質の経験としてのデューイ芸術的経験論と教育
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まえがき
序章 本研究の目的と各章の概要
第一章 自然と精神の統一としての芸術的経験
一 研究の目的と方法
(一)研究の目的
(二)研究の方法
二 一次的経験と二次的経験
(一)人間は自然の一部
(二)一次的経験の特性
(三)二次的経験の特性
三 二次的経験としての芸術的経験
(一)芸術と日常経験との連続性
(二)「正常な経験」(normal experience)としての経験の特性
(三)芸術家と科学者の経験の局面に対する関心の違い
四 自我と世界との相互浸透としての芸術的経験
(一)芸術は自然の「感覚的質」を理想化
(二)芸術的経験は内部の欲求と外部の素材との協力
(三)芸術は物質と精神の統一の実現
五 結論と考察
(一)結論
(二)考察
第二章 芸術的経験と感情
はじめに
一 感性、感情の発生
二 価値的経験と感情
(一)価値的経験の特質
(二)知的経験と芸術的経験の違い
三 芸術的経験と感情
(一)表現の過程
(二)表現活動と感情
まとめ
第三章 芸術的経験論における表現内容としての「質」(quality)
一 研究の目的と方法
二 自然における性質
(一)感覚によってしか捉えられない自然の性質
(二)感覚的質は、生活体と外的事物との相互作用の「質」
三 芸術の表現内容としての「質」
(一)芸術は媒介が「質」を伝える
(二)芸術によって表現される内容は「質」
(三)芸術表現に共通に見られる質(時間と空間)
四 芸術作品に表現される「質」の事例
五 結論
第四章 芸術的経験論における表現内容としての「感覚的質」(sense quality)
一 研究の目的と方法
(一)研究の背景
(二)研究の目的と方法
二 J・デューイの「感覚的質」と茂木健一郎の「質感」の考え方の比較
(一)学問分野
(二)自然の性質の分類における「感覚的質」又は「質感」の位置付けについての見解
(三)用語の定義
(四)歴史の中での「第二性質」の扱いについての見解
(五)「第二性質」の内容
(六)認識方法
三 まとめと考察
第五章 芸術的経験論における芸術の形式と実体(内容)の生成
一 研究の目的と方法
二 芸術表現における形式の概念と意味
(一)芸術的経験における「形式」の概念
(二)形状と優美との関係について
(三)物質の形状について
(四)事物は要素の排列によって形式が形造られる
三 芸術的経験における形式の生成
(一)形式の生成は、有機体と環境との相互作用による
(二)形式の生成には相互作用においてリズムが必要
四 芸術表現における実体(内容)の生成
(一)媒介について
(二)実体としての質的全一体
(三)実体としての時間と空間
(四)芸術共通の実体における強調点の違い
五 まとめ
第六章 芸術的経験論における想像力(imagination)の働き
一 研究の目的と方法
二 芸術理論(哲学)に対する批判
A 自己表現説
B ①芸術虚構説
②芸術遊戯説
C 芸術再現説
D 芸術模倣説
三 芸術的経験論における想像力の働き
四 芸術教育における想像力育成の原理
(一)表現活動での想像力育成方法
(二)鑑賞活動での想像力育成方法
五 結論
第七章 芸術的経験論における「批評」(criticism)の概念
一 研究の目的と方法
二 デューイの「批評」の概念と「批評」に該当しない「批評」
(一)デューイの「批評」の概念
(二)「批評」に該当しない「批評」
三 批評における規準と批評者の批評方法及び批評と鑑賞の違い、批評の機能
(一)批評における規準
(二)批評者の批評の方法
(三)批評と鑑賞との違い
(四)批評の機能
四 批評の誤謬
(一)帰一的誤謬
(二)範疇の誤謬
五 まとめ
第八章 芸術的経験論における芸術の分類の考え方
一 研究の目的と方法
二 従来の芸術の分類(芸術の類型)
(一)類型学的立場による分類
(二)感覚領域による分類
三 デューイの芸術分類の考え方と従来の芸術分類への批判
(一)デューイの芸術分類の考え方
(二)従来の芸術分類に対する批判
四 デューイの芸術分類
(一)芸術分類の考え方
(二)分類の方法
(三)芸術の分類の具体
1建築(architecture)
2彫刻(sculpture)
3絵画(painting)
4音楽(music)
5文学(literature)
五 まとめ
第九章 芸術的経験論における異民族芸術を経験することの意味
一 研究の目的と方法
二 芸術的経験の特質と文明生活における芸術の意味
(一)芸術的経験の特質
(二)文明生活における芸術の意味
三 異なる民族の芸術を経験することの意味とその方法
(一)異なる民族の芸術を理解したり鑑賞したりすることができるか
(二)異なる民族の芸術を経験することの意味とその方法
四 異なる民族の芸術をわれわれの経験に連続させる方法
(一)異なる民族の芸術が他民族に真に伝達しうるか
(二)異なる民族の芸術をわれわれの経験に連続させる方法
五 まとめ
第十章 芸術的経験論における「美」の捉え方の特徴
はじめに
一 経験としての状況と美
(一)反射弧理論と美
(二)経験におけるリズム
(三)状況に具わる質
二 「一つの経験」と美
(一)「正常な経験」の特質
(二)知的経験と芸術的経験の違い
三 芸術的経験と美
(一)表現の過程
(二)芸術表現としての形式と実体
まとめ
終章 デューイ芸術的経験論から導出する芸術教育論―生成の原理による芸術教育哲学―
一 デューイ芸術的経験論の要点
(一)哲学の立場
(二)「自然」の捉え方
(三)芸術的経験
(四)「一つの経験」(価値的経験)の特質
(五)知的経験と芸術的経験との相違
(六)表現の過程
(七)芸術表現としての形式と実体
(八)芸術的経験における表現内容
二 デューイ芸術的経験論から導出する芸術教育論―生成の原理による芸術教育哲学
(一)芸術の定義
(二)生成の原理
(三)生成の原理から導出される芸術教育の指導内容
(四)生成の原理による音楽科の学習方法
三 ポストモダンの現代における芸術教育
(一)自然の経験としての量と質の次元
(二)近代の科学主義の認識観
(三)科学重視の認識観・教育観の結果
(四)芸術教育による質の経験
あとがき