イギリス芸術教育思想における独創性と公共性
レノルズ,ブレイクとロマン主義の子ども観
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図版一覧
序章 子どもと独創性の思想史
1 ロマン主義の子ども観と子どもの独立
2 近代子ども観研究におけるロマン主義の子ども観の位置づけ
3 子どもの孤立と独創性概念の形成史
4 18世紀の天才論における想像力と独創性
5 「子ども」と「独創性」の思想史に向けて
6 公共性への展望とブレイク,レノルズの芸術教育思想
7 各章の構成
第1章 イギリスロマン主義の子ども観と想像力
1 感性の時代―ロマン主義と子どもの礼賛―
2 経験論とキリスト教の融合―教訓派作家の子ども観―
3 教訓のパロディとして―初期ロマン主義作品の子ども観―
4 ロマン主義作品における自己成熟と社会化
5 教育の「子ども」と想像力の「子ども」
6 想像力論としてのルソーの影響と18世紀の天才論
第2章 ロマン主義と18世紀の天才論
1 ロマン主義の子ども観に対する天才論の影響
2 18世紀イギリスにおける天才論の展開
3 エドワード・ヤングと『独創的作品に関する考察』
4 ヤングの天才論における独創性
5 インプットの孤立―独創性と〈無からの創造〉―
第3章 ブレイクとレノルズの芸術教育思想にみる想像力
1 芸術教育と天才論
2 芸術制作における創意
3 創意の才能としての天才
4 ヴィジョンの「永遠なる形」
5 「芸術の技法」と模写による学習
第4章 ブレイクとレノルズの芸術教育思想にみる生得観念
1 天才と生得観念―法則か生得か―
2 「無からは何も生じない」―レノルズの生得観念否定論―
3 「確固たる手で線を描く」―ブレイクにおける輪郭線―
4 輪郭線による「特殊化された知識」
5 直観による同一化―ブレイクの独創性―
6 『無垢と経験の歌』にみる同一化
第5章 芸術教育と近代的所有
1 独創性と近代的所有
2 教育における所有の概念
3 「芸術の一般的原理」の構築―レノルズとロイヤル・アカデミー―
4 独創性と天才の占有―ヤングとブレイク―
5 アウトプットの孤立―所有をめぐる独創性の問題点―
第6章 両義性の芸術教育思想
1 二重の孤立から社会科へ
2 レノルズの『美学講義』にみる公共性
3 芸術教育による公共財の創出
4 オーディエンスの群衆化と芸術市場の登場
5 レノルズにみるイギリス芸術の〈両義性〉
6 ブレイクの〈両義性〉と独創性と公共性の調和
第7章 柳宗悦の『ヰリアム・ブレーク』における〈生命〉
1 近代日本におけるブレイク受容と個性論の形成
2 科学と〈生命〉の問題
3 個性に基づく真理の創造
4 対立と「二元的一元論」
5 直観と「純粋の直接経験」
終章 子どもの公共性に向けて
1 各章で明らかにしたこと
2 20世紀から現代に至るイギリス芸術教育思想の展開
3 子どもの公共性に向けて
文献表
初出一覧
あとがき