博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社｜(株）風間書房

母子相互作用・子どもの社会化過程における乳幼児の気質

定価： 7,920 円（本体 7,200 円＋税）
子どもの気質的個人差が母子相互作用と子どもの社会化過程でどう関与するかを0歳代の子どもとその母親を対象に実施した5年間の縦断研究の成果を交えて論じる書。

【著者略歴】
水野里恵(みずの　りえ)
1956年　愛知県名古屋市に生まれる
1980年　名古屋大学法学部法律学科卒業
1987年　北海道大学教育学部卒業
1992年　名古屋大学大学院教育学研究科博士前期課程修了
1996年　名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得
2000年　名古屋大学より博士(教育心理学)の学位を授与される
現在　愛知江南短期大学現代幼児学科助教授
専攻は教育心理学、発達心理学
目次を表示します。
序
Ⅰ部　気質研究レビュー
1章　「気質」研究と発達心理学的気質概念
　1.1.「気質」研究史
　1.2.乳幼児の個人差を記録した研究
　1.3.乳幼児の個人差から相互作用的発達研究へ
　1.4.発達心理学的気質概念
　　　1.4.1.気質的扱いにくさ―Thomas&Chess
　　　1.4.2.行動的抑制傾向―Kagan
　　　1.4.3.パーソナリティ特性としてのEAS―Buss&Plomin
　　　1.4.4.反応性と自己制御における個人差―Rothbart&Derryberry
　　　1.4.5.情動表出における個人差―Goldsmith&Campos
2章　気質研究から発達研究への問題提起
　2.1.乳児の愛着測定法
　2.2.母親の精神的健康と養育行動
　2.3.子どもの社会化の発達過程
Ⅱ部　乳幼児の気質概念を取り入れた実証研究
　3.1.研究の構想
　3.2.縦断研究の実施経過概略
4章　乳児の愛着測定法
　4.1.問題
　　　4.1.1.乳児の愛着行動とStrange Situation Procedure:SSP
　　　4.1.2.SSPの文化的妥当性の問題
　　　4.1.3.母子短期分離場面での乳児の愛着行動と行動的抑制傾向
　4.2.方法
　4.3.結果
　4.4.考察
5章　母親の精神的健康:母親の分離不安
　5.1.問題
　　　5.1.1.母親の分離不安について
　　　5.1.2.母親の分離不安と子どもの行動的抑制傾向
　5.2.質問紙調査1.1
　　　5.2.1.日的
　　　5.2.2.方法
　　　5.2.3.結果
　　　5.2.4.考察
　5.3.質問紙調査1.2
　　　5.3.1.日的
　　　5.3.2.方法
　　　5.3,3.結果
　　　5.3.4.考察
　5.4.総合的考察
6章　母親の精神的健康:母親の育児ストレス
　6.1.問題
　　　6.1.1.母親の育児ストレスについて
　　　6.1.2.母親の育児ストレスと子どもの気質的扱いにくさ
　6.2.日的
　6.3.方法
　6.4.結果
　6.5.考察
7章　幼児の自己制御機能
　7.1.問題
　　　7.1.1.子どもの自己制御機能の発達過程
　　　7.1.2.自己制御機能の発達に関与する要因
　　　　7.1.2.1.行動規準の内面化の過程に働く要因
　　　　7.1.2.2.行動統制の過程に働く要因
　　　7.1.3.自己制御機能の2側面と気質
　　　　7.1.3.1.Kochanskaの視点
　　　　7.1.3.2.行動統制の過程で働く要因としての行動的抑制傾向
　　　　7.1.3.3.行動規準の内面化の過程に働く要因としての気質的扱いにくさ
　7.2.仮説
　7.3.質問紙調査
　　　7.3.1.方法
　　　7.3.2.結果
　　　7.3.3.考察
　7.4.幼児の実験的観察・母親への面接調査
　　　7.4.1.方法
　　　7.4.2.結果
　　　7.4.3.考察
　7.5.総合的考察
8章　全体的考察
　8.1.気質的扱いにくさの観点から
　8.2.行動的抑制傾向の観点から
Ⅲ部　乳幼児の気質:総括的討論
9章　母子相互作用研究・子どもの社会化研究への示唆
10章　パーソナリティ研究への示唆
文献
あとがき

TabLe&Figure　目次
Table4.2-1:行動評定基準
Table4.3-1:乳児の対母親行動に対する因子分析結果
Table4.3-2:クラスター分析による3群
Table4.3-3:行動的抑制傾向・探索行動・分離動揺・対母親行動の相関
Table4.3-4:3群の行動的抑制傾向・探索行動・分離動揺得点の平均値
Table5.2-1:母親の分離不安尺度
Table5.2-2:伝統的母親役割観尺度
Table5.2-3:母親の分離不安・伝統的母親役割観・気質の相関
Table5.2-4:母親の分離不安についての重回帰分析
Table5.3-1:職業の有無別の母親の分離不安による2群の各尺度平均値
Table6.4-1:各尺度得点の平均値
Table6.4-2:正準相関分析結果
Table6.4-3:気質正準得点・育児ストレス相関
Table6.4-4:気質診断類型の基準と各群の乳児期3尺度合計得点・
育児ストレスの平均値
Table6.4-5:乳児期母親の分離不安による3群の各尺度平均値
Table7.3-1:自己制御機能質問紙の因子分析結果
Table7.3-2:3場面の自己制御機能得点
Table7.3-3:自己制御機能各尺度得点相関
Table7.3-4:自己制御機能各尺度得点と気質得点との偏相関
Table7.3-5:気質尺度の因子分析結果
Table7.3-6:葛藤体験の因子分析結果
Table7.3-7:自己制御4群の気質的扱いにくさ・葛藤体験・説明的
しつけ方略得点の平均値
Table7.4-1:コーディング行動
Table7.4-2:アピール3群の各尺度得点の平均値

Figure3.1-1:研究モデル(検討される4つの課題)
Figure3.2-1:縦断研究の実施概略図
Figure3.2-2:縦断研究の被調査者(被験者)と主要な調査項目概略
Figure8.1-1:母親の育児ストレス(第一子と第二子以降の母親の比較)
Figure8.2-1:縦断研究結果概略図
著者水野里恵 著
発行年月日2002年11月30日
頁数210頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1342-2