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ドイツの外交・安全保障政策の教育

平和研究に基づく新たな批判的観点の探求

定価: 7,700 (本体 7,000 円+税)

生徒が将来、外交・安全保障政策を主体的に判断できるようにするためには、どのような教育が必要なのか? 本書はドイツの「外交・安全保障政策の教育」を例にこの問題を考える。

【著者略歴】
寺田佳孝(てらだ よしたか)
1982年生まれ。2005年、早稲田大学教育学部卒業。
2007年、名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程(前期課程)修了。
2012年、名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程(後期課程)単位取得退学。
その間2008~2009年にドイツ・フライブルク大学に留学。
名古屋商科大学経済学部講師を経て、現在、国際医療福祉大学小田原保健医療学部講師。
博士(教育学)。
専攻は教育方法学(カリキュラム論・授業構成論)。
とくにドイツ政治教育、社会科教育論。
※略歴は刊行当時のものです※
目次を表示します。
はじめに
略語一覧
凡例
序章 ドイツの外交・安全保障政策の教育
 第1節 本研究の目的と意義
 第2節 研究課題の設定と分析枠組
  第1項 先行研究と本研究の課題
  第2項 研究対象と分析の視点
 第3節 本研究の全体構成
第1章 政策への無関心あるいは一面的正当化
    ―戦後初期の外交・安全保障政策の教育の問題性―
 第1節 戦後初期のドイツの外交・安全保障政策
 第2節 戦後初期の政治教育論
 第3節 理念的・個人的平和教育論
 第4節 再軍備期の教育政策
 第5節 1960年前後の政治科における外交・安全保障政策の教育
第2章 教育目標としての政策批判能力の育成
    ―政治・社会環境の変容と平和研究への注目―
 第1節 社会民主党政権の成立と外交・安全保障政策の新展開
 第2節 平和研究の制度化とその研究内容
  第1項 平和研究の制度化
  第2項 平和研究の外交・安全保障政策分析
 第3節 批判的観点を重視した政治科と平和教育の登場
  第1項 教育理論
  第2項 政治教育論
  第3項 政治科の学習指導要領
  第4項 批判的平和教育論
 第4節 社会民主党政権の矛盾:外交・安全保障政策における軍事力の強調
第3章 東西軍拡に対する実証的批判の観点
    ―新冷戦下の教育内容における平和研究の浸透―
 第1節 NATOの二重決定と社会民主党の外交・安全保障政策の混迷
 第2節 1980年代の平和研究の展開
  第1項 平和研究の社会・市民への浸透
  第2項 平和研究に対する保守派の批判とDGFKの廃止
  第3項 平和研究の外交・安全保障政策に対する視座
 第3節 外交・安全保障政策の教育勧告作成の試み
  第1項 平和教育論争の開始と2つの教育草案
  第2項 政権交代と対立の激化
 第4節 1980年代の政治科の教科書分析
  第1項 ノルトライン・ヴェストファーレン州
  第2項 バーデン・ヴェルテンベルク州
第4章 冷戦後の武力行使に対する新たな批判
    ―外交・安全保障観の再定義と教育への反映―
 第1節 ドイツの外交・安全保障政策の変容
 第2節 平和研究の外交・安全保障政策に対する新たな批判的視座
  第1項 平和研究者の武力行使論争
  第2項 平和研究の武力行使に対する批判の具体的内容
 第3節 冷戦後の外交・安全保障政策の教育の展開
  第1項 文化的平和教育論と外交・安全保障政策への関心
  第2項 2000年代の政治科の教科書分析
終章 批判的な外交・安全保障政策の教育の内実と日本への示唆
 第1節 戦後ドイツの外交・安全保障政策の教育の変容
 第2節 平和研究に基づく批判的観点の特徴
 第3節 日本の外交・安全保障政策の教育に対する本研究の示唆

おわりに

参考資料・文献
索引
著者寺田佳孝 著
発行年月日2014年11月30日
頁数252頁
判型 A5
ISBNコード978-4-7599-2053-6