博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

モデリングによるルールの獲得過程に関する研究

学習者の視点を中心に

定価: 10,450 (本体 9,500 円+税)

本書は、モデリングによるルールの獲得過程を検討対象として、学びの主体者である学習者の視点から、学びの過程を詳細かつ体系的に検討したものである。

【著者略歴】
安永 悟(やすなが さとる)
1955年 大分県国東半島に生まれる
1974年 宮崎大学教育学部卒業
1985年 九州大学大学院教育学研究科博士後期課程修了(教育心理学専攻)
九州大学助手(教育学部)
1987年 久留米大学助教授(法学部)
1992年 久留米大学助教授(文学部)
1993年 博士(教育心理学)
1996年 久留米大学大学院比較文化研究科担当
現在に至る
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
まえがき
第1章 モデリングと社会的認知理論
 第1節 モデリング
  §1モデリングの定義
  §2 モデリングの下位過程
   (1)注意過程
   (2)保持過程
   (3)運動再生過程
   (4)動機づけ過程
  §3 獲得と遂行の区別
  §4 モデリングの影響範囲
   (1)社会的モデル
   (2)モデリング効果
   (3)学習の判定規準
  §5 強化理論による説明との比較
 第2節 モデリングと社会的認知理論
  §1社会的認知理論と文脈主義
   (1)文脈主義と心理学
   (2)文脈主義からみた心理学実験
   (3)Bandura理論と文脈主義
  §2 社会的認知理論の人間観
  §3 三者間相互関係説
  §4 モデリング研究の位置づけ
   (1)モデリングと三者間相互関係説
   (2)モデリングと相互作用
第2章 本研究の目的
 第1節 本研究の検討領域
  §1 ルールとモデリング
  §2 被験者
  §3 抽象モデリングの実験パラダイム
  §4 抽象モデリングの主な知見
   (1)前経験
   (2)不確定性
   (3)強化と動機づけ
   (4)反応レパートリィ
   (5)言語能力
   (6)観察回数
 第2節 問題の所在
  §1 学習者の視点の軽視
  §2 学習者からみた実験パラダイムの意味
   (1)被験者等質性の仮定
   (2)教示の影響
   (3)オペラント水準の測定の影響
   (4)前経験の検討方法
   (5)学習者要因の検討方法
 第3節 本研究の目的と構成
  §1 本研究の立場
  §2 本研究の目的
  §3 本研究の構成
   (1)章の構成
   (2)実験室の構成
第3章 課題構造の理解水準とモデリング効果の関係
 第1節 本章の目的
 第2節 テスト成績からみた理解水準の効果(実験1)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)理解水準Ⅲの結果
   (2)理解水準ⅠとⅡの結果
   (3)反応方略を用いた分析
   (4)まとめと展開
 第3節 方略使用パターンからみた理解水準の効果(実験2)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)テスト成績
   (2)観察・遂行試行の効果
 第4節 モデル観察におよぼす誤仮説の効果(実験3)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)仮説の測定結果
   (2)誤仮説数の効果
   (3)観察・遂行試行の効果
 第5節 方略使用パターンと言語能力の関係(実験4)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)教示の効果
   (2)言語能力とモデリング
第4章 前経験における不確定性とモデリング効果の関係
 第1節 本章の目的
 第2節 前テスト成績の効果(実験5)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)遂行量の変化からみた前経験の効果
   (2)ルールの判定規準とルール使用の確認
   (3)獲得ルールからみた前テスト成績の効果
 第3節 前テストの教示と成績の効果(実験6)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果
   (1)テスト成績の分析
   (2)獲得ルールの分析
  §4 考察
   (1)前テストにおよばす教示の効果
   (2)教示とモデリング効果
 第4節 不確定性の媒介効果(実験7)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果
   (1)前テスト成績による分析
   (2)不確定性による分析
   (3)媒介過程の分析
  §4 考 察
 第5節 強化内容と不確定性の効果(実験8)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果
   (1)テスト成績の分析
   (2)獲得ルールの分析
   (3)不確定性の分析
  §4 考察
   (1)強化と不確定性
   (2)獲得ルールと不確定性:P群とN群を中心に
   (3)獲得ルールと不確定性:R群とMR群を中心に
第5章 不確定性と動機づけがモデリングにおよぼす効果
 第1節 本章の目的
 第2節 観察に対する動機づけの効果(実験9)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果と考察
   (1)方略使用パターンによる分析
   (2)動機づけの変化
   (3)方略パターンと動機づけの関係
 第3節 不確定性と方略使用パターンの効果(実験10)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果
   (1)テスト成績による分析
   (2)方略使用パターンによる分析
   (3)不確定性による分析
  §4 考察
 第4節 不確定性と動機づけの関係(実験11)
  §1 目的
  §2 方法
  §3 結果
   (1)試行数の分析
   (2)方略使用パターンの分析
   (3)ビデオ録画の分析
   (4)不確定性の分析
   (5)般化テストの分析
  §4 考察
   (1)不確定性の変化
   (2)反応方略とその意識化
第6章 総括
 第1節 問題意識のまとめ
 第2節 新しい知見
  §1 本研究でえられた主な知見
   (1)前経験の効果
   (2)モデル観察に対する動機づけ
   (3)仮説検証からみたモデル観察
   (4)観察視点の意識化
   (5)不確定性とモデル観察
  §2 研究知見を理解するための図式
 第3節 概念的意義―不確定性と不確実性―
 第4節 方法論的意義
   (1)前テストの捉え直し
   (2)観察・遂行試行の導入
   (3)被験者ペースによる実験
   (4)多義的な示範行動
 第5節 教授・学習活動に対する示唆
   (1)前経験
   (2)学習者の視点
   (3)動機づけと自己ペース
引用文献
著者安永悟 著
発行年月日1998年02月28日
頁数220頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1085-8