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成人期における自我同一性の発達過程とその要因に関する研究

定価: 18,700 (本体 17,000 円+税)
ライフサイクル全般にわたるアイデンティティの発達過程と危機解決に関わる要因を分析。「アイデンティティのラセン的発達モデル」を提唱したパイオニア的研究書。

【著者略歴】
岡本祐子(おかもと ゆうこ)
1954年 広島県に生まれる
1978年 広島大学教育学部心理学科卒業
1980年 広島大学大学院教育学研究科博士課程前期修了
1983年 広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位取得
1991年 教育学博士(広島大学)
現在 広島大学教育学部助教授
目次を表示します。
序にかえて
第Ⅰ部 成人期の発達と自我同一性に関する研究の展望とその問題点
 第1章 成人発達研究の意義と「発達」の概念
  第1節 成人発達研究の意義
  第2節 「発達」の概念と理論
  第3節 成人期の定義と成人発達研究の課題
 第2章 成人期の発達に関する理論
  第1節 生涯発達の概念と思想
  第2節 初期の成人発達研究
  第3節 最近の成人発達研究
 第3章 成人期に見られる諸変化と危機期
  第1節 中年期
  第2節 老年期への移行期
 第4章 成人期の自我同一性研究の現状
  第1節 Eriksonの自我同一性理論と発達的危機の概念
  第2節 自我同一性ステイタス論
  第3節 成人を対象とした自我同一性発達に関する研究
  第4節 成人期の自我同一性発達における女性特有の問題
 第5章 成人期の自我同一性発達にかかわる問題の所在
  第1節 本研究の理論的立場および目的
  第2節 本論文の構成
第Ⅱ部 成人期における自我同一性の発達過程とその要因に関する研究報告
 第6章 成人期の心理・社会的発達過程
  第1節 成人期の各年齢期における意識変化の特徴Ⅰ:横断的研究
     (研究1)
   1.問題および目的
   2.予備調査
   (1)目的 (2)方法 (3)結果
   3.本調査
   (1)目的 (2)方法
   (3)結果と考察   1)成人期における安定期と不安定期
             2)各年齢期の特徴
             3)性差
   (4)全体的考察と今後の課題
  第2節 成人期の各年齢期における意識変化の特徴Ⅱ:回想法による研究(研究2)
   1.問題および目的
   2.方法
   3.結果および考察
 第7章 中年期の自我同一性発達と危機
  第1節 中年期における自我同一性危磯と自我同一性発達過程の分析
(研究3-1)
   1.問題および目的
   2.予備調査
   (1)目的 (2)方法 (3)結果と考察
   3.本調査
   (1)目的 (2)方法
   (3)結果と考察   1)中年期の心理的変化の特徴
             2)中年期の自我同一性展開の過程
            3)中年期危機の解決・未解決から見た中年期の自我同一性ステイタス
  第2節 成人期における自我同一性ステイタスの発達経路の分析(研究3-2)
  1.問題および目的
   2.方法
   3.結果および考察
   (1)中年期から回想された青年期の自我同一性ステイタス
   (2)青年期以降の自我同一性の展開過程
   (3)中年期の自我同一性ステイタス
   (4)成人期の自我同一性ステイタスの発達・変化経路
   (5)青年期以降の自我同一性発達過程:研究1・研究2との比較検討
   (6)今後の課題
第8章 中年期の自我同一性危機の病理:心理療法過程に見られた中年期危機と自我同一性の成熟(研究4)
1. はじめに
2. 症例K
3. 症例T
   4.考察
   (1)症例Kの中年期危機と自我同一性の再体制化
   (2)症例Tの自我同一性危機と再体制化
   (3)症例K・症例Tに見られた自我同一性危機の特徴
第9章 成人女性の自我同一性発達と危機:ライフスタイル,職業・育児への関与と自我同一性達成の関連性の検討(研究5)
   1.問題および目的
   2.方法
   3.結果および考察
   (1)ライフスタイル,青年期の進路選択,職業・育児への関与と自我
同一性達成の関連性
   (2)ライフスタイル,青年期の進路選択,職業・育児への関与と性役
割特性の関連性
   (3)ライフスタイル,青年期の進路選択,職業・育児への関与と生活
の諸側面に対する満足度との関連性
   (4)全体的考察と今後の課題
第10章 定年退職期の自我同一性発達と危機
  第1節 問題および目的
  第2節 定年退職認知タイプから見た定年退職危機の分析(研究6-1)
1.目的
2.方法
3.結果   (1)定年退職認知タイプ
(2)定年退職の前と後におけるタイプの変化
(3)各タイプの自我同一性SCTの特徴
   4.考察
第3節 定年退職危機の解決に関連する要因の分析(研究6-2)
1. 問題および目的  
2. 方法
3. 結果   (1)自我同一性尺度(E.I.S.)得点の分析
          (2)自我境能調査票(E.F.I.)得点の分析
   4. 考察   (1)各ステイタスのE.I.S.およびE.F.I.得点について
          (2)定年退職危磯の解決にかかわる要因
第11章 結論
  第1節 本研究から得られた知見
   1.成人期における自我同一性の発達過程
   2.自我同一性の成熟にかかわる要因
  第2節 今後の研究課題
補章 老年期の自我同一性発達と危機
  第1節 高齢者の死の受容と自我同一性達成の関連性の検討(研究7)
  1.問題および目的
   2.方法
   3.結果および考案
   (1)高齢者の死の認知タイプ
(2)死の認知タイプと精神的充足感の関連性
   (3)死の認知タイプとE.I.S.得点の関連性
  (4)死の認知タイプとE.F.I.得点の関連性
  (5)全体的考察
第2節 高齢者の精神的充足感形成にかかわる要因の分析(研究8)
1. 問題および目的
2. 方法
3. 結果および考察
(1) 一般高齢者の精神的充足感獲得の実態およびそれにかかわる
外的要因
(2)生活の諸側面に対する満足感と精神的充足感の関連性
(3)活動や意識に関する主体的欲求と精神的充足感の関連性
(4)全体的考察
第3節 今後の課題
引用文献
資料
1.研究1 質問紙
2.研究3-1 予備調査 質問紙
3.研究3-1,研究3-2 
中年期危機に関する面接調査質問項目
4.研究5 質問紙
5.研究6 質問紙
6.研究7 SCT刺激項目
7.研究8 質問紙
著者岡本祐子 著
発行年月日1994年02月28日
頁数334頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0882-4