孤独感に関する社会心理学的研究
原因帰属および対処方略との関係を中心として
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まえがき
第Ⅰ章 問題の所在
第1節 心理学的現象としての孤独感
1.孤独感の定義
2.孤独感の次元と測定
(1)単一次元的アプローチ
(2)多次元的アプローチ
(3)孤独感の次元性
第2節 孤独感の理論的モデル:「認知的くいちがい」モデル
1.「認知的くいちがい」モデル
2.「認知的くいちがい」モデルの適用例:老年期における孤独感
(1)老年期
(2)老年期における孤独感への「認知的くいちがい」モデルの適用
3.「認知的くいちがい」モデルの意義と限界
第3節 UCLA孤独感尺度の検討
1.UCLA孤独感尺度
2.改訂UCLA孤独感尺度
3.わが国における改訂UCLA孤独感尺度の使用
4.改訂UCLA孤独感尺度得点の性差
5.弁別的妥当性:孤独感とうつとの関係
6.尺度評定上のバイアス:社会的承認要求の影響
7.まとめ
第4節 本論文の目的
第Ⅱ章 孤独感に関する先行諸研究の検討
第1節 対人認知および対人行動
1.自己認知
(1)一般的な自己評価
①孤独感と自尊心
②孤独感と自尊心との関係における性差
③孤独者の低自尊心に関する認知処理的解釈
(2)不安
(3)社会的技能の自己評価
2.他者に関する認知
(1)対人的環境の評価
(2)対人的環境のモニター
①自己への注意
②セルフ・モニタリング傾向
③青年期における孤独感と自己意識
(3)相互作用パートナーの認知
3.現実の相互作用
(1)自己開示
(2)会話傾向
(3)他者への同調
(4)他者への攻撃
(5)他者の情動の推測能力
4.他者による認知
(1)相互作用後の評価
(2)日常的人気
(3)社会的技能
(4)他者への情動伝達能力
5.まとめ
第2節 社会的ネットワーク
1.対人的動機づけ
(1)対人的動機づけ
(2)対人場面に対する不安
(3)自己開示動機
2.社会的ネットワーク
(1)社会的ネットワークとの接触と満足
(2)社会的ネットワークの構造的特徴
(3)社会的支援
①孤独感と社会的支援
②社会的欲求充足因
③特殊状況下での社会的支援
3.まとめ
第3節 生活事態変化
1.生活事態変化
2.生活事態変化に伴う孤独感
(1)大学新入生における孤独感変化
(2)高校新入生における孤独感変化
(3)大学生における孤独感変化:1年間の調査
3.まとめ
第4節 対人的経過としての孤独感に関する諸モデル
1.社会的技能モデル
2.対人的役割モデル
3.社会的ネットワークモデル
4.まとめ
第5節 孤独感の慢性化過程に関するモデルの提起
第Ⅲ章 孤独感におよぼす原因帰属および対処方略の影響に関する実証的研究
第1節 孤独感,原因帰属,および対処方略
1.Weiner(1986)の原因帰属理論
2.孤独感に関する原因帰属および対処方略
第2節 大学生における孤独感と原因帰属
1.研究方法
2.方法
(1)被験者および質問紙の実施
(2)質問紙の構成
3.結果
(1)孤独感と自尊心
①孤独感尺度
②自尊心尺度
(2)孤独感に関する原因帰属の因子的構造
①原因帰属項目尺度に関する因子分析
②原因次元尺度に関する因子分析
(3)孤独感水準におよぼす原因帰属の影響
①重回帰分析
②孤独感の慢性化と原因帰属
(4)原因帰属因子と原因次元因子との関係
(5)コモナリティ分析(commonality analysis)
4.考察
(1)孤独感に関する原因帰属の因子的構造
(2)孤独感水準におよぼす原因帰属の影響
(3)具体的対象への帰属と抽象的次元での帰属
(4)孤独感と自尊心
第3節 大学生における孤独感と対処方略
1.研究目的
2.方法
(1)被験者および質問紙の実施
(2)質問紙の構成
3.結果
(1)孤独感と自尊心
①孤独感尺度および自尊心尺度の検討
②尺度得点
③孤独感および自尊心の安定性
④孤独感と社会的承認欲求
(2)対処方略
①対処方略尺度の因子分析
②対処方略因子の安定性
③対処方略項目平均値における性差
(3)孤独感水準におよぼす対処方略の影響
①重回帰分析
②孤独感の慢性化と対処方略
4.考察
(1)孤独感と自尊心
(2)孤独感水準におよぼす対処方略の影響
第4節 大学生における孤独感変化の様態,原因帰属,および対処方略
1.研究目的
2.方法
(1)被験者および質問紙の実施
(2)質問紙の構成
3.結果
(1)孤独感尺度の検討と孤独感変化指標の算出
①孤独感尺度の信頼性
②孤独感変化指標の算出
(2)原因帰属および対処方略に関する下位尺度の信頼性
(3)孤独感変化の様態におよぼす原因帰属および対処方略の影響
①原因帰属因子
②原因次元因子
③対処方略因子
(4)原因帰属と対処方略
①原因帰属因子と対処方略因子
②原因次元因子と対処方略因子
4.考察
(1)孤独感変化指標
(2)孤独感変化の様態におよぼす原因帰属の影響
(3)孤独感変化の様態におよぼす対処方略の影響
(4)原因帰属と対処方略
第Ⅳ章 本研究の結論と今後の課題
第1節 実証的研究の全体的考察と孤独感の慢性化モデルの妥当性
第2節 残された課題
第3節 孤独感研究の発展:結語に代えて
1.孤独感の臨床的治療
2.日常生活における孤独感の克服
3.社会心理学と臨床心理学の統合の試みとしての孤独感研究
引用文献