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空書の脳内メカニズム

運動による文字処理過程の神経的負荷低減の仕組み

定価: 12,100 (本体 11,000 円+税)
空書はなぜ起こるのか?行動実験と磁気共鳴機能画像法(fMRI)による脳活動計測とにより、神経科学を踏まえつつ、その脳内発生メカニズムをモデル化する。

【著者略歴】
松尾香弥子(まつお かやこ)
1964年 神奈川県に生まれ、東京に育つ
1993年 お茶の水女子大学人間文化研究科(博士課程)人間発達学専攻単位取得退学
2003年 博士(学術)取得 お茶の水女子大学
現在 独立行政法人産業技術総合研究所 特別研究員
目次を表示します。
第1章 間題の所在
 1.1 はじめに
 1.2 空書となぞり読み
  1.2.1 空書
  1.2.2 なぞり読み
 1.3 空書が生起するメカニズムについての仮説
  1.3.1 連合説と認知機能説
  1.3.2 空書についての先行研究1―連合説寄りの見解―
  1.3.3 空書についての先行研究2―認知機能説寄りの見解―
  1.3.4 純粋失読患者のなぞり読みについての先行研究
  1.3.5 連合も認知機能も
  1.3.6 「書いて覚えたから」という説明の問題点
 1.4 本研究の方法論
  1.4.1 磁気共鳴機能画像法(fMRI)の利用
  1.4.2 書字行動の?種としての空書
 1.5 本研究の目的
 1.6 本研究の構成
第2章 研究1空書の行動実験―空書が関与している認知機能要因の内容は何か―
 2.1 問題
 2.2 実験1 空書頻度についての行動実験
  2.2.1 方法
  2.2.2 結果
  2.2.3 考察
第3章 研究2 空書課題の効果―空書課題は高次運動野を強く賦活するか―
 3.1 問題
 3.2 実験2 漢字字形素統合課題を用いたfMRI実験―1.5テスラ装置による部分脳計測―
  3.2.1 方法
  3.2.2 結果
  3.2.3 考察
 3.3 実験3 漢字字形素統合課題を用いたfMRI実験―3テスラ装置による全脳計測―
  3.3.1 方法
  3.3.2 結果
  3.3.3 考察
 3.4 総合的考察
第4章 研究3 運動の効果―運動の有無による脳活動の違い―
 4.1 問題
 4.2 実験4 画数カウント課題のfMRI実験―漢字提示の場合―
  4.2.1 方法
  4.2.2 結果
  4.2.3 考察
 4.3 実験5 画数カウント課題のfMRI実験―読み提示の場合―
  4.3.1 方法
  4.3.2 結果
  4.3.3 考察
 4.4 実験6 画数カウント課題のfMRI実験―非右利き者の場合―
  4.4.1 方法
  4.4.2 結果
  4.4.3 考察
 4.5 総合的考察
第5章 研究4 音韻処理と運動―音韻と文字視覚表象との結びつけに関与する運動関連部位 エクスナーの部位―
 5.1 問題
 5.2 実験7 漢字とカタカナのなぞりの解離
  5.2.1 方法
  5.2.2 結果
  5.2.3 考察
 5.3 実験8 エクスナーの部位と前頭眼野の解離
  5.3.1 方法
  5.3.2 結果
  5.3.3 考察
 5.4 総合的考察
第6章 総括的討論
 6.1 空書の脳内メカニズム
  6.1.1 本研究の概要
  6.1.2 空書の役割とその要因
  6.1.3 なぜ指運動が文字処理の神経的負荷を低減しうるのか
  6.1.4 書いて覚えることを可能にする仕組み
 6.2 本研究の意義と今後の課題
  6.2.1 本研究の意義
  6.2.2 今後の課題
引用文献
付録1 磁気共鳴機能画像法(fMRI)による脳機能計測法の概要
 1.認知心理学において磁気共鳴機能画像法(fMRI)を利用する意義
 2.MRIおよびfMRIの原理
 3.fMRIの特徴
付録2 MRI・fMRI用語解説
謝辞

著者松尾香弥子 著
発行年月日2004年12月15日
頁数258頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1476-4