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ロールシャッハ・テストにおける適応的退行と創造性

定価: 15,400 (本体 14,000 円+税)
ロールシャッハ・テストにおける一次過程と適応的退行が、創造性とメンタルヘルスに与える影響を考察。退行を「遊び」として体験できる心理機能について検討。

【著者略歴】
吉村聡(よしむら さとし)
1973年 大阪府に生まれる
1995年 早稲田大学第一文学部卒業
1997年 早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了
2001年 早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学
2003年 早稲田大学より博士(文学)の学位取得
現在 東北大学大学院教育学研究科講師
目次を表示します。
序論
第1部 理論的研究
第1章 一次過程と創造性をめぐる理論的研究史
 1.Freudによる一次過程の定義とその後の発展
 2.一次過程/適応的退行と創造性
第2章 言語表現の歪みとロールシャッハ・テスト
 1.Hermann Rorschachの理解
 2.逸脱言語表現/思考障害とロールシャッハ・テスト
第3章 ロールシャッハ・テストにおける一次過程/適応的退行と芸術的創造性
 1.Robert R.Holtによる一次過程表象尺度とその概要
 2.一次過程表象尺度と健常者における創造的能力
 3.一次過程表象尺度と芸術的創造性
 4.一次過程表象尺度と性差
 5.一次過程表象尺度をめぐる研究のまとめと評価
第4章 試論
    ―ロールシャッハ・テストにおける「遊び」と一次過程表象―
 1.遊びの場としてのロールシャッハ・テストと適応的退行
 2.遊びとしての適応的退行が内包する情緒体験と創造性
 3.遊びを支える心的ネットワークと創造性
第5章 一次過程表象尺度の研究をめぐる問題点と今後の課題点
 1.一次過程表象尺度の基本的な意味あいについて
 2.対人関係の場としてのロールシャッハ・テストと一次過程表象尺度
 3.遊びを基盤とした心的ネットワークとしての一次過程表象尺度
   ―拡散的思考と感情の特徴について―
第2部 実験研究
第6章 ロールシャッハ・テスト構造変数と一次過程表象尺度(研究1)
 1.目的
 2.方法
 3.結果
 4.考察
第7章 パーソナリティ、メンタルヘルスと一次過程表象尺度(研究2)
 1.目的
 2.方法
 3.結果と考察
 4.事例検討
 5.まとめ
第8章 対人関係の場としてのロールシャッハ・テストと一次過程表象尺度(研究3)
 1.目的
 2.方法
 3.結果
 4.考察
 5.まとめと問題点
第9章 一次過程思考と創造性
   ―ロールシャッハ・テストにおける一次過程表象尺度と言語連想課題における連想の独創性について―(研究4)
 1.はじめに
 2.方法
 3.結果
 4.考察
第10章 感情体験と一次過程表象尺度(研究5)
 1.目的
 2.予備研究
 3.本研究
 4.まとめと今後の課題
第11章 第2部のまとめと課題
 1.本研究で得られた知見の要約
 2.第2部の諸研究から派生する問題点と第3部への課題
第3部 事例研究
第12章 ロールシャッハ・テスト場面での「遊び」と「適度な巻きこまれ」が成立している事例(研究6)
 1.事例F(作曲家/非患者男性)
 2.事例G(ピアニスト/非患者女性)
第13章 ロールシャッハ・テスト場面での「遊び」と「巻きこまれ」が十分に成立していない事例(研究7)
 1.事例H(能楽師志望/非患者男性)
 2.事例Ⅰ(詩人・写真家/臨床群男性)
 3.事例J(写真家志望/臨床群女性)
第14章 第3部のまとめと総合考察
    ―ロールシャッハ・テスト場面での「遊び」の表れとしての一次過程表象尺度をめぐって―
 1.全事例の共通点
 2.遊びと巻きこまれの観点からみた相違点
結語
文献
Appendix
 1.一次過程表象尺度のスコアリングマニュアル
 2.各事例のロールシャッハ・プロトコル
おわりに 
著者吉村聡 著
発行年月日2004年12月15日
頁数340頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1471-9