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子どもの社会的行動の形成に関する研究

定価: 16,500 (本体 15,000 円+税)

「子どもの社会的行動はどのように形成されるか」というテーマについて、親子関係研究から出発して、同一視理論とモデリング理論からアプローチした。

【著者略歴】
森下正康(もりした まさやす)
1942年 三重県に生まれる
1970年 京都大学大学院文学研究科博士課程修了(心理学専攻)
現在 和歌山大学教育学部教授
博士(教育心理学)
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
この論文の意義と評価(小嶋秀夫)
第1章 序論―社会的行動の形成―
 1節 親子関係研究からの出発
    1.社会的行動の形成に関する研究の意義
    2.親子関係と認知の発達
    3.親子関係とパーソナリティの発達
 2節 子どもの社会的行動と親子関係研究の視点
    1.親子間における愛着と信頼関係の形成
    2.親子関係研究の視点
 3節 本研究のアウトライン 
第2章 同一視理論の展開と課題
 1節 同一視研究
    1.精神分析における同一視の概念
    2.学習理論からの接近
    3.役割理論における同一視
    4.認知発達理論における同一視
 2節 同一視研究の問題点の整理
    1.同一視概念とその指標の吟味
    2.親子養育態度と同一視
 3節 本研究における課題:同一視研究
    1.親子間の類似性と尺度
    2.親子関係と同一視
第3章 同一視研究のための指標と尺度
 1節 親子間の類似性と同一視の指標
    1.親子間の類似性の指標
    2.対人認知における類似性研究
    3.同一視の指標としての類似性の問題
 2節 親子間の類似性に関する因子
    1.調査1 親子間の類似点と相違点
    2.調査2 親の自己像に関する因子
    3.考察
    4.要約
 3節 対人行動の因子と尺度の作成
    1.目的
    2.方法
    3.結果と考察
    4.要約
 4節 親に対する親和性と同一視欲求尺度の作成
    1.問題
    2.調査1 親和性尺度と同一視欲求尺度の作成
    3.調査2 親和性尺度と同一視欲求尺度との関連
    4.考察
    5.要約
第4章 親子関係と対人行動特性の同一視
 1節 児童の親子関係と対人行動特性の同一視
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
 2節 中学生の親子関係と対人行動特性の類似性
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
 3節 親子関係と対人行動の類似性認知
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
第5章 同一視理論からモデリング理論へ
 1節 同一視理論とモデリング理論
    1.同一視研究の限界とモデリング
    2.モデリング理論の展開
 2節 モデリングに関する新しい理論モデル
    1.理論モデルの概要
    2.モデリングの認知過程
 3節 モデリングにおける重要な要因
    1.複数のモデル行動
    2.モデルと子どもとの関係の要因
    3.観察者としての子どもの要因
第6章 社会的行動のモデリングと課題
 1節 攻撃行動とモデリング
    1.フラストレーションと攻撃行動
    2.攻撃行動のモデリング
    3.親子関係と攻撃行動のモデリング
 2節 向社会的行動とモデリング
    1.親の態度と向社会的行動
    2.人間関係と向社会的行動のモデリング
    3.共感性と向社会的行動のモデリング
 3節 本研究における課題:モデリング研究
    1.攻撃行動と向社会的行動のモデリング
    2.モデルと子どもとの関係
    3.モデリングにおける子どもの個体的要因
第7章 幼児の人間関係と社会的行動のモデリング
 1節 親子関係と社会的行動のモデリング
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
 2節 幼児と教師の関係と社会的行動のモデリング
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
 3節 親和関係と状況変数がモデリングにおよぼす影響
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
第8章 子どもの個体的要因とモデリング
 1節 援助行動のモデリングにおよぼす共感性の効果
    1.問題
    2.予備調査
    3.本実験
    4.考察
    5.要約
 2節 自己強化のモデリングにおよぼす複数モデルと自己評価の効果
    1.目的
    2.方法
    3.結果
    4.考察
    5.要約
第9章 総合的考察
 1節 人間関係と同一視
    1.同一視欲求と同一視
    2.親子関係と同一視
 2節 人間関係とモデリング
    1.モデリングを規定する人間関係
    2.理論モデルの検討
 3節 パーソナリティの自己形成
    1.パーソナリティとモデリング
    2.パーソナリティ形成と人間の主体性
第10章 本論文の要約
引用文献
あとがき
著者森下正康 著
発行年月日1996年02月15日
頁数344頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0961-6