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生物概念の獲得と変化

幼児の「素朴生物学」をめぐって

定価: 9,900 (本体 9,000 円+税)
ピアジェやケアリの主張と異なり、就学前の幼児が既に「素朴生物学」をもち知的に洗練された推論を行なうことを数々の実験により解明した最新の概念発達研究の書。

【著者略歴】
稲垣佳世子(いながき かよこ)
1967年 お茶の水女子大学文教育学部卒業
1969年 同大学大学院修士課程修了 博士(人文科学)
現在 千葉大学教育学部教授
専攻 発達心理学、幼児教育学
目次を表示します。
第1章 問題:幼児は「生物学」を持っているか?
第2章 生物と無生物を区別できるか?
    生物学的属性付与の発達的変化(実験2-1)
    植物と無生物の区別(実験2-2)
    結論
第3章 人間との類推による動植物の理解 
    擬人化による類推の存在とその効用(実験3-1)
    擬人化による類推を抑制する要因(実験3-2)
    擬人化による類推の効用と限界(実験3-3)
    一般的討論 
第4章 飼育動物についての知識を使った類推 
    飼育動物との類推による未知の動物の理解(実験4-1)
    飼育動物との類推と人間との類推の併用の効果(実験4-2)
    結論 
第5章 非意図的な因果的説明 
    制御可能性からみた心と体の働きの区別(実験5-1)
    身体機能についての説明の発達(実験5-2)
    生気論的因果による説明への選好(実験5-3)
    生物学的現象と心理的現象に対する因果的説明の弁別的適用
   (実験5-4)
    結論 
第6章 幼児期以降の発達
    人間との類似性に基づく推論様式の発達的変化:
     集団データの分析(実験6-1)
     個人データの分析(実験6-2)
    カテゴリ内の類似性の効果(実験6-3)
    成人における類似性に基づく推論(実験6-4)
    結論
第7章 結論
    実験結果の要約
    幼児の日常的生物学の特徴:利点と限界
    教育への示唆 

引用文献
生物概念研究の最前線―あとがきにかえて
謝辞
著者稲垣佳世子 著
発行年月日1995年01月20日
頁数202頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0909-8