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潜在記憶研究:意味記憶の枠組みから見た直接プライミング効果

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)

直接プライミング効果を意味記憶研究の視点からとらえ直すことにより、効果の多層性という新しい実験的事実を提示し、意味記憶形成・知識形成との関係を考察する。

【著者略歴】
原田悦子(はらだ えつこ)
山口県生まれ
筑波大学第二学群人間学類、同大学院博士課程心理学研究科卒業。
1986年より日本アイビーエム㈱東京基礎研究所研究員(認知工学)、1989年より法政大学社会学部専任講師を経て、1991年より同助教授。
教育学博士
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
第Ⅰ部 問題の所在
 第1章 直接プライミング効果の現象と位置づけ
  1-1.用語の定義 
  1-2.直接プライミング効果の現象 
  1-3.直接プライミング効果の特性:エピソード記憶との相違 
  1-4.直接プライミング効果のエピソード記憶からの独立性 
  1-5.プライミング効果とエピソード記憶の共通性および関連性 
  1-6.本研究でのプライミング効果の捉え方および本研究の枠組み 
 第2章 本研究の目的と仮説
  2-1.意味記憶に基づく仮説1:活性化拡延仮説 
  2-2.意味記憶に基づく仮説2:心的辞書仮説
  2-3.意味記憶に基づく仮説3:処理の記憶仮説 
  2-4.3つの仮説の理論上の比較 
  2-5.モデルの適用範囲について 
  2-6.効果の持続性についての検討:間接プライミング効果との比較 
  2-7.効果の源泉についての検討:提示反復の効果について 
  2-8.記憶表象の抽象性について:効果の単位について 
  2-9.本研究の概要 
第Ⅱ部 実験的検討
 第3章 単語完成課題による活性化拡延仮説の検討 
  3-1.実験1:単語完成課題による直接/間接プライミング効果の比較
  3-2.方法
  3-3.結果
  3-4.考察 
 第4章 プライミング効果における提示反復の効果について 
  4-1.実験2:プライミング効果でのspacing効果 
  4-2.方法
  4-3.結果
  4-4.考察
 第5章 変換テキストの読み時間におけるプライミング効果 
  5-1.直接プライミング効果の測定方法 
  5-2.手続き的知識課題:変換テキストの読み課題と校正課題 
  5-3.実験3:日本語の変換テキスト読み課題でのプライミング効果・
 第6章 単語対を単位としたプライミング効果
  6-1.なぜ単語以上の単位を取り上げるか 
  6-2.単語以上のプライミング効果:先行研究のレビュー 
  6-3.プライミング効果の単位の測定方法 
  6-4.実験4:単語対におけるプライミング効果;単純提示の場合 
  6-5.実験5:単語対におけるプライミング効果;意味的処理課題による
         効果 
  6-6.実験6:単語対におけるプライミング効果;音韻的処理課題による
         効果 
  6-7.実験7:単語対におけるプライミング効果;統合的音韻的処理課題
         による効果 
  6-8.単語対のプライミング効果:考察
 第7章 句を単位としたプライミング効果
  7-1.実験8:句としてのプライミング効果;単純提示 
  7-2.実験9:句としてのプライミング効果;音韻的な課題 
  7-3.実験10:句としてのプライミング効果;意味的評定課題 
  7-4.実験11:句のプライミング効果はエピソード記憶で説明可能か
  7-5.句としてのプライミング効果:考察 
 第8章 音韻的な文に見られるプライミング効果
  8-1.実験12:擬似ことわざ文におけるプライミング効果 
  8-2.方法
  8-3.結果
  8-4.考察
 第9章 テキストに見られるプライミング効果
  9-1.実験13:テキスト単位のプライミング効果
  9-2.方法
  9-3.結果
  9-4.考察 
 第10章 上位のプライミング効果が与える下位のプライミング効果への
     影響
  10-1.実験14:対提示による単語単位のプライミング効果 
  10-2.実験15:句提示による単語単位のプライミング効果 
  10-3.実験16:テキスト提示での文単位のプライミング効果 
  10-4.下位の構成要素への高次単位の影響:まとめ 
第Ⅲ部 討論および今後の問題点
 第11章 意味記憶の枠組みからみたプライミング効果
  11-1.3つの実験仮説の検証:実験研究のまとめ
  11-2.プライミング効果の多層性 
  11-3.日本語と多層的プライミング効果 
  11-4.間接プライミング効果の説明への適用とその展開可能性 
 第12章 意味記憶再考
  12-1.従来の意味記憶形成研究 
  12-2.意味記憶形成と処理記憶仮説に基づくプライミング効果研究 
  12-3.説明可能な記憶モデル:並列分散処理によるモデル化の展開
      可能性
  12-4.認知単位:認知的処理の単位と意識的処理の単位
 終章 まとめと今後の展開 
  13-1.プライミング効果と今後の記憶研究 
  13-2.多層的プライミング効果仮説のもつ意味:教育方法および認知
      工学への応用
要約
参考文献
Appendix I. 実験3(変換テキスト読み課題:単語)材料一覧
AppendixⅡ. 実験8-11(名詞句)材料一覧 
AppendixⅢ. 実験12における擬似ことわざ文およびランダム文一覧
AppendixⅣ. 実験13で用いられた材料テキスト一覧
著者原田悦子 著
発行年月日1996年03月15日
頁数272頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0969-2