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源氏物語構造論

作中人物の動態をめぐって

定価: 14,300 (本体 13,000 円+税)
女三の宮降嫁によって展開される若菜巻の世界を「脱構築」の視点をもとに物語の動的飛躍と跡づけ、多面的複眼的に織り上げられた源氏物語の尽きせぬ魅力を探る。

【著者略歴】
今井久代(いまい ひさよ)
1962年生まれ
1985年東京大学文学部国文学科卒業
1994年東京大学大学院博士課程(国文学)単位修得退学
1997年博士(文学)取得
現在、東京女子大学文理学部専任講師
目次を表示します。
第一編 物語世界と平安王朝―史実の脈絡、物語の論理
 第一章 延喜の帝と桐壺帝
 第二章 皇女の結婚―女三の宮降嫁の呼びきますもの
 第三章 皇統を紡ぐ女たち―井上内親王と藤壺の宮、六条御息所、秋好
第二編 光源氏の物語
 第四章 「朝廷の御後見」―光源氏の誕生と桐壺帝の視座
 第五章 「東宮の御ため」の論理―藤壺の運命と桐壺帝
第三編 紫の上の物語
 第六章 紫の上物語の主題と構造
 第七章 『源氏物語』における紫の上の位相
 第八章 紫の上と和歌―少女が女になるまで
 第九章 「隔て心なき」仲のかたち―紫の上と光源氏の和歌
第四編 第二部世界の胎動
 第十章 空蝉物語の「出会い」ということ
 第十一章 夕顔物語の「あやし」の迷路―現実の脈絡とことばの脈絡
 第十二章 あはれとみやびと道心と―薄雲巻・朝顔巻の対話をめぐって 
第五編 六条院世界の変容―第二部世界の達成
 第十三章 柏木物語の「身」と「心」―柏木と「家」のなかの自己認識
 第十四章 柏木物語の「女」と男たち―業平幻想の解体と柏木の死
 第十五章 鈴虫巻の対話―光源氏の宿世と人々の愛執
第六編 宇治の世界の構造と人物造型
 第十六章 宇治八の宮の遺戒と俗性
 第十七章 父の姉娘の物語―大君
原題と初出一覧
あとがき
著者今井久代 著
発行年月日2001年06月30日
頁数440頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-1268-5