相
第一章 解釈学と文芸理論
第一節 解釈学の基本的構造-古典文献解釈、聖書解釈より-
一 解釈学的循環
二 古代ギリシア時代の解釈学-ミュトスからロゴスへ
三 後期ギリシアの解釈学から中世キリスト教神学の解釈学へ
四 現世化としての新しい運動-ルネサンス、人文主義と宗教改革時代の解釈学
五 近代文芸理論への展開
第二節 近代文芸理論と方法論-その予備的考察-
一 戦後東西分裂のドイツ文芸学
二 実証主義と精神史的方法
三 作品内在的研究とフォルマリズム
四 社会主義リアリズムとマルクス主義
五 「地平の融合」としてのH・R・ヤウスの「受容美学」
第二章 文学的解釈学と文芸批評
第一節 規範詩学と近代文芸批評-「フランス〈新旧論争〉」と古代と近代の相克意識-
一 アリストテレス『詩学』
二 フランス(新旧論争〉
三 ドイツ啓蒙主義の両義性
四 歴史意識と文化の相対性
五 近代文芸批評としての初期ロマン主義
第二節 伝統の受容と文学的解釈学-受容の両義性-
一 伝統の受容と解釈学
二 解釈の葛藤
三 解体構築の両義性
四 解釈学の現代的課題
第三章 文芸批評とテクスト解釈の試み
第一節 芸術作品の根源と初期ロマン主義文芸批評の概念
-ベーダ・アレマンの『詩的なるものについて』より-
一 解釈学的地平におけるベーダ・アレマンの立場
二 『詩的なるものについて』
三 『近代文芸学の初期ロマン主義概念』
第二節 カフカの神話解釈、あるいは開かれたテクスト-『オデュッセイア』の冒険より-
一 ヨーロッパ文学の 「連続性」と 「非連続性」
二 オデュツセウス三つの冒険
三 ウンベルト・エーコの記号論-「深読み」か「浅読み」か?-
四 隠語と神格化
第三節 近代と啓蒙のゆくえ、あるいは「ポストモダン」をどう読むか
一 オデュツセウスの冒険と 『啓蒙の弁証法』
二 「啓蒙の時代」 の二つの啓蒙概念
三 ポストモダンの諸相と解釈学・
第二部 記憶と翻訳-解釈学の地平における-
第一章 アナムネーシスとしての文学機能
第一節 古代の記憶術と現代文学ートーマス・マンとベンヤミンの場合ー
一 想起とヘルメネイン
二 想起とポイエーシス
三 記憶術と場所、土地の名
四 トーマス・マンの場合ー『ヨーゼフ』物語ー
五 ベンヤミンの場合(その一)-『ドイツ哀悼劇の根源』-
六 ベンヤミンの場合(その二)-『パサージュ』論-
七 忘却と真理
第二節 ベンヤミンの近代悲劇論、あるいは詩学の解体-『ドイツ哀悼劇の根源』より-
一 新旧論争と批評概念:
二 啓蒙的古典主義とアリストテレス『詩学』の規範化
三 バロック演劇の復権と哀悼劇
第三節 ミーメーシスとメタモルフォーシス一『変身物語』より一
一 神話の伝承と物語性
二 自立した語り手
三 輪廻転生と作品の永遠性
四 解釈のヴァリエーションとしての変容の姿
五 ミーメーシスと現実描写
六 『変身物語』の受容とその展開
七 解釈としての「過去」との対話、あるいは永遠の現在(nuncstans)
第二章 解釈学と翻訳
第一節 ガダマーの翻訳論
一 『真理と方法』 (第三部)より
二 異文化理解と翻訳
三 コミュニケーションと翻訳.
四 テクストと翻訳
五 解釈学と言語性
六 解釈学的地平における翻訳論の課題
第二節 シュライアーマッハーの「プラトン翻訳」
一 『ディルタイとヨルタ伯の往復書簡』、ディルタイの『シュライアーマッハーの生涯』より
二 ディルタイの 『解釈学の成立』 の成立背景
三 ディルタイの 『シュライアーマッハーの生涯』
四 シュライアーマッハーの「プラトン翻訳」と 「プラトン研究」
五 プラトン著作の 「真偽問題」と「序列問題」
六 ディルタイの「プラトン研究」
七 『パルメニデス』と物語の構造
第三節 ベンヤミンの翻訳論一『翻訳者の使命』より一
一 聖書の行間翻訳
二 『書簡』にみる『翻訳者の使命』の位置づけ
三 翻訳論と言語論
四 「掟の想起」としての翻訳
五 自国語の救済としての翻訳
六 ボードレール『訳詩集』とその「序文」に対する反響
七 ベンヤミンの履歴書
エピロゴス 再び「ガダマーの翻訳論」、あるいは「翻訳としての読書論」
注 解
あとがき
文献目録