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栄花物語の基層

定価: 10,450 (本体 9,500 円+税)
栄花物語について、歴史記述の論理を体系的に考察する。成立論・主題論に始まり、読む歴史の物語を成功させた、作品に内在する基層部分の論理を明らかにする。

【著者略歴】
中村康夫(なかむら やすお)
昭和24年(1949) 大阪市阿倍野区に生まれる
昭和47年(1972) 神戸大学文学部卒業
昭和51年(1976) 神戸大学大学院修士課程修了
 大阪府立今宮高等学校、鳥取大学医療技術短期大学部を経て、現在、国文学研究資料館教授。
目次を表示します。
第一章 『栄花物語』の成立
 一 国史への回帰
    回帰する思想―『栄花物語』前史と『栄花物語』の記述―
    『栄花物語』の実録志向
 二 『栄花物語』は何を書こうとしたか
    『栄花物語』の記述について―省筆の意味するもの―
 三 歴史記述の原点と『栄花物語』
    『栄花物語』と史実
第二章 『栄花物語』の主題―<みかど>を通して―
 一 <みかど>について
    <みかど>造型上の問題
 二 村上天皇について
    退位志向をめぐって
 三 円融天皇について
    巻一における円融天皇
    『栄花物語』における円融天皇像
    円融天皇周辺の人々―『御集』覚書―
 四 花山天皇について
    為平親王の野心
 五 三条天皇について
    心にもあらで…をめぐって
第三章 『栄花物語』の達成
 一 『栄花物語』の和歌
    和歌に託された世界             
 二 記述の広がりと内在する論理
    『栄花物語』の記述の構造―天地・仏神・理・自ら―
    変移の諸相
    王朝文学の一基底―「はかなし」―
初出一覧
あとがき
著者中村康夫 著
発行年月日2002年10月31日
頁数342頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1333-0