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認知情報処理における文脈効果と自動的処理・意識的処理

定価: 8,800 (本体 8,000 円+税)
人の認知における自動的処理と意識的処理の特徴を議論するとともに、人の認知システムが予測という性質を持っていることを明らかにすることを試みた。

【著者略歴】
川口 潤(かわぐち じゅん)
1954年 京都府に生まれる
1982年 京都大学教育学研究科博士後期課程中退
奈良女子大学文学部助手、愛知県立芸術大学音楽学部講師、助教授、名古屋大学情報文化学部助教授を経て、
現在 名古屋大学情報文化学部教授
博士(教育学)
目次を表示します。
第1部 序論
第1章 はじめに 
第2章 問題の所在
  2.1 文脈効果 
   2.1.1 文脈効果研究の流れ 
   2.1.2 同時的文脈と継時的文脈 
  2.2 同時的文脈に関する研究 
   2.2.1 単語認知と文脈 
   2.2.2 知覚 vs.反応に関する理論 
   2.2.3 Reicher手続きによる単語優位効果 
   2.2.4 単語の認知しやすさに効果をもつ単語の種々の特性 
   2.2.5 本研究における同時的文脈の研究 
  2.3 継時的文脈に関する研究 
   2.3.1 プライミング効果のモデル 
    2.3.1.1 活性化の拡散モデル(spreading activation model)
    2.3.1.2 予期集合理論(expectancy-set theory)
  2.4 注意研究 
   2.4.1 注意研究の流れ
   2.4.2 Posnerによる文字マッチング研究 
   2.4.3 プライミング効果と注意 
    2.4.3.1 文字マッチング課題を用いたプライミング研究におけ
る注意の実験的操作 
2.4.3.2 自動的処理と意識的処理
第3章 本研究の目的
第4章 実験1:疑似漢字・非漢字の作成
  4.1 漢字・疑似漢字・非漢字刺激の作成
    漢字
    疑似漢字
    非漢字A,B 
    部分刺激
  4.2 漢字・疑似漢字・非漢字刺激の評定
第2部 同時的文脈・継時的文脈に関する実験的研究
第5章 同時的文脈に関する研究
  5.1 実験2:漢字認知における同時的文脈の効果1
  5.2 実験3:漢字認知における同時的文脈の効果2 
  5.3 第5章のまとめ:同時的文脈の働きについて 
第6章 継時的文脈に関する研究
  6.1 文字マッチング課題におけるプライミング効果
   6.1.1 実験4:視覚的情報・意味的情報とプライミング効果目的
       実験4a:意識的処理の場合
       実験4b:自動的処理の場合
       実験4aおよび実験4bの考察
   6.1.2 実験5:プライム・ターゲットの時間間隔とプライミング
効果 
   6.1.3 実験4a、4b、5に関する考察
    6.1.3.1 プライミング効果における視覚的情報と意味的情報
    6.1.3.2 プライムの処理と自動的処理・意識的処理
   6.1.4 実験4a、4b、5のまとめ
  6.2 漢字を用いたプライミング効果
   6.2.1 実験6:漢字知覚における意味的プライミング効果 
   6.2.2 先行刺激に対する無意識的処理と意識的処理 
    6.2.2.1 実験7:熟語刺激を用いたプライミング効果
    6.2.2.2 実験8:反対語刺激を用いたプライミング効果
    6.2.2.3 全体的考察 
    6.2.2.4 実験7、8のまとめ 
   6.2.3 プライム刺激の瞬間提示に関する方法論的問題 
    6.2.3.1 実験9:提示時間の非常に短い場合のプライミング効果
    6.2.3.2 実験10:プライムとターゲッ卜の関係に関する被験者の判断とプライミング効果 
    6.2.3.3 実験9、10のまとめ
  6.3 第6章のまとめ:継時的文脈の働きについて 
第3部 同時的文脈・継時的文脈に関する理論的展開
第7章 同時的文脈・継時的文脈と意識のモデル
  7.1 同時的文脈効果
  7.2 継時的文脈効果
  7.3 文脈効果と自動的処理・意識的処理
第8章 プライミング現象の意味するもの
  8.1 スリップ現象に関する研究
  8.2 スリップのモデルとプライミング効果
  8.3 予測システムとしてのプライミング
第4部 総括
補遺
 logogen model 
 認知心理学における「意識」に関する議論
文献
著者川口潤 著
発行年月日1999年03月15日
頁数228頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1145-9