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日本語の単語認知における表記差効果

定価: 11,550 (本体 10,500 円+税)
本書は、欧米圏でのこれまでの単語認知研究を振り返りながら、様々な単語認知課題の成績に見られる両表記語の違いを手がかりに、日本語の単語認知過程を考察する。
目次を表示します。
第1章 序論
  第1節 視覚的単語認知の研究と表記差問題
  第2節 日本語における表記差を考えるための視点
   2-1 日本語の音韻的特徴
   2-2 漢字とかなの形態的,音韻的,意味的特徴
  第3節 欧米圏における単語認知と表記をめぐる研究の概観
   3-1 心的語彙表象と正書法
   3-2 視覚的単語認知についての考え方 
   3-3 間接的単一ルートモデル
   3-4 直接的単一ルートモデル
   3-5 二重ルートモデル 
  第4節 漢字とかなをめぐる心理的研究
   4-1 視覚的照合課題による研究
   4-2 視覚的探索課題による研究
   4-3 命名課題による研究 
   4-4 文適合性課題による研究
   4-5 同時干渉課題を用いた研究Ⅰ:構音抑制課題によるもの 
   4-6 同時干渉課題を用いた研究Ⅱ:ストループ課題によるもの 
  第5節 漢字表記譜とかな表記語の認知における表記差効果とは?
  第6節 日本語の単語認知における表記差効果に関する3つの仮説
  第7節 本研究における用語の定義,目的および構成
   7-1 用語の定義
   7-2 本研究の目的と意義 
   7-3 本論文の構成 
第2章 表記差効果の生起機序に関する同時干渉課題に基づく検討 
  第1節 本章の目的
  第2節 構音抑制課題による検討
   2-1 表記様式の異なる文の黙読と理解に及ぼす構音抑制の効果
(実験1)
  第3節 ストループ色―語干渉課題による検討
   3-1 色の命名での干渉における妨害語の表記と意味属性の役割
(実験2)
   3-2 非口頭反応での検討(実験3)
  第4節 絵画型ストループ課題による検討
   4-1 絵の命名での干渉における妨害語の表記と意味属性の役割
(実験4)
   4-2 絵の範疇化での干渉における妨害語の表記と意味属性の役割
(実験5)
   4-3 単語の命名での干渉における絵の意味属性の役割(実験6)
   4-4 単語の範疇化での干渉における絵の意味属性の役割(実験7)
  第5節 本章全体のまとめと考察
第3章 表記差効果の生起に同音異義語が果たす役割の検討 
  第1節 本章の目的
  第2節 先行文脈の有無と範疇化課題での表記差効果(実験8)
  第3節 語彙決定課題での表記差効果(実験9)
  第4節 カテゴリー成員課題での表記差効果
   4-1 同音異義語の有無と表記差効果生起の関係の再検討(実験10)
   4-2 カテゴリー名とターゲットとのSOAを短くした条件での再検討
(実験11)
   4-3 構音抑制下でのカテゴリー成員課題における表記差効果
(実験12)
第5節 音韻的プライミングおよびマスキング課題による検討
   5-1 表記の異なる単語の命名における音韻的プライミング効果
      ―音韻情報操作のためのローマ字綴りの有効性の検討―
(実験13)
   5-2 音韻的プライミング事態での単語の意味判断における表記差
効果(実験14)
   5-3 音韻的マスキング事態での単語の意味判断における表記差効果
(実験15)
第6節 本章全体のまとめと考察
第4章 表記差効果の生起機序に関する発達的検討
  第1節 本章の目的
  第2節 絵画型ストループ課題での表記差効果の発達的検討(実験16)
  第3節 ストループ色―語干渉課題での表記差効果の発達的検討
(実験17)
  第4節 本章全体のまとめと考察
第5章 本研究の総括と今後の展望 
  第1節 表記差効果に関する3つの仮説
  第2節 本研究で得られた結果と全体的考察
   2-1 知覚的処理差仮説か,意味処理差仮説か?
   2-2 音韻符号媒介仮説か,意味処理差仮説か?
   2-3 両表記語の語彙アクセス過程における音韻的符号化の位置づけ
  第3節 日本語の単語認知モデルと表記差
  第4節 表記差研究とその教育的示唆
  第5節 本研究のまとめと残された課題
引用文献
あとがき
著者林龍平 著
発行年月日1999年02月28日
頁数272頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1135-0