カント道徳思想形成―前批判期―の研究
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序論
第一章 自然哲学的・形而上学的研究と人間の自由
―卒業論文(一七四七年)及び一七五〇年代―
第一節 『活力測定考』―真理探求の規準と方法―
一 悟性の自由
二 中間命題
第二節 『天界の一般自然史と理論』―自然・神・人間―
一 体系的・生成的宇宙観
二 自然と神
三 宇宙論的人間観
四 人間観、道徳観の諸解釈
第三節 『形而上学的認識の第一原理の新解明』―決定根拠の原理と意志
の自由―
一 決定根拠の原理
二 決定根拠の原理と自由の問題
三 意志決定の自由
四 悪の問題とオプティミスムス
第四節 『オプティミスムス私論』―意志の自由―
一 最善を選はざるを得ない自由
二 一七五〇年代の自由概念の特徴とその基本的立場
第二章 道徳原則の探求と人間への尊敬― 一七六〇年代前半―
第一節 『神の現存在の論証』と『自然神学と道徳の原則の判明性に関
する研究』―形而上学の原則と道徳の原則―
一 認識根拠と存在根拠
二 形而上学の方法と原則
三 道徳の原則と形式性と実質性
第二節 『負量の概念を哲学に導入する試み』―欠如の悪と剥奪の悪―
一 負量の概念と実在的対立
二 実在的対立と心情道徳
第三節 『美と崇高の感情に関する考察』―人間本性の美と尊厳の感情―
一 美と崇高の感情と徳の原則
二 徳と似非徳及び人間の気質
第四節 『美と崇高の感情に関する考察のための覚え書き』―「人間を
尊敬すること」―
一 思弁の学から人間の学へ
二 人間の地位と使命
三 道徳的感情から自由意志へ
四 道徳的転向と哲学的転向
第三章 人間の研究と道徳原理の根拠の探求― 一七六〇年代後半―
第一節 『講義計画公告』―学問の主体性と人間の研究―
一 教授方針と方法
二 講義と人間の研究
第二節 『視霊者の夢』―叡知界と普遍的意志―
一 本書の意図と特性
二 霊的存在者と叡知界
三 知恵の立場
四 知恵の道と道徳的信仰
第三節 手記遺稿集―道徳哲学の体系と基本概念―
一 実践哲学の体系、道徳の最上原理とその根拠
二 自由の諸相
三 人格と人格性、叡知界と感性界
四 最高善―徳と幸福―
第四章 批判的倫理学への道― 一七七〇年代―
第一節 『感性界及び叡知界の形式と原理』―叡知界と純粋道徳哲学―
一 感性的認識と時間空間の観念性
二 悟性的認識と道徳哲学
三 叡知界の形式の原理と窃取の原理
第二節 書簡集―批判的問いの提起と道徳哲学の計画―
第三節 『倫理学講義』と手記遺稿集―人間性尊重の倫理学―
一 実践哲学の体系
二 道徳の原理とその根拠
三 自由の諸相
四 人間と人間性(人格と人格性)
五 最高善―徳と幸福、人類の最後の使命―
結論
あとがき
人名索引
事項索引
参考文献