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眼球運動と空間定位

定価: 17,600 (本体 16,000 円+税)

眼を動かしても、なぜ外界は静止して見えるのか?ヘルムホルツに遡る心理学上の難問の実証的解明。人間の様々な眼球運動の特性、その視知覚との関係も詳細に解説。

【著者略歴】
本田仁視(ほんだ ひとし)
1948年 福島県に生まれる
1972年 東北大学文学部卒業
1978年 東北大学大学院文学研究科博士課程中退
東北大学文学部助手、新潟大学人文学部助手、助教授を経て、
現在 新潟大学人文学部教授。博士(文学)(東北大学)
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
第1章 眼球運動の種類とその一般的特性
 第1節 眼球運動の種類
   1.補償性眼球運動
   2.随意性眼球運動
   3.微細眼球運動
 第2節 サッケード眼球運動
   1.一般的特性
   2.サッケードの潜時
   3.サッケードの振幅
   4.サッケードの持続時間および速度
 第3節 追跡眼球運動
   1.一般的特性
   2.追跡眼球運動生起のための刺激
   3.追跡眼球運動の速度
   4.薬物、アルコール、中枢系の障害と追跡眼球運動
 第4節 幅捧・開散眼球運動
   1.非共輌眼球運動の種類
   2.視差性編棒と調節性編棒
   3.幅輳眼球運動の諸特性
   4.幅輳とサッケードの結合
第2章 眼球位置情報
 第1節 位置の恒常性に関する諸理論
   1.相殺説
   2.サッケード抑制説
   3.MacKayの評価説
   4.Bridgemanの順応説
 第2節 眼球位置情報をめぐる古典的論争
   1.中枢起源説
   2.末梢起源説
 第3節 眼球位置情報の起源に関する理論的、実験的研究
   1.中枢起源説の理論的根拠
   2.眼球位置情報の起源に関する実験的研究
第3章 研究方法上の基本的問題
 第1節 定位方法の問題
   1.視覚的定位と運動的定位
   2.自己中心的定位と自己外部的定位
   3.2つの視覚処理様式
   4.運動定位反応における偏位誤差
 第2節 眼球運動の記録法に関するコメント
   1.眼球運動記録のための諸法
   2.鞏膜反射法の試作と改良
   3.眼球運動の記録におけるキャリブレーション
第4章 同視時の空間定位
 第1節 固視時の視覚的定位
   1.周辺注視条件での正中線、および「眼の高さ」の定位
   2.眼球への機械的圧に対する眼球位置の保持と空間定位
   3.継時的に提示された2つの視覚標的の位置判断
 第2節 固視時の運動的定位
   1.暗中における同視の正確さ
   2.中断された固視の再生
第5章 サッケードと空間定位 Ⅰ
 第1節 サッケードで捕捉された標的の視覚的定位
   1.先行研究
   2.実験的検討
     2-1.サッケードで捕捉された標的までの距離判断
     2-2.実験的検討のまとめ
 第2節 サッケードで捕捉された標的の運動的定位
   1.先行研究
   2.実験的検討
     2-1.サッケードで捕捉された標的に対する指差し反応
     2-2.複数のサッケードで捕捉された標的に対する指差し反応
     2-3.実験的検討のまとめ
 第3節 サッケード時に瞬間提示された標的の視覚的定位
   1.暗中で瞬間提示された標的の定位:先行研究
   2.暗中で瞬間提示された標的の定位:実験的検討
     2-1.サッケード中に瞬間提示された標的の視覚的定位
     2-2.サッケード実行中およびその前後に瞬間提示された標的の視覚的定位
     2-3.垂直サッケード時に瞬間提示された標的の視覚的定位
     2-4.実験的検討のまとめ
   3.明るい背景上に提示された標的の定位:先行研究
   4.明るい背景上に提示された標的の定位:実験的検討
     4-1.実験的検討
     4-2.実験的検討のまとめ
   5.サッケード時の定位の誤りと位置の恒常性
 第4節 サッケード時に瞬間提示された標的の運動的定位
   1.ハンマー打ちによる定位
   2.サッケード眼球運動による定位:先行研究
   3.サッケード眼球運動による定位:実験的検討
     3-1.サッケード中に瞬間提示された標的に対するサッケード
        反応
     3-2.サッケード実行中およびその前後に瞬間提示された
        標的に対するサッケード反応
     3-3.実験的検討のまとめ
   4.運動的定位に対する視覚的定位の優位性
第6章 サッケードと空間定位 Ⅱ
 第1節 サッケードと視覚
   1.サッケード抑制
   2.サッケードと運動視
   3.サッケード抑制および運動視の抑制と位置の恒常性
 第2節 サッケードの生起機構をめぐる問題
   1.サッケードはバリステックか
   2.網膜再現モデルと空間モデル
   3.サッケードのプログラミングにおける並列処理
   4.修正サッケードをめぐる問題
   5.サッケードの生起機構と空間定位
第7章 追跡眼球運動と空間定位 
 第1節 追跡眼球運動で追祝した標的の視覚的定位
   1.先行研究
   2.実験的検討
     2-1.追跡眼球運動で追祝した距離の視覚的判断(1)
     2-2.追跡眼球運動で追視した距離の視覚的判断(2)
     2-3.実験的検討のまとめ
 第2節 追跡眼球運動で追祝した標的の運動的定位
   1.先行研究
   2.実験的検討
     2-1.追跡眼球運動で追祝した標的に対する指差し反応(1)
     2-2.追跡眼球運動で追祝した標的に対する指差し反応(2)
     2-3.実験的検討のまとめ
   3.追跡眼球運動と自己中心的定位
 第3節 追跡眼球運動中に瞬間提示された標的の視覚的定位
   1.追跡眼球運動中に提示された2つの視覚刺激による仮現運動
   2.追跡眼球運動中に瞬間提示された標的の視覚的定位
第8章 定位行動と視覚情報
 第1節 運動コントロールにおける視覚処理時間
   1.視覚処理時間に関する古典的研究
   2.視覚処理時間に関する最近の研究
   3.視覚情報の提示時期に関する問題
 第2節 両手の機能差と視覚フィードバック情報
   1.先行研究
   2.実験的検討
     2-1.両手同時のトレース課題時の眼球運動
     2-2.両手同時の狙準課題における眼球運動(1)
     2-3.両手同時の狙準課題における眼球運動(2)
     2-4.両手同時の狙準課題における眼球運動(3)
     2-5.両手の機能差と眼球位置情報
     2-6.実験的検討のまとめ

 引用文献
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著者本田仁視 著
発行年月日1994年02月28日
頁数312頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0886-2