博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

3次元視空間におけるオブジェクト認知とノイズ処理

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)

ヒトがオブジェクトを検出するとき、外界や生体内部で生じるノイズに視覚系がどのように対処しているのかを、新しい研究手法を用いて解明した書。

【著者略歴】
薬師神玲子(やくしじん れいこ)
1993年3月 お茶の水女子大学文教育学部卒業
1998年3月 同大学大学院人間文化研究科修了
博士(学術)お茶の水女子大学
1998年4月 宇都宮大学工学部助手
現在 名古屋大学大学院人間情報学研究科助手(1999年4月より)
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
第1章 視覚系とノイズ
1.1 視覚系の役割
1.2 ノイズ空間としての環境
1.3 環境内のノイズの除去に有効な視覚手がかり
1.4 視覚系の内部表現とノイズ 
1.5 本研究の目的
1.6 第1章の要約 
第2章 面や形態の検出のための研究方法
 2.1 本研究で用いる2つのアプローチ 
 2.2 サイコメトリック関数の記述とモデルの適用 
  2.2.1サイコメトリック関数の記述
  2.2.2 モデルの適用による両眼立体視過程の研究例 
      ~Parker,Johnston,Mansfield&Yang(1991)の研究~
 2.3 理想的観察者分析 
  2.3.1 統計的効率の利点
  2.3.2 統計的効率の算出 
   2.3.2.1 理論的計算による理想的観察者の成績の導出 
         ~Harris&Parker(1992)の研究~
   2.3.2.2 シミュレーションによる理想的観察者の成績の導出
         ~薬師神・石口(1998)の研究~
   2.3.2.3 内部ノイズとサンプリング効率を分離する方法
 2.4 両アプローチの本研究での利用 
 2.5 第2章の要約 
第3章 ノイズ空間における面の検出
 3.1 重なり合う面を分離する
 3.2 オーバーラップする面の知覚に関する2段階モデル
3.3 視差内部表現の変動と群化過程の検討
  3.3.1 要素の群化と対称構造の関係
   3.3.1.1 実験3-1要素の帰属平面の検出における対称構造の影響
Ⅰ:ターゲットが一点の場合
   3.3.1.2 実験3-2 要素の帰属平面の検出における対称構造の影
響Ⅱ:ターゲットがドット対の場合
   3.3.1.3 モデルの適用とマスキング効果 
  3.3.2 平面上の構造の識別と視差の関係
   3.3.2.1 実験3-3 2次元対称構造の検出におけるノイズ平面の影
響Ⅰ:ターゲット平面の奥行き位置が未知の場合
   3.3.2.2 実験3-4 2次元対称構造の検出におけるノイズ平面の影
響Ⅱ:ターゲット平面の奥行き位置が既知の場合 
   3.3.2.3 平面上の対称性識別課題に対する分布モデルの適用
  3.3.3 視差内部表現の変動の直接的推定
      ~等価ノイズ測定法及びBurgess et al.(1981)の方法を用い
た試み~
   3.3.3.1 実験3-5 対称構造の識別を利用した視差内部ノイズの
測定
  3.3.4 視差内部表現の変動と群化過程:モデルの妥当性と問題点
   3.3.4.1 視差内部表現の変動
   3.3.4.2 群化の基準値
 3.4 両形成過程の検討
  3.4.1 実験3-6 ギャップ解像度の測定
  3.4.2 ギャップ解像閥と面形成過程
 3.5 面形成過程におけるサンプルの大きさの推定
  3.5.1 実験3-7 オーバーラップ刺激における奥行き識別の統計的
効率 
  3.5.2 群化過程における情報損失
  3.5.3 要素数とサンプルの大きさの関係 
 3.6 オーバーラップ刺激における面知覚:本研究の成果とモデルの問題

  3.6.1 対称性と面知覚の関係
  3.6.2 モデルの問題点と今後の課題 
 3.7 第3章の要約
第4章 ノイズ空間における形態の検出~理想的観察者分析による試論~
 4.1 オーバーラップ・ノイズの背後にあるオブジェクトの認知
 4.2 ベールの背後にある面の形態識別課題
  4.2.1 刺激の作成 
  4.2.2 課題及び条件設定
 4.3 理想的観察者の設定
  4.3.1 理想的観察者の決定方略
  4.3.2 2種類の理想的観察者の設定 
 4.4 2種類の理想的観察者の成績の比較
  4.4.1 解析的手法による理想的観察者間の比較 
  4.4.2 シミュレーションによる理想的観察者間の比較
  4.4.3 課題に内在する情報損失と,群化過程の潜在的有効性
 4.5 人間の課題遂行(実験4-1)
 4.6 形態識別に関わる処理と面の分離に関わる処理の関係
 4.7 第4章の要約
第5章 オーバーラップノイズと視覚系~本研究の成果と今後の発展~
 5.1 ノイズ空間における視覚系の課題
  5.1.1 ノイズ空間における面の検出に関する研究成果
  5.1.2 ノイズ空間における形態の検出に関する研究成果
 5.2 オーバーラップ・ノイズへの視覚系の対処法
 5.3 内部ノイズへの視覚系の対処法
5.4 本研究の方法論的価値
 5.5 今後の発展
 5.6 第5章の要約
* 引用・参考文献
著者薬師神玲子 著
発行年月日1999年12月15日
頁数204頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1178-7