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幼児言語における語順の心理学的研究

幼児言語における語順の心理学的研究

定価: 13,200 (本体 12,000 円+税)
言語発達を「語順」という視点から検討した本書は、基礎資料としての詳細な発話分析を提供するとともに、単文構造での新しい発達4段階説を提唱。
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目次を表示します。
第1章 序文
 1.本論文作成までの経過
 2.本論文の意義 
 3.「作製」という用語について
 4.本論文の元になった諸論文
第2章 研究の歴史的背景Ⅰ:言語発話研究をめぐって
Ⅰ 生成文法以前の観察記述的研究
 Ⅱ 生成文法に刺激された、形式的分布分析による研究
  1.Brown達の研究
  2.Braineの軸文法
 Ⅲ 生成文法に刺激された、意味的・統語的分析による研究
  1.Schlesingerのモデル
  2.Bloomのモデル
第3章 研究の歴史的背景Ⅱ:言語理解をめぐって
Ⅰ 派生による複雑度の理論
1.Mehlerの研究
  2.Savin and Perchonockの研究
Ⅱ 知覚のストラテジー論
1.「派生による複雑度の理論」批判I:Epsteinの研究
  2.「派生による複雑度の理論」批判Ⅱ:Fodor達の主張
  3.Beverの「知覚のストラテジー論」
  4.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅰ:Strohner達の研究
  5.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅱ:Sinclair達の研究
  6.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅲ:鈴木の研究
  7.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅳ:林部の研究
第4章 研究の理論的背景
Ⅰ 心理学におけるモデルの必要性
 Ⅱ 言語発達研究におけるモデルの必要性
   :記述中心の研究からモデルを考慮した研究へ
 Ⅲ 一つのモデル論としてのChomsky理論の意味
 Ⅳ 2種の研究の必要性
第5章 研究の目的と位置づけ
第6章 発話に関する研究1:ジローの縦断的研究①
(他動詞文を中心として)
 Ⅰ 研究の背景
 Ⅱ 研究の目的
 Ⅲ 資料収集の方法
  1.被験児
  2.録音時期と録音時間
  3 録音場面
  4.接触者
  5 留意点
 Ⅳ 結果
  1.全発話
  2.文型の変化と基本語順
  3.「ガ格」と「ヲ格」の位置関係
 Ⅴ 考察
 Ⅵ 要約
第7章 発話に関する研究2:幼児言語において発話文法は可能か?
 Ⅰ 心理言語学の流れ
Ⅱ 発話研究にとっての前提
Ⅲ 一次的言語資料
Ⅳ 単純文法 
Ⅴ 観察的妥当性から記述的妥当性へ
Ⅵ 語順中心の文法Ⅰ:軸文法
Ⅶ 語順中心の文法Ⅱ:格関係基軸文法
Ⅷ 語順中心文法の問題点 
1.語順中心文法の欠点Ⅰ:語順決定が困難であるという点
  2.語順中心文法の欠点Ⅲ:語順の不安定、また存在しない時期が存在す
るという点
 Ⅸ 多層文法
  1.共通部分
  2.深層構造
  3.表層構造
  4.記述例
 Ⅹ 要  約
第8章 発話に関する研究3:ジローの縦断的研究②
(他動詞以外の述語での分析)
Ⅰ 研究の背景と目的
 Ⅱ 研究の方法
  1.分析の対象となった述語
  2.被験児
  3.録音時期と録音時間
  4.録音場面
  5.子供に接する人物
  6.録音時の留意点
 Ⅲ 結果
1.資料の分析や文法の作製に際して、考慮する必要のある諸点
  2.各述語における文型の変化
  3.論理要素の増加
  4.表層語の語順
Ⅳ 考察
  1.語順傾向
  2.論理要素の増加傾向
Ⅴ 結論と要約
第9章 発話に関する研究4:5人の子供における他動詞文の語順
 Ⅰ 研究の背景と目的 
  1.子供の発話における語順:Schlesingerの位置規則
  2.幼児における文法の試み:多層文法
Ⅱ 資料収集の方法
Ⅲ 結果
  1.他動詞文を選んだ理由
  2.動詞選択の方法
  3.「ガ格」と「ヲ格」と動詞の位置関係
  4.各被験児の特徴
 Ⅳ 考  察
  1.5人の子供における語順傾向
  2.Schlesinger文法の妥当性
  3.多層文法の可能性
 Ⅴ 要約
第10章 言語理解に関する研究:日本語児における語順・格ストラテジー
について
Ⅰ 研究の背景
Ⅱ 研究の目的
Ⅲ 実験Ⅰ(カード実験)の方法
  1.被験児
  2.実験時期
  3.カード
  4.動物と刺激文
  5.手続き
Ⅳ 実験Ⅰの結果
1.年齢
  2.動詞
  3.格助詞
Ⅴ 実験Ⅱ(動作実験)の方法
  1.被験児
  2.動詞と刺激文
  3.手続き
Ⅵ 実験Ⅱの結果
  1.年齢
  2.動詞
  3.語順
  4.格助詞の位置
  5.格助詞の数
  6.格助詞の違い
Ⅶ 両実験結果の関連
  1.相関
  2.間違いの分析
Ⅷ 考察
 1.格助詞を手がかりとした反応がはじまる時期
2.格助詞による反応が生じる前になんらかの意味的関係の理解が生
じている
  3.語順ストラテジーと格ストラテジーの関係
  4.動詞による違い
 Ⅸ 要約と結論
第11章 本研究の総合的考察
 Ⅰ 本研究の流れ
 Ⅱ 5つの研究での結果の要点
  1.研究1(第6章)の要点
  2.研究2(第7章)の要点
  3.研究3(第8章)の要点
  4.研究4(第9章)の要点
  5.研究5(第10章)の要点
 Ⅲ 本研究から予想される言語発達と文法
  1.予想される言語発達
  2.文法との関連
 Ⅳ 実証的資料の必要
 Ⅴ 3つの困難
  1.子供の言語能力は、直接本人にたずねるわけにはいかない
  2.子供は発達し、変化してしまう
  3.言語発達は、精密で、複雑な形で進行する
 Ⅳ 今後の課題:共通部分と相違部分
第12章 本研究の要約
Ⅰ 研究の歴史的背景:第2章、第3章 
  1.「観察記述的研究」の時期
2.心理学的1モデルとしての、Chomskyの言語理論(変形生成文法理
論) に影響された、現在に至る時期
  3.形式的分布分析による研究から意味・統語的視点をもった研究へ
  4.派生の複雑度による研究から知覚のストラジーの研究へ
Ⅱ 研究の理論的背景:第4章
Ⅲ 研究の目的と位置づけ:第5章
Ⅳ 言語発話に関する研究‥第6章、第7章、第8章、第9章
Ⅴ 言語理解に関する研究:第10章
Ⅵ 総合的考察:第11章
文献
あとがき
申し訳ございませんが、只今品切れ中です。
著者岩立志津夫 著
発行年月日1994年02月28日
頁数260頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-0881-7