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子どもの絵と対象の見え方の理解の発達

定価: 6,050 (本体 5,500 円+税)

子どもは何故見える通り絵を描かないのか? 幼児の描画と視点課題解決における文脈依存性を明らかにし、その基礎にある見えと同一性の関係理解の発達を検討する。

【著者略歴】
藤本浩一(ふじもと こういち)
1952年 兵庫県西宮市に生まれる
1976年 京都大学教育学部卒業
1981年 京都大学大学院教育学研究科教育方法学教育心理学専攻博士後期課程学修退学
1982年 四天王寺国際仏教大学講師
1997年 博士(教育学)(京都大学)
1998年 神戸松蔭女子学院大学教授、現在に至る
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
第1章 人物描画の発達過程 ―人の動きを描く工夫
第1節 問題
第2節 目的
第3節 方法  被験児/課題/手続き
第4節 結果  描画課題/身体意識質問紙/迷路テスト/同図形発見問題
第5節 考察
  1.身体各部の写実的表現の年齢的変化
  2.写実的表現を促すもの
第6節 要約
第2章 知的写実期の立体の模写 ―似た対象のどの面に注目して描くか
 第1節 問題
 第2節 目的
 第3節 方法  被験児/材料/手続き
 第4節 結果
  透明コップと不透明コップの中味の措き分け
  中味入り透明コップの描き方の文脈による個人内変化
  描き分けるための他の手がかり
 第5節 考察
1.中味について「知っている」ことと「見える」こと
  2.中味を描くことの必要性があるか否かの課題状況
  3.知的写実描画の状況依存性
第6節 要約
第3章 「3つの山問題」再考―「見え」の理解を助ける手がかり
 第1節 問題
 第2節 実験 Ⅰ
  1.目的
  2.方法  被験児/材料/手続き/条件 
  3.結果
    年齢群間比較
    good-view仮説
    物語教示効果
  4.考察
 第3節 実験 Ⅱ 
  1.目的
  2.方法  被験児/材料/手続き/条件 
  3.結果  年齢群間比較/物語教示効果 
  4.考察
 第4節 実験 Ⅲ
  1.目的
  2.方法  被験児/材料/手続き 
  3.結果
  4.考察
 第5節 全体的考察
  1.対象の同一性
  2.視点取得課題の状況依存性
第6節 要約
第4章 空間配置課題の文脈依存性―実験材料の性質が及ぼす影響
 第1節 問題
 第2節 実験 Ⅰ
  1.目的
  2.方法  被験児/材料/実験状況/手続き
  3.結果と考察 
    得点化
    人形基準と家基準の成績比較
    提示角度の違い
 第3節 実験 Ⅱ 
  1.目的
  2.方法  被験児/材料/実験状況/手続き
  3.結果と考察
    得点化
    手がかりとしての家と鳥
    訓練効果の可能性
 第4節 全体的考察
  1.基準対象の特徴と他の要因との相乗効果
  2.「家」の性質―<場所性>と<住居中心性>
  3.固定的基準系の段階
  4.状況的認知
 第5節 要約
第5章 対象物の見え方とあり方の理解―多様な見え方の理解を受け入れる
 第1節 問題
第2節 目的
第3節 方法  被験児/材料/手続き
第4節 結果  課題1/課題2/課題3/課題4
第5節 考察
  1.視点の特定化
  2.同一性優先
  3.見え優先
  4.制限された見えから奥行きを知る
  5.発達過程のまとめ
  6.他の視点課題研究との関連性
第6節 要約
第6章 結語
  1.状況依存性
2.視覚的特徴重視
3.見えと同一性の関係理解の発達過程
4.今後の課題
1)ものから人に
   2)情報処理の個人差か能力差か
引用文献 
著者藤本浩一 著
発行年月日2000年11月15日
頁数134頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1233-3