格助詞獲得の時期と過程に関する発達的研究
就学前児の二項文理解の手がかりの検討から
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はじめに
第一部 研究の背景と課題
1章 言語発達研究の流れ
§1-1 Chomsky理論のインパクト:言語の記述から説明へ
§1-2 Chomsky理論批判と心理学研究の独自性の主張
§1-3 80年代以降の新たな言語獲得理論の希求
2章 統語獲得研究の成果と課題
§2-1統語獲得研究―産出研究から
§2-2 統語獲得研究―理解研究から
§2-3 日本語獲得固有の問題:格助詞獲得の研究
§2-4 統語獲得を主題とする日本語理解研究の課題のまとめ
第二部 単文理解の実験的研究
3章 実験的研究の目的と研究の構成及び方法論
§3-1 実験的研究の目的と構成
§3-2 方法論について(1):理解研究からアプローチする意図
§3-3 方法論について(2):刺激文に二項文を採用する理由とそれに
伴う問題点
4章 1・2歳児における非日常的内容の「対象語―行為語」構文
の理解について―「ボールにマンマする」などへの反応から―
§4-1 問題と目的
§4-2 実験1(横断的研究)
§4-3 実験2(縦断的研究)
§4-4 全体的考察
§4-5 4章の要約
5章 幼児の「対象語―行為語」構文の理解について
―「人形を投げる」などへの反応から―
§5-1 問題と目的
§5-2 実験1(1・2歳児)
§5-3 実験2(2歳児から5歳児)
§5-4 全体的考察
§5-5 5章の要約
6章 幼児期の「対象語―行為語」構文の理解の手がかりについて
―格助詞ヲとニの獲得の時期的ずれの検討から―
§6-1 問題と目的
§6-2 実験
§6-3 補足実験
§6-4 考察
§6-5 6章の要約
第三部 総合的考察
7章 本研究の諸結果の総合的考察
§7-1 単文理解の手がかりの年齢的推移
§7-2 格助詞獲得の時期的ずれ及び獲得を準備する認知的基盤:
対象格優先方略
§7-3 「方略の交替説」との関連について
§7-4 文理解の参照枠としての内的文の存在について
§7-5 本研究で採用した方法論について
§7-6 本研究の意義
8章 今後の課題
§8-1 種々の行為語に関してデータを得る必要性
§8-2 種々の格に関してデータを得る必要性
§8-3 交差言語的な研究
§8-4 個人差の解明
第四部 補論
9章 最近の言語獲得理論をめぐる論争とその評価
§9-1 論争の背景
普遍文法/連続説と非連続説
§9-2 Pinkerの主張
§9-3 BowermanのPinker批判
§9-4 論争の背景にある課題
生得説をめぐって/実証的データの必要性/誤用データをめぐ
って/連結規則そのものの問題点
引用・参考文献
あとがき