近代日本の<絵解きの空間>
幼年用メディアを介した子どもと母親の国民化
定価:
8,800
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8,000
円+税)
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序章 幼年用メディアを介した子どもと母親の国民化を研究することの意義
はじめに
1 本書の仮説と方法
2 本書の意義と構成
3 一冊の絵本
おわりに
1章 〈赤本〉と呼ばれた絵本の成立、そして排除から包摂へ
―絵本の生産・流通・受容を巡る諸問題―
はじめに
1 前近代を継承した〈絵解きの空間〉
2 20世紀初頭の絵本
3 排除される〈赤本〉
4 近代家族と〈絵解きの空間〉
5 公教育としての家庭教育
6 包摂される〈赤本〉
おわりに
2章 絵雑誌の出現と子どもの国民化
―『お伽絵解 こども』(1904-11)に見るジェンダー―
はじめに
1 子ども雑誌の出現と普及
2 『お伽絵解 こども』について
3 『お伽絵解 こども』を絵解きする
4 期待された主体性
おわりに
3章 家庭教育メディアとしての絵本
―金井信生堂の創業期絵本(1908-23)に見る〈暮らしのイメージ〉―
はじめに
1 金井信生堂創業期絵本の概要
2 〈暮らしのイメージ〉を絵解きする
3 ニュース、モデル、そして夢
4 家庭教育メディアとしての絵本
おわりに
4章 エージェントとしての〈お母様方〉の成立
―倉橋惣三と『日本幼年』(1915-23)の広告―
はじめに
1 倉橋惣三の政治性
2 家庭教育論者としての倉橋惣三
3 『日本幼年』とその創刊広告
4 〈お母様方〉への呼びかけ
おわりに
5章 『子供之友』17~25巻(1930-38)のメディア・イベント
―「甲子上太郎会」と「甲子さん上太郎さんたち」―
はじめに
1 『子供之友』(1914-43)と《甲子上太郎》について
2 「甲子上太郎会」の目的
3 「甲子さん上太郎さんたち」と名づけられた参加者
4 国民化への道筋
おわりに
6章 《講談社の絵本》(1936-44)に見る総力戦の道筋
―『講談社の絵本』(1936-44)と『コドモヱバナシ』(1942-44)の付記―
はじめに
1 野間清治と講談社
2 《講談社の絵本》の概要
3 『講談社の絵本』の付記
4 『コドモヱバナシ』の付記
5 総力戦の道筋
おわりに
7章 戦時統制期(1938-45)に於ける生産者の主体性
―金井信生堂、岡本ノート・創立事務所を事例として―
はじめに
1 生産者の動向
2 戦時統制期絵本の生産者
3 金井信生堂の場合
4 岡本ノート・創立事務所の場合
5 生産者の主体性
おわりに
終章 近代日本の〈絵解きの空間〉に於ける子どもと母親の国民化
―臣民としての主体性の構築―
はじめに
1 子どもと母親の国民化の過程
2 結論―臣民としての主体性の構築
3 補遺―子どもの受容
おわりに
初出一覧
調査・分析資料概要
あとがき
参考文献
人名索引