幼児言語における語順の心理学的研究
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第1章 序文
1.本論文作成までの経過
2.本論文の意義
3.「作製」という用語について
4.本論文の元になった諸論文
第2章 研究の歴史的背景Ⅰ:言語発話研究をめぐって
Ⅰ 生成文法以前の観察記述的研究
Ⅱ 生成文法に刺激された、形式的分布分析による研究
1.Brown達の研究
2.Braineの軸文法
Ⅲ 生成文法に刺激された、意味的・統語的分析による研究
1.Schlesingerのモデル
2.Bloomのモデル
第3章 研究の歴史的背景Ⅱ:言語理解をめぐって
Ⅰ 派生による複雑度の理論
1.Mehlerの研究
2.Savin and Perchonockの研究
Ⅱ 知覚のストラテジー論
1.「派生による複雑度の理論」批判I:Epsteinの研究
2.「派生による複雑度の理論」批判Ⅱ:Fodor達の主張
3.Beverの「知覚のストラテジー論」
4.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅰ:Strohner達の研究
5.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅱ:Sinclair達の研究
6.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅲ:鈴木の研究
7.「知覚のストラテジー」に関する研究Ⅳ:林部の研究
第4章 研究の理論的背景
Ⅰ 心理学におけるモデルの必要性
Ⅱ 言語発達研究におけるモデルの必要性
:記述中心の研究からモデルを考慮した研究へ
Ⅲ 一つのモデル論としてのChomsky理論の意味
Ⅳ 2種の研究の必要性
第5章 研究の目的と位置づけ
第6章 発話に関する研究1:ジローの縦断的研究①
(他動詞文を中心として)
Ⅰ 研究の背景
Ⅱ 研究の目的
Ⅲ 資料収集の方法
1.被験児
2.録音時期と録音時間
3 録音場面
4.接触者
5 留意点
Ⅳ 結果
1.全発話
2.文型の変化と基本語順
3.「ガ格」と「ヲ格」の位置関係
Ⅴ 考察
Ⅵ 要約
第7章 発話に関する研究2:幼児言語において発話文法は可能か?
Ⅰ 心理言語学の流れ
Ⅱ 発話研究にとっての前提
Ⅲ 一次的言語資料
Ⅳ 単純文法
Ⅴ 観察的妥当性から記述的妥当性へ
Ⅵ 語順中心の文法Ⅰ:軸文法
Ⅶ 語順中心の文法Ⅱ:格関係基軸文法
Ⅷ 語順中心文法の問題点
1.語順中心文法の欠点Ⅰ:語順決定が困難であるという点
2.語順中心文法の欠点Ⅲ:語順の不安定、また存在しない時期が存在す
るという点
Ⅸ 多層文法
1.共通部分
2.深層構造
3.表層構造
4.記述例
Ⅹ 要 約
第8章 発話に関する研究3:ジローの縦断的研究②
(他動詞以外の述語での分析)
Ⅰ 研究の背景と目的
Ⅱ 研究の方法
1.分析の対象となった述語
2.被験児
3.録音時期と録音時間
4.録音場面
5.子供に接する人物
6.録音時の留意点
Ⅲ 結果
1.資料の分析や文法の作製に際して、考慮する必要のある諸点
2.各述語における文型の変化
3.論理要素の増加
4.表層語の語順
Ⅳ 考察
1.語順傾向
2.論理要素の増加傾向
Ⅴ 結論と要約
第9章 発話に関する研究4:5人の子供における他動詞文の語順
Ⅰ 研究の背景と目的
1.子供の発話における語順:Schlesingerの位置規則
2.幼児における文法の試み:多層文法
Ⅱ 資料収集の方法
Ⅲ 結果
1.他動詞文を選んだ理由
2.動詞選択の方法
3.「ガ格」と「ヲ格」と動詞の位置関係
4.各被験児の特徴
Ⅳ 考 察
1.5人の子供における語順傾向
2.Schlesinger文法の妥当性
3.多層文法の可能性
Ⅴ 要約
第10章 言語理解に関する研究:日本語児における語順・格ストラテジー
について
Ⅰ 研究の背景
Ⅱ 研究の目的
Ⅲ 実験Ⅰ(カード実験)の方法
1.被験児
2.実験時期
3.カード
4.動物と刺激文
5.手続き
Ⅳ 実験Ⅰの結果
1.年齢
2.動詞
3.格助詞
Ⅴ 実験Ⅱ(動作実験)の方法
1.被験児
2.動詞と刺激文
3.手続き
Ⅵ 実験Ⅱの結果
1.年齢
2.動詞
3.語順
4.格助詞の位置
5.格助詞の数
6.格助詞の違い
Ⅶ 両実験結果の関連
1.相関
2.間違いの分析
Ⅷ 考察
1.格助詞を手がかりとした反応がはじまる時期
2.格助詞による反応が生じる前になんらかの意味的関係の理解が生
じている
3.語順ストラテジーと格ストラテジーの関係
4.動詞による違い
Ⅸ 要約と結論
第11章 本研究の総合的考察
Ⅰ 本研究の流れ
Ⅱ 5つの研究での結果の要点
1.研究1(第6章)の要点
2.研究2(第7章)の要点
3.研究3(第8章)の要点
4.研究4(第9章)の要点
5.研究5(第10章)の要点
Ⅲ 本研究から予想される言語発達と文法
1.予想される言語発達
2.文法との関連
Ⅳ 実証的資料の必要
Ⅴ 3つの困難
1.子供の言語能力は、直接本人にたずねるわけにはいかない
2.子供は発達し、変化してしまう
3.言語発達は、精密で、複雑な形で進行する
Ⅳ 今後の課題:共通部分と相違部分
第12章 本研究の要約
Ⅰ 研究の歴史的背景:第2章、第3章
1.「観察記述的研究」の時期
2.心理学的1モデルとしての、Chomskyの言語理論(変形生成文法理
論) に影響された、現在に至る時期
3.形式的分布分析による研究から意味・統語的視点をもった研究へ
4.派生の複雑度による研究から知覚のストラジーの研究へ
Ⅱ 研究の理論的背景:第4章
Ⅲ 研究の目的と位置づけ:第5章
Ⅳ 言語発話に関する研究‥第6章、第7章、第8章、第9章
Ⅴ 言語理解に関する研究:第10章
Ⅵ 総合的考察:第11章
文献
あとがき