博士論文・心理学・教育学など書籍・学術出版社|(株)風間書房

格助詞獲得の時期と過程に関する発達的研究

就学前児の二項文理解の手がかりの検討から

定価: 5,500 (本体 5,000 円+税)
就学前児の単文理解の手がかりの年齢的推移を動作法で検討し、5つの時期に区分。特に年少児の興味あるデータが得られた。統語発達の諸研究紹介にもなる好書。

【著者略歴】
瓜生淑子(うりう よしこ)
京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。京都大学博士(教育学)。
保健所非常勤発達相談員、京都教育大学非常勤講師などを経て、
現在、羽衣学園短期大学助教授。専門は発達心理学。
目次を表示します。
はじめに
第一部 研究の背景と課題
 1章 言語発達研究の流れ
  §1-1 Chomsky理論のインパクト:言語の記述から説明へ
  §1-2 Chomsky理論批判と心理学研究の独自性の主張
  §1-3 80年代以降の新たな言語獲得理論の希求
 2章 統語獲得研究の成果と課題
  §2-1統語獲得研究―産出研究から
  §2-2 統語獲得研究―理解研究から 
  §2-3 日本語獲得固有の問題:格助詞獲得の研究 
  §2-4 統語獲得を主題とする日本語理解研究の課題のまとめ
第二部 単文理解の実験的研究
 3章 実験的研究の目的と研究の構成及び方法論
  §3-1 実験的研究の目的と構成
  §3-2 方法論について(1):理解研究からアプローチする意図 
  §3-3 方法論について(2):刺激文に二項文を採用する理由とそれに
                 伴う問題点 
 4章 1・2歳児における非日常的内容の「対象語―行為語」構文
    の理解について―「ボールにマンマする」などへの反応から―
  §4-1 問題と目的
  §4-2 実験1(横断的研究)
  §4-3 実験2(縦断的研究)
  §4-4 全体的考察
  §4-5 4章の要約
 5章 幼児の「対象語―行為語」構文の理解について
     ―「人形を投げる」などへの反応から―
  §5-1 問題と目的
  §5-2 実験1(1・2歳児)
  §5-3 実験2(2歳児から5歳児)
  §5-4 全体的考察
  §5-5 5章の要約
 6章 幼児期の「対象語―行為語」構文の理解の手がかりについて
      ―格助詞ヲとニの獲得の時期的ずれの検討から―
  §6-1 問題と目的
  §6-2 実験 
  §6-3 補足実験
  §6-4 考察 
  §6-5 6章の要約
第三部 総合的考察
 7章 本研究の諸結果の総合的考察
  §7-1 単文理解の手がかりの年齢的推移
  §7-2 格助詞獲得の時期的ずれ及び獲得を準備する認知的基盤:
      対象格優先方略
  §7-3 「方略の交替説」との関連について
  §7-4 文理解の参照枠としての内的文の存在について
  §7-5 本研究で採用した方法論について 
  §7-6 本研究の意義
 8章 今後の課題
  §8-1 種々の行為語に関してデータを得る必要性
  §8-2 種々の格に関してデータを得る必要性 
  §8-3 交差言語的な研究 
  §8-4 個人差の解明
第四部 補論 
 9章 最近の言語獲得理論をめぐる論争とその評価
  §9-1 論争の背景 
      普遍文法/連続説と非連続説
  §9-2 Pinkerの主張
  §9-3 BowermanのPinker批判 
  §9-4 論争の背景にある課題
      生得説をめぐって/実証的データの必要性/誤用データをめぐ
      って/連結規則そのものの問題点
引用・参考文献
あとがき
著者瓜生淑子 著
発行年月日1997年12月15日
頁数148頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1061-2