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日記文学の本質と方法

定価: 22,000 (本体 20,000 円+税)
平安朝の日記文学を中心に大きな時代・歴史の流れの中で各々の作品がどういう位置を確保できたかを問う。付篇では本文研究の問題点を検討し新資料の紹介を行う。

【著者略歴】
津本信博(つもと のぶひろ)
 1940年7月7日 奈良県生
 1963年 早稲田大学教育学部国語国文学科卒業
 1970年 早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了
 1999年 博士(文学)早稲田大学
 現 在 早稲田大学教授
目次を表示します。
緒言
本論 第一篇 日記文学の本質
第一 源流
   一 女流日記文学の源流―藤原摂関家と女房―
   二 宇多朝の世界―記録から日記文学発生へ―
   三 日記文学の発生―漢文日記から仮名日記へ―
第二 物語と日記文学
   一 『うつほ物語』に見る日記
   二 日記文学と『源氏物語』
   三 日記文学における会話文
第三 和歌と日記文学
   一 歌から物語へ―『篁物語』を中心に―
   二 日記文学と私家集
第四 紀行と日記文学
   一 紀行文学の展開―上代・中古の紀行―
   二 日記と紀行のオーバーラップ―『更級日記』を中心に―
   三 京と鄙の往還
第五 随筆と日記文学
   一 日記文学と「つれづれ」―執筆契機―
   二 『枕草子』の方法―「をり」の表現をめぐって―
   三 『枕草子』の日記的章段
本論 第二篇 日記文学の成立
第一 土佐日記
   一 『土佐日記』の成立
第二 蜻蛉日記
一 『蜻蛉日記』上巻の方法―長歌の反歌的性格―
   ニ 『蜻蛉日記』下巻の構造―「老い」の意識―
   三 道綱母の読者依存と方法
   四 『蜻蛉日記』における天下人―皇統の意識―
第三 和泉式部日記
   一 『和泉式部日記』の成立
   二 為尊親王薨去の真相―天変異状説―
   三 和泉式部―行動派の代表―
第四 紫式部日記
  一 『紫式部日記』の方法
第五 更級日記
   一 『更級日記』の方法Ⅰ
   二 『更級日記』の方法Ⅱ―素材と表現―
   三 『更級日記』の成立Ⅰ
   四 『更級日記』の成立Ⅱ―ロマンチックな視線―
   五 『更級日記』の山里
第六 四条宮下野集など
   一『四条宮下野集』の世界―城南別業と歌人―
第七 成尋阿闍梨母集
   一 『成尋阿闍梨母集』の方法
   二 『成尋阿闍梨母集』の成立―部分的他撰を考える―
   三 『成尋阿闍梨母集』の主題
   付 『成尋阿闍梨母集』―研究の展望と問題点―
第八 讃岐典侍日記
   一 『讃岐典侍日記』の成立―その執筆年次と契機―
第九 荒玉年月
   一 『荒玉年月』の方法
   二 異本『艶詞』の成立
   三 『隆房卿艶詞絵巻』と『荒玉年月』
   四 『佐羅志那能記』の成立―『荒玉年月』の享受―
第十 建礼門院右京大夫集
   一 『建礼門院右京大夫集』の方法―王朝物語世界への往還―
参考
   一 辨内侍日記と中務内侍日記
ニ 王朝女流文学者の行方
三 日記紀行文学の行方
付篇 日記文学の本文と資料
第一 『たまきはる』の書誌と本文
―金沢文庫本の書誌と書陵部本・転写本―
第二 『たまきはる』の奥書―その筆者と成立事情―
第三 隆房卿艶詞絵巻
第四 資料紹介 祐徳文庫蔵『艶詞』
第五 資料紹介 彰考館文庫蔵『佐羅志那能記』
第六 『土佐日記』の享受―今村楽『花園日記』と浄瑠璃『土佐日記』―
一 『花園日記』と『土佐日記』
二 『花園日記』の本文翻刻
三 『うなびのさへづり』解説と本文翻刻
四 『天路の橋』解説と本文翻刻
   五 土佐浄瑠璃「土佐日記」の解説と本文
第七 「人のむすめ」考
第八 「近世紀行日記文学集成」(全五巻収載)作品一覧表
まとめ
研究主要参考文献
初出掲載誌及び原題
あとがき
索引
著者津本信博 著
発行年月日2001年11月30日
頁数844頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1285-2