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行動と視覚的注意

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)
自動車運転時の視覚的注意に関する精緻で斬新なフィールド実験をまとめたものであり、新しい理論的モデルを提起し、自動車運転時の安全性の問題に示唆を与える。

【著者略歴】
三浦利章(みうら としあき)
1947年生まれ
1973年 名古屋工業大学卒業(人間工学専攻)
1978年 大阪大学大学院・文学研究科博士課程(心理学専攻)中退
1978年 大阪大学人間科学部助手
1987年 学術博士(大阪大学)
1989年 大阪大学人間科学部講師
1991年 大阪大学人間科学部助教授
1995年 大阪大学人間科学部教授
現在に至る
目次を表示します。
まえがき
第1部 導入
 第1章 序論
  第1節 目的および基本的姿勢
  第2節 注意研究の概観:行動的注意論の立場より 
 第2章 注視行動:当研究に関連する眼球運動、有効視野、遠近注意の知見
  第1節 注意と眼球運動の関係
  第2節 眼球運動と情報の獲得
  第3節 注視時間の規定因
  第4節 有効視野の規定因
  第5節 奥行き注意特性に関する知見
  補足
第2部 行動状況と視覚的注意の変化
 第3章 行動状況と注視様式の変化
  第1節 背景および問題の所在
  第2節 実験方法
  第3節 結果と考察
   1.全体的傾向―情報獲得の空間的枠組と注視点の分布 
   2.走行状況別の注視移動経路の質的検討
  第4節 総合論議
   1.走行状況と運転車種による情報獲得様式の変化、および安全確保の
     問題
   2.要件と注視時間との関係 
   3.行動場面と実験室実験場面での情報獲得方法の相違 
   4.まとめと新たな仮説 
 第4章 行動状況と有効視野の変化
  第1節 背景および問題の所在
  第2節 実験の概要と仮説のさらなる検討
  第3節 実験方法
  第4節 結果と考察
   1.結果を検討するに当たっての確認事項 
   2.全体的傾向―条件間の比較 
   3.走行状況および注視対象と周辺視パフォーマンスの関係 
   4.各走行条件での光点検出時の注視移動経路の検討
     ―反応時間の構成要素への分解 
  第5節 総合論議
   1.要件と周辺視パフォーマンス 
   2.中心視対象と周辺視対象の同時処理可能範囲
   3.要件の増大への対処―COGNITIVE MOMENTUMの一側面
   4.安全確保への示唆
  補足
第3部 視覚的注意の遠近移動特性
 第5章 動態での注意の遠近移動特性 
  第1節 背景および問題の所在
  第2節 目的および実験の概要
  第3節 実験方法
  第4節 結果と考察
   1.注視位置に対する標的の相対位置効果 
   2.移動条件の効果
   3.手掛かり(予備情報)の妥当性の効果
   4.注意におけるcost-benefitと移動速度の関係
   5.注意の移動・切り換え効率と移動条件の関係:
     MODE OF ATTENTIONAL SHIFT 
  第5節 結論および示唆
  補足
 第6章 ナビゲィション使用時の前方への注意特性
  第1節 背景および問題の所在
  第2節 実験の概要
  第3節 実験方法
  第4節 結果と考察
   1.危険事態の発見の全体的傾向と、ナビゲィション使用の影響の及ぶ
     時間範囲 
   2.危険事態の種類、距離等による影響の現れ方
   3.ナビゲィションの影響に関わる諸要因 
  第5節 結論および示唆
  補足
 第7章 総括:注意の生態学的妥当性
  第1節 行動状況による視覚的注意の変化
  第2節 視覚的注意の遠近移動特性
  第3節 RUBBER BAND特性と奥行き有効視野、処理の深さ
  第4節 COGNITIVE MOMENTUMと遠近注意特性
  第5節 行動の場の優位性
参考文献
付表
著者三浦利章 著
発行年月日1996年03月31日
頁数280頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0984-5