呂赫若研究
1943年までの分析を中心として
定価:
12,100
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11,000
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序章
1.『呂赫若研究』執筆の動機と研究状況
2.本稿の構成―内容と方法
一章 「牛車」執筆以前(1914-1934)
1.はじめに
2.出生から台中師範学校入学前まで
i.生い立ち ii.時代的背景 iii.公学校への入学
3.台中師範学校時代
i.台中師範学校の沿革 ii.同級生の回想中の呂 iii.台中師範学校の紛擾 iv.文学への接近 V.婚約
4.小括
二章 「牛車」の執筆(1934-1935)
1.はじめに
2.『フォルモサ』への投稿
i.「牛車」執筆直前の行動
ii.台湾人留学生の政治活動と林賛煙
iii.『フォルモサ』の創刊とその同人
3.「牛車」の内容およびその時代背景
i.「牛車」の内容 ii.「牛車」の時代背景―自動車の発達
iii.「牛車」の時代背景―工業化
4.『文学評論』と呂赫若の接点
i.『文学評論』掲載の経線 ii・『文学評論』の特質
iii.「南国風景」と「牛車」の関係
5.日本農民文学としての「牛車」
i.『農民』派の主張 ii・日本プロレタリア作家同盟(ナルプ)の主張 iii.張赫宙との共通性
6.小括
三章 初期作品群(1935-1937)
1.はじめに
2.「嵐の物語」
i.梗概 ii・「牛車」との比較 iii・中候百合子の「牛車」評価と「新聞配達夫」 iv・「嵐の物語」の評価
3.「婚約奇談」
i.発表誌『台湾文芸』の性格
ii・「婚約奇談」梗概およびその解釈
4.評論「文学雑感」
i.「文学雑感」要旨 ii・「文学雑感」と森山啓
iii.社会主義リアリズムの受容
5.「文学雑感」以降の初期作品
i.「行末の記―或る小さな記凱 ii・「女の場合」
iii.呂作品における女性像の変遷 iv・「逃げ去る男」
6.小括
四章 文学的空白と音楽・演劇活動(1937-1942)
1.はじめに
2.文学的空自と音楽への接近
i.文学的空白期の分類 ii・音楽への接近
iii・台中師範学校時代の音楽教育と磯江清 iv.磯江清の経歴 V.呂の日本留学時期について
3.「台湾の女性」の執筆
i.『台湾芸術』の創刊 ii.第3回「花の表情」
iii.第4回「深山にて」 iv.第5回「暁の露か」
V.第6回「転落の日」 vi.「台湾の女性」の意義
4.日本滞在期の活動
i.下八川圭祐声楽研究所および欧文社編集部
ii.東宝声楽隊への入隊 iii.東宝声楽隊の活動と国民演劇
iv.東宝舞踊隊 V.李香蘭 vi.音楽活動と山田耕筰
5.小括
五章『台湾文学』時代の文学活動(1942-1943)
1.はじめに
2.『台湾文学』と『陳夫人』
i.『台湾文学』の創刊 ii.地方文化の振興
iii.『文芸台湾』の方向転換
iv.「陳夫人」の公演
3.「財子寿」(1942.3)から「柘榴」(1943.7)まで
i.「財子寿」 ii.「廟庭」「月夜」 iii.「風水」
iv.「隣居」 V.「合家平安」 vi.「柘榴」
4.小括
六章 台湾における音楽・演劇活動(1942-1943)
1.はじめに
2.呂の帰台と1942年当時の台湾の文化状況
i.『日記』に見る帰台直前の状況
ii.台湾演劇協会設立に至る経緯
iii.台湾演劇協会と株式会社台湾興行統制会社
3.台湾における呂の音楽活動
i.評論活動 ii.新台湾音楽運動 iii.台湾放送協会第二放送
4.台湾における呂の演劇活動
i.戯曲の執筆 ii.株式会社台湾興行統制会社への入社
iii.評論活動 iv.厚生演劇研究会
5.小括
終章 呂赫若研究の可能性
1.一章から六章までの要旨
2.今後の研究の展望
i.「清秋」再論 ii.その他の日本語小説 iii.戦後の中文作品
iv.戦後呂の参加した文化・政治運動
3.結論―呂赫若の提起するもの
主な参考文献
あとがき